アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『パーム 蜘蛛の紋様』全6巻/獸木野生

2017-01-30 | 少女漫画
 
戦争はよくないが必要と考えたり
悪いが止められないと思う人間もいる
結局そのほぼ全員が止めようとする者の敵に回るんだ
マフィア並みの不人気だろ

(ジェームスからティットへ)


 私が『パーム』を知ったのは、『オールスター・プロジェクト』が連載されていた時だ。雑誌で毎月読んでいるうちにハマっていった。
 数年がかりで『お豆の半分』から『星の歴史』を揃えて、『愛でなく』はリアルタイムで買っていた。
 その後しばらく買うのを忘れていたら、『蜘蛛の紋様』の第3巻にプレミアがついてしまったので、その巻だけ電子版を買う(安くなった時に紙版も買いましたが)。

 初めて読んでから30年近く経ってようやく『蜘蛛の紋様』までたどり着いたけれど、結果的に良かったような気もする。
 高校生の時に『蜘蛛の紋様』や『TASK』を読んでも、私はおそらく理解できなかった。

 本作では大量の伏線が回収される。

 今まで「憎い人間など誰もいない」というジェームスの心理がよく分からなかったけれど、農場での監禁生活から刑務所出所に至るまでの経緯を知ると、そういう一種の「境地」にたどり着いたのも納得できる。

 作品の舞台である1980年代、「西側ではない」ことは「東である」ことと混同されていた。だから資本主義を批判する彼の真意を理解できずに、作中でメディアや大衆は、短絡的に彼に「コミュニスト」のレッテルを貼ってしまう。

 ジェームスが死ぬことは作中で既に定められているので、「一人の天才」が世界を変えるわけではないことも、知っている。

 それでもやはり、私は彼らの生き様に惹かれ、その行く末を見届けたい。

 『パーム』の登場人物ほど壮絶な人生でなくとも、生きているとどうしても「漫画を読む時間がない」という時期がある。
 そして、再び漫画が読めるようになった時に、
「あの続きを読みたい」
と思わされる作品というのは、真の名作だと思う。

 背表紙の色は、白→青→黒と変化。



★★★★★


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『超人ロック ドラゴンズブラッド』全4巻/聖悠紀

2017-01-28 | 青年漫画
 
ありがとう E・J
「万が一」って
いつでも私のこと考えててくれて
ありがと

(フリージアからE・Jへ)


 読み終えて、色んな思いが湧き出てきたので、あれこれ書きます。

 『ドラゴンズブラッド』『ラフラール』は共に、ラフノールを題材にした作品でありながら、両者の焦点の当て方は対照的だ。
 『ラフラール』(と『鏡の檻』)がラフノールの「これから」を描いているのに対して、本作では「かつて」のラフノールの知られざる一面がドラマを生む。

 新連邦時代における、ラフラールの持つ強い政治的影響力が描かれている『ラフラール』。
 大昔のラフノールの、伝説と化した過去が題材となっている『ドラゴンズブラッド』。

 そして、長い年月とともに「本当の歴史」など誰にも分からなくなるという側面も描かれている。

 『ラフラール』には、グルンベルクは偉大な司祭長だったと信じている人々が出てくる。
 『光の剣』から『スターゲイザー』を読んでいると、「あんな非道い奴のどこが偉大なんだ?」と思っちゃうけれど、作中の彼らにとってグルンベルクは歴史上の人物なのだ。過去の人物に対する評価は、時が経てば変わってしまう。

 例えば私たちは、「飛鳥時代に殺された蘇我入鹿は悪い奴だった」と歴史の授業で習う。けれど、「蘇我入鹿は本当は立派な人物だった」という研究も存在する。
 タイムトラベルでもできない限り、どちらが真実なのかを、本当の意味で確かめることはできない。

 この、「読者(とロック)は本当のことを知っているけれど、登場人物たちが知っている歴史は部分的に間違っている」というのも、『超人ロック』を読む時の楽しみの一つだ。
(例えば『鏡の檻』で、フリールは「皇帝レイザーク」のことは知っていても、「エリカ」の存在は知らない模様だ)

 飛竜使いの伝説が新連邦時代になっても知られていないのは、多分ラフノールの意図だ。
 旧連邦時代にも帝国時代にも迫害されてきたラフラールは、表面的には差別のなくなった新連邦時代になっても、おそらく根底では「体制」を信じていない。自らの星の歴史も伝承も、重要な物は一族の中でだけ口承され、外部に漏らさないようにしているのかもしれない。

 ロックがリュークの親代わりとなる結末は印象的だ。「ロックの家族」のあり方として、今までにない形ではないだろうか。
 ロックを「パパ」と呼んだクローン達は、いわば「血の繋がった家族」だ。
 ミラとの出会いは、二人が愛を育んでいく様、幸せな結婚生活を描きながらも、子供は生まれない(ロックが自分の子供を欲しがらない理由は『オメガ』で触れられている)。
 リュークに関してロックは「血の繋がらない子の養父」で、リュークがセリスを「おばあちゃん」、ロックを「おじさん」と呼んでいるので、ちょっと三世代同居っぽい。
 しかも実の両親とは夢の中で会っているという…。

 あと「リューク」という名前、「賢者」と呼ばれていたリューブにあやかって付けたのでは、と考えるのは飛躍しすぎかなあ?


★★★★☆


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チラシ、その2

2017-01-26 | daily
 
 Huluで昔のアニメを見始めたついでに、1990年代を振り返っています。
 昔アニメイトでもらった情報誌を取ってあるので、それを引っ張り出して。

 「ちょっとAV」と「アニメイトNEWS」を、まとめてクリアケースに突っ込んであります。



 「ちょっとAV」の32号(1990年6月)。



 これは確か、初めてもらった号です。
 高校生になって、漫画やアニメが好きな友達ができて、「アニメイト行こう」と誘われて、
うわあっ、日本にはこんな夢みたいなお店があるのか!
と感激したのを覚えてます。

 無料でもらえる物なのに、かなり読み応えがあります。



 好きな作家さんへのインタビュー記事とか。



 当時の自分がペンでチェックした跡も残ってます。





 作品は覚えていても、発売当時の広告は忘れていたりするので、振り返ってみると新たな発見があります。




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チラシの類

2017-01-24 | daily
 
 アニメイトやまんがの森で買い物をした時にもらった情報紙を、一部とってあります。
 ネットのなかった1990年代には、情報源として重宝してました。






 好きな作家さんが寄稿している号もあるので、私にとっては貴重な物もあります。






 ゲーセンにはあまり行かなかったので、友達に入手を頼んだ物も数枚。




 今は通販ばかり利用してますが、たまに特典をもらいます。




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パズル

2017-01-21 | daily
 
 ネットに頼らずに解く。



 たまには手で字を書いたり紙の辞書を引いたりしないと、脳が劣化しそうな気がするので。

 写経に飽きたら漢字ドリルでも買おうかな。


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イメージアルバム

2017-01-19 | daily
 
 一時期、「漫画のイメージアルバム」に凝っていました。
 「アニメのサントラ」ではなく、あくまでも「漫画のアルバム」なのが面白くて。

 きっかけは『アーシアン』です。



 しばらくすると、『超人ロック』のイメージアルバムがCDで再販されました。



 これはイメージアルバムとは少し違いますが、『ラブ★コン』の限定版。リサと大谷が、作中の曲をカラオケで歌ってます。



 高河ゆん作品は特に好きで、しまいにはマイテープみたいな物まで作ってました。





 ドラマCDの好きなシーンと音楽CDの好きな曲をつないでます。


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危険水域

2017-01-16 | daily
 
 Huluを試して数日。
「このまま使い続けちゃおうかな」と思い始めた。

 「ふしぎの海のナディア」をちょっと見たら、こんなに奥深い話だったのかと感心して、この作品を見終わるまで(一ヶ月くらい?)は会員を続けたくなった。

 見ていた当時、私は「19世紀がどういう時代だったのか」を理解していなかったので、この作品の魅力を半分も分かっていなかったようだ。

 いやあ、よく考えてみたらスゴいですね!

 19世紀に飛行機とか電子回路とか!


 全39話だから、一日2話ずつ見れば二十日で見終わります。

 「あと一ヶ月だけ」

 こう考えている時点で、既に辞められなくる危険水域に入っている気もしますが。

 これは放映されていた頃に発売されたナディアのカセットレーベル。





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Hulu

2017-01-14 | daily
 
 こっちのブログに少し書きましたが、Huluの2週間無料トライアルを始めました。

 「題名は知っているのに見たことがない映画」を見るつもりだったのに、うっかり懐かしいアニメを見始めてしまいました。

危険だ。

 懐かしくて面白くて、途中でやめられなくなる。
 そもそも、「かつて好きだったアニメ」なので、もう一度見ると再びはまってしまう。

 「らんま1/2」は話数が多いのでBOXが高くて買えなくて、私はTVタイトルズのLDだけ持ってるんだけど、



このサービスでは本編を全話見られる。

 目当ての映画だけ見てサッと2週間で解約するつもりだったのに、解約できなくなってしまうじゃないか。それを狙って「無料トライアル期間」を設けているのだろうけど。

 原作も読み返したくなって、



20年以上経って傷んでいるブックカバーを取り替える。


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カセットレーベル

2017-01-13 | コレクション
 
 1990年代、高校生だった頃、よくCDをカセットテープにダビングしていました。
 CDを買う金がなかったので。



 私はアニメのCDを借りることが多かったので、アニメイト(movic)のカセットレーベルを使ってました。記憶では、1パックに4種類3枚ずつ、計12枚入ってました。



 一人では使い切れないので、重複している物を誰かと交換します。こういう所は切手集めにちょっと似てます。



 未使用の物を写真用のコーナーで留めてファイルしてあります。



 金銭的にはあまり価値のないコレクションですが、眺めていると懐かしくて楽しいです。


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「CAROL-K」

2017-01-11 | 少女漫画
 
 時々twitterで、「CAROL-K」の記事がツイートされているのに気付きました。



 こういう作品って、できれば権利を所持している会社に電子書籍にしてほしいです。



 「CAROL」を知った時、私は学生で、CDを買う金がなかったので借りてダビングしました。



 アニメ雑誌の切り抜きでカセットレーベルを作ったりしていて、「暇だったんだな」と過去の自分にツッこみたくなります。


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海外暮らし

2017-01-08 | daily
 
 正月の間、父がしきりに
「海外暮らしは楽しかったよねえ」
と問うてきた。
 子供である私たちに「楽しかった」と答えて欲しかったのだろうけれど、良いことも悪いこともあったので、私は「楽しかった」の一言で片付けてしまうのはちょっと違う気がした。

 ただ、100%単純に楽しかったこともあるので、
「MTVが見られるのはすごく楽しかったよ」
と、具体例を挙げた。

 MTVがいつでも見られる環境のおかげで、私は音楽を好きになったような気がする。

 高校受験で帰国した時には、
「これからは思う存分マンガが読める!」と喜ぶ一方で、「向こうで好きになった曲は日本では聴けないんだろうなあ…」と少し寂しく思ったくらいだ。

 ところが、日本でCDショップの店内をうろついていて、私は衝撃を受けた。
 MTVを見ていた頃、私はEuropeというバンドが好きだったのだが、お店の棚を見たら、カタカナで

ヨーロッパ

と書かれた帯が整然と並んでいたのだ。
いわゆる「洋楽の国内盤」というやつだが、私はその時、そういう商品が存在することを初めて知った。

「ここは天国なのか!?」

と、本気で感動してしまった。

 漫画がいくらでも読めて、外国の音楽も聴ける。今だったらネット通販や配信で、マイナーなアルバムだって取り寄せられる。

 確かに海外暮らしは楽しかったけれど、日本の暮らしの方が100倍楽しいです。


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冷戦時代

2017-01-07 | 替え歌
 
廃業までの半年で
黒字を出すと言うけれど
バブルがはじけた損失を
何で埋めればいいのだろう

冷戦時代が夢なんて
あとからほのぼの思うもの
冷戦時代の真ん中は
株で儲けているばかり

左翼はもはや美しい
理想を失くしてしまったか
あなたはマルクス読むの辞め
カネを欲しがる人になる

冷戦時代が夢なんて
あとからほのぼの思うもの
冷戦時代の真ん中は
土地を転がすことばかり

縄文時代が夢なんて
あとからほのぼの思うもの
縄文時代の真ん中は
物々交換してばかり


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Kの惨劇

2017-01-06 | Weblog
  
■年末の惨劇
 それは、年の瀬も押し詰まった十二月二十七日のことである。朝食代わりのパンを咀嚼していた私は、口中にゴリっとした感触を覚えた。パンの中にクルミでも入っていたのかと思いきや、吐き出してみると姿を現したのは、銀色をした金属の塊であった。


■時間との闘い
 なんということだ。歯の詰め物が取れたのだ。あらゆる医療機関が休診となるこの時期に。
 だが、今ならまだ間に合うかもしれない。私は着替え始めながら診察券を取り出し、同時に電話機を取り、かつてないほどの素早さで歯科医に連絡を試みた。しかし、電話口から流れてきた冷酷な電子音は、私を絶望の淵に突き落とした。


■絶たれた希望
 翌年一月五日までの休診を告げる電子音は、年内に仮の詰め物をしてもらい、翌年から治療を始めようという私の微かな希望を打ち砕いた。私は歯の一部が欠けた状態で、年末年始をやり過ごすことを余儀なくされた。


■忘却
 詰め物が取れたとはいえ、痛みがないのが不幸中の幸いであった。私はどこか冷静な気持ちで、
「歯の詰め物が取れたことを、英語ではなんと云うのだろう」
などと、どうでも良いことを考え検索していた。
 そして、ゲームをしたり映画を借りたりといった呑気な年末年始の中、私はいつしか歯の詰め物が取れていることを忘れていた。


■成就する予約
 私に現実に引き戻してくれたのは、年賀状の中の一枚だった。
 新春の喜びを伝えながら、検診に来るように促すその一通が、私に己の歯の詰め物が取れている厳然たる事実を思い出させてくれた。そして私は、年賀状に記された歯科医の電話番号を見ながら、平成二十九年最初の予約を入れた。



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「ゴジラ」

2017-01-02 | daily

 iTunesのボーナスコードで「ゴジラ」(初代)を借りた。

メモ
1945 終戦
1948 海上保安庁設置
1950 警察予備隊
1951 講和条約
1952.4 条約発効、主権回復
1952.10 予備隊を保安隊に改組
1952.11 初の水爆実験
1954.7 自衛隊(陸海空)
1954.11 「ゴジラ」公開


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2017

2017-01-01 | Weblog
 
 新春のお慶びを申し上げます

こういう形を描いて、


スキャンした画像を貼っていきました。



(この記事は2017年1月1日9時13分に自動投稿されます)



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