byjill_poke
強いパーティを作る
Category:雑記
ポケモンはメタゲームである以上、環境が回り続けるのが常です。
そのため構成を変えずに長期的に上位にとどまり続けることができるパーティはほぼ存在しないと考えています。
回り続ける環境の中で、その場その時において勝率が高くなりやすいパーティは大きく分けて3種類あります。
A:6匹での総合値が高く、後手に回るような相手が少ないパーティ
B:上位で流行している特定の並びに対して高い勝率を維持することができるパーティ
C:意識されにくい特殊なギミックでeasy winを稼ぐパーティ
Aタイプ:6匹の総合値が高く、後手に回るような相手が少ないパーティ
性能が高いポケモンを多く採用したAタイプは不利を取る相手が少なく、また多少の不利相性でも覆すことができるケースが多いため対戦数を重ねるごとに勝率が上がっていくパーティです。
前世代と比較してアーキタイプの多様化が進み、更にレート差マッチングを意識せざるを得ない7世代オンライン環境においては最も適している組み方であると言えるかもしれません。
ここでいう総合値とは単に種族値の話ではなく、特性・持ち物・配分・連携などの様々な要素を組み合わせた結果の広い意味での”強さ”を指しています。
総合値が高く特定のムーブに依存しすぎないパーティはシーズンを跨いでも腐りにくいという点も大きなメリットです。
Bタイプ:上位で流行している特定の並びに対して高い勝率を維持することができるパーティ
特定の並びに対しての勝率を強く意識したパーティ。上位プレイヤーが中心となる小~中規模大会など、KPに偏りが出る可能性がある対戦環境においてはAタイプ以上の勝率を期待できる場合もありますが、メインとなる仮想敵以外に対しての勝率も重要であるレーティング環境ではメタに寄せすぎるのはあまり望ましくないかもしれません。
S7記事の構築経緯に「このパーティ(カバマンダ)を強く意識しすぎた構成のパーティは上位まで勝ちあがれないと予想していた」と書きましたが、その理由もこれです。
カバマンダに高い勝率を出せる構築とスキルを持ち合わせており、尚且つそれ以外の様々なパーティに対しても高い勝率を維持して高いレート帯まで勝ち上がってくることができるプレイヤーは10人にも満たないと思っていたため、メタが回ってくることに対しての恐れは殆どありませんでした。
Cタイプ:意識されにくい特殊なギミックでeasy winを稼ぐパーティ
動き方が認知されるまでが寿命で、シーズン終盤や大会など、少ない対戦数で一気に勝利数を稼ぐのに向いています。
しかし、メガシンカ/Z技/フィールド特性といった強力な新要素の登場によりギミック系統の自由度は大きく制限されてしまいました。
実際このようなパーティで勝ち残ることは極めて難しく、7世代発売から7シーズンが経過した現在でも結果の出ているギミック構築はほぼありません。
さて、パーティの性質を3つに大きく分類して紹介しましたが、ここで重要なのは一つのパーティに対して複数の性質が重複し得るということです。
レーティング環境で勝ちやすい傾向にあるのはAタイプとは言ったものの、環境が固まって高レート帯のマッチングに偏りが出始めた場合はもちろんそれらを重点的に対策する、即ちBタイプの性質をパーティに取り入れたほうが当然勝率は上がります。
逆に言えば、仮想敵への勝率を意識しすぎた結果思ったよりもマッチングせず他の並びに負け越しているようでは本末転倒です。
いま自分がいるレート帯(もしくは大会)のレベルと環境をしっかりと把握し、どこに重点を置くかを見定めることが勝率の向上への近道となるでしょう。
では、そもそもどのようにしてパーティを組むのか という話に移ります。
◇軸について
まず出発点として使いたいポケモンや構築軸を決めることになるとは思いますが、慣れていない人なら正直これは何でもいいです。
上位のパーティを参考にしたり、好きなポケモンを使ってみたり、動画で見たパーティを真似てみたり。
ここで忘れてはならないのは、はじめに軸となったポケモン(または並び)が本当に軸足り得る存在なのかを常に疑い続けることです。超重要。
嫁ポケや縛りプレイなど、どうしても軸を変えてはいけない理由があるならばそれは一つの素敵な楽しみ方なので問題ないです。
とにかく強くなりたい、勝率を上げたいという人ならば、その環境において最も勝ちやすい軸を探し続ける姿勢は絶対に欠かせません。
例えばの話ですが、メガクチートを軸にしたとして、ギリギリの択勝負になる対戦が何試合も続く場合はそれはパーティとして不安定であることの裏付けになります。
構成を変えてもあまり変化が見られない場合は、メタグロスやボーマンダといった他の軸に手を伸ばしてみる方がいいかもしれません。(あくまで例え話ですが)
本当に強いパーティというのは確率面で圧倒的に優位に立てる対戦が多く、そもそも相手がどんなに運が良くても有無を言わさず勝てるという試合も少なくありません。
◇ダメージ計算
パーティの質を上げる際に、ダメージ計算は実機を用いずにできる手段の中で最も優れているものの一つです。
使おうとしているポケモンの配分がどの程度の耐久力を持っているか、どの程度の火力を持っているかは、沢山知っていればそれだけ実戦で有効に働きます。
スマホアプリなどで手軽に行えるので、できるだけ多くのダメージ感覚を身に着けておきましょう。
また時間のあるときはブラウザのトレーナー天国を使うことをお勧めします。
同じ技を複数回打った(打たれた)時の瀕死率を急所率込みで計算してくれます。意外とここを見てない人が多いんですが、そこそこの耐久ラインがあるポケモンの計算をするときは特に参考になるのでお勧めです。
◇実戦を通してパーティの練度を上げる
机上で6匹の構成を全て決めきったとしても、その状態のまま何も変えずに走りきれることはほとんどないと思っていいです。
ひとまず今持っている知識を絞って考えて、実際に対戦を重ねて改善点を探していくのが基本です。考えてもわからない人はとにかく強い人の真似をしてください。模倣から入ることで何が強いかを把握しやすいですし、そのパーティの弱点も直感的に理解しやすいので一石二鳥です。
実戦経験はパーティを組む上で大きな財産になります。基本的には多ければ多いほど良い。とはいえ我武者羅に対戦数をこなせばいいというわけでもなく、重要になるのは敗因の分析です。
択で負けたり、選出が噛み合わなくて負けたり、技や配分の影響で負けたり、低確率を引いたりと敗因は様々ですが、敗因をどう捉えるかによって構築のレベルは大きく変わってきます。
例えば シャドーボール/毒毒/キングシールド/身代わり@残飯 のギルガルドが入ったパーティで100戦回したとして、負け試合のうち70%以上が「鋼Zの物理剣舞型ならば勝っていた」とするならば、それは型を変更したほうが勝率を期待できます。
しかし、「剣舞なら勝っていた試合は少しだけあったけど、それ以上に毒残飯だからこそ勝てた試合のほうが圧倒的に多かった」という分析結果ならば、ギルガルドの型は勝ちに大きく貢献しているため変えない方が良さそうに見えますね。
他にも、自分が安定択だと思って選んでいた技選択が相手の行動と噛み合わずに何戦も落としてしまうことがあると思います。そういった状況に置かれた時はじめにするべきことは、相手の行動にケチをつけることではなく、その敗北を偶然起きた事故だと割り切るか、自らの手で対策を講じるべきものかどうかを見定めることです。
今の環境は本当に色んなパーティとマッチングしますし、対戦相手も色んなことをしてきます。全て完璧に対応しようと思っていたら埒があきませんので、数の少ない並びや構成、状況を軽視する必要性は自然と生まれてくるでしょう。
対戦数を重ねることで、何を重視して何を軽視すべきかが明らかになっていきます。勝ちに貢献している要素を大切にし、負けを作り出している要素を慎重に削っていくことでパーティとプレイングの練度は徐々に上がっていくのです。
故に、実戦経験なしに質の高いパーティは絶対に生まれないと考えています。
完成度100点満点のパーティはもちろん存在しません。私自身ブログに投稿したパーティでこれ以上変更の余地がないと思ったものは一つも無く、全てが苦し紛れの最終形です。
また種族や型を変更した結果、今度は別の負けパターンが増えたり、変えなくていいと思っていた枠が怪しくなってきたりすることはよくあります。そういった吟味を何度も繰り返して「一番マシ」と思える形を探し出すのが構築作りです。
とはいえ人間の時間は限られているので、一人でできるルーティンには限度があります。
知り合いに意見を貰ったり、ツイッターで誰かに質問してみたり、生放送やブログで情報を集めたりという方法は大きな近道になるので、積極的に活用していくべきです。
パーティの質には今まで積み重ねた知識と経験の量がそのまま反映されるので、最初からいきなり質の高いパーティを作ろうとは思わずにゆっくりと土台を積んでいきましょう。
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