堂々と練り歩く造り物(左から)衣装怪物小町、勇敢なる冒険家、牛魔王、座頭市、棒振り太刀、直江兼続=白山市鶴来日詰町
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白山市鶴来日詰町の金(きん)劔(けん)宮(ぐう)の秋季祭「ほうらい祭り」は5日、鶴来地区で2日間の日程で開幕した。初老会員の担ぐ神輿(みこし)に続き、高さ約5メートルの「造り物」と獅子方が行列となってまちなかを練り歩き、大勢の見物客が見入った。若衆らは威勢良く「ヨーホーライ」の掛け声を響かせ、800年の歴史を持つとされる鶴来伝統の祭りを令和の新時代に引き継ぐ気構えを示した。
祭りの目玉となる今年の造り物は本町2、3、4丁目の「衣装怪物小町」、朝日町の「勇敢なる冒険家」、南風会(今町、上東町、本町1丁目)の「牛魔王」、日詰町・下東町の「座頭市」、清沢町の「棒振り太刀」、新町の「直江兼続」の6体。各町会の青年団員が約1カ月半かけて制作した。
巡行は正午の花火を合図に金劔宮から始まった。若衆が造り物を担いで「ほうらい節」を高らかに歌い、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祝うと、沿道の観衆が次々とカメラのシャッターを切り、勇ましい姿を写真に収めた。四町(水戸町、大国西、大国町、古町)と知守町の2町会が獅子方を担当し、迫力ある舞を見せた。
鶴来地区の若手経営者らでつくる「つるぎ元気プロジェクト合同会社」は、鶴来下東町の「つるぎショッピングスクエアレッツ」前で国産のクマザサと鶴来産のコシヒカリを使った地元の伝統食「笹(ささ)寿し」を提供し、人気を集めた。ふる里つるぎ横町うらら館では祭りの写真展(北國新聞社後援)が開催されており、来場者が新旧の造り物を見比べた。
ほうらい祭りは白山市無形民俗文化財に指定される。神輿や造り物などは最終日の6日も正午から巡行し、同日夜に金劔宮に戻る。