「お嬢様、ホグワーツからの手紙です。入学案内を送って来たと言うことはもう少なくとも殺す気は無いと言うことでしょうか?」
「全然安心できないわよ。あの学校の校長は私の両親を殺した不死鳥の騎士団の団長なのよ」
そう言いながらも目にはどこか面白がるような色を浮かべている。
「そろそろアレにも手を出して兵士を増産するべきかしら」
「アレはまだ不完全です、やめておましょう」
「そうするわ。ところでいつまで私の屋敷で盗み聞きする気なのかしら、アルバス・ダンブルドア?」
そう言った11歳の少女はまるで美術品のような整った顔を歪めてニヤリと笑いながら柱の方へピストルを向けた
「いつから気づいておったのかね?」
「貴方がこの別邸に入って来た時からだ、ミスター・ダンブルドア」
「そうかそうか、しかし何故出迎えてくれぬのじゃ?年寄りは労わるべきじゃろ?」
「図々しいにも程があるぞ、それで何しに来た?何もわざわざその入学案内を届けに来たわけではあるまい」
「何、君の顔を見ておこうと思っての。何せあのご両親の娘じゃからのう」
「そうか、ならばもう私の顔は十分に見たな?お引取り願おう。残念ながら私はこの後マルフォイ家の面々と会わなければならない、貴方と話しているような暇は無いですから。エリツィン、お客様がお帰りになりますよ」
こうして儂はヒンデンブルク家別邸を追い出されてしまった。しかしあってみて分かった、やはりあの子は危険じゃった、トレローニーの言う通りじゃ
あの時の予言を思い出しては憂鬱になる。
「七月の末子供が二人生まれる。一人は闇の帝王に三度抗った両親から生まれ闇の帝王にはない力を持つ。
闇の帝王自らがその子を比肩し示す。二人目は幾度も光に抗った両親から生まれ闇の帝王を滅する力を持つ。
しかし忘れるな!その子供の力こそ闇である。
一方が生きる限り、他方は生きられぬ。」
儂は一方、つまりハリーのことのみ魔法省に伝えた。彼女のことを伝えたとしても誰も信じないだろうしまず今の魔法大臣はヒンデンブルク家から多額の寄付という名の賄賂を受け取っている。上で握りつぶされて終わるだろう。
「お嬢様よろしかったのですか?あの老人を殺して置かなくて」
「はぁー、貴方は優秀だけど少々頭が抜けているわね。ここで奴を殺したらそれこそ騎士団員と闇払いが嬉々として屋敷に乗り込んできて調べまくるわよ、ここ最近はアーサー・ウィーズリーが元死喰い人の家の粗探しを計画しているらしいし」
「ところでお嬢様、ダイアゴン横丁に買い物に行かなくていいのですか?」
「空港に連絡してプライベートジェットの用意して、ロンドンシティ空港からは車で」
「かしこまりました」
ロンドンシティ空港
「お嬢様何故スーツなのですか?」
「一番怪しまれないのよ、それに結構似合ってるでしょ?」
「まぁそうですが、車はVIPゲートの前に止まってるそうです」
「分かったわ」
因みに車種はメルセデスベンツのSクラス500SEだった
「ドルリー通り漏れ鍋まで」
「イエスマム」
バンッ
「到着しました」
車から降り漏れ鍋に入る、ワクワクしていないかと言われれば嘘になる。やはりはじめての学校生活は楽しみだ、しかし気は抜けない。いつ騎士団に狙われるか分かったものでは無い、少し前にマルフォイ家と話した際にはドラコが「君は僕が守るよ」などと言っていたが恐らく守るどころか私が守る事になるだろう、とわいえ彼は私が心を開いた数少ない親友だし好きか嫌いかで言われれば断然好きだ。彼に会えるのも楽しみな上にあの闇の帝王から生還したハリーポッターという男の子も見てみたい。はっきり言って私が今まで見たり触ったり訓練したりしたのは呪文や魔法薬の本に戦争や兵器、銃の本、マナーや礼儀の本そして実物の武器や射撃訓練、殺人訓練(ファッジから死刑囚を融通してもらっているらしい)。そんな生活をしているからか私の場合美人であることも相まってすごく怒ると怖いらしい。それに私の場合笑い方も自分でわかるくらい歪んでいるし恐らく心も歪んでいる。初めて殺人訓練した時はまだ怖かったが今では相手の苦しんでいる姿を見て嬉しくなるしナイフで刺して殺した時には相手の目を見ても何も感じなくなった。
それどころか吸血鬼でも無いのに血を美味しいと感じる事がある。異常かもしれないがそれが私の普通だ。
「お嬢様何をぼーっとなさってるですか?遅れますよ!」
「今行くわ」
こうして活気溢れるダイアゴン横丁へと私は入っていった。
少し短め