プロ野球唯一の400勝投手、金田正一さんが6日、急性胆管炎による敗血症のために86歳で死去した。故星野仙一さんと金田さんの隠れた縁があった。
中日の星野仙一元監督が生前、金田さんのことをよく話していた。ある時には記者に「400勝を挙げた試合、負け投手になったのは誰か知っているか?」。答えは、星野さん自身だ。
1969(昭和44)年10月10日、後楽園での巨人戦。先発して6回までに2本塁打を含む5安打、4四死球の大荒れで4失点。一方、金田さんは5回から城之内の後を受け登板し、5イニングを1失点に抑えた。
この年、星野さんは新人で金田さんは現役時代最後の年。重なりあったのはわずか1年だが、この時は先輩が新人に貫禄をみせた。400勝達成ゲームで敗戦投手となった星野さんは「歴史的な試合に名前を残せて、光栄だよ」と話していた。(前田道彦)