【ドーハ(カタール)川村庸介】陸上の世界選手権第9日は5日、当地で行われ、男子400メートルリレー決勝に多田修平(23)=住友電工=、白石黄良々(23)=セレスポ=、桐生祥秀(23)=日本生命=、サニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=のオーダーで臨んだ日本は37秒43のアジア新記録で2大会連続の銅メダルとなり、上位8カ国・地域に与えられる来年の東京五輪出場権も獲得した。優勝は37秒10の米国で、英国が37秒36で2位だった。
これぞリレー侍、これぞ日本のバトンパスで世界の3位をつかみ取った。従来の日本記録を0秒17更新するアジア新。「もうちょっといい色のメダルが欲しかった。でもアジア記録なので、来年に向けていい流れは作れたと思う」と今大会が初の日本代表リレーとなったサニブラウンは、率直な思いを明かした。
出せる力は出し、バトンにミスもなし。予選を走った小池に代わって1走を任された多田が「僕がキーマンだと思っていた」と各国の1走で最速の反応タイムで飛び出すと、2走の白石も抜てきに応え、3走の桐生はバトンを受け取ると本能のままに突っ走る。「軽く出るのはやめてくれ。思い切り出ても絶対に渡すから」とサニブラウンに伝えた通りに勢いそのままにバトンを託した。
サニブラウンは「バトンは日本が一番うまいと思っている。走力でもう1、2段階上げていかないと金メダルは全然見えてこない」と個々の走力を高め、東京五輪で頂点を目指す。