なぜバラバラ? 中国人や韓国人の名前の読み方のルールの謎
中国国家主席・習近平は「シュウキンペイ」と読み、「シージンピン」とは読まない。韓国大統領・朴槿恵は「パククネ」と読み、「ボクキンケイ」とは読まない。…これってどーして??
更新日: 2018年02月24日
中国国家主席・習近平は「シュウキンペイ」と読み、「シージンピン」とは読まない。韓国大統領・朴槿恵は「パククネ」と読み、「ボクキンケイ」とは読まない。…これってどーして??
更新日: 2018年02月24日
中国系と朝鮮系、名前の読み方が違う
中国国家主席・習近平は「シュウキンペイ」と読み、「シージンピン」とは読まない。
韓国大統領・朴槿恵は「パククネ」と読み、「ボクキンケイ」とは読まない。
…これってどーして??
中国人名は、いわゆる私たちが使用している漢字読みなのに、何故韓国人名は、韓国の現地読みなのでしょうか?
中国人の名前は日本語の漢字の音読みで読むのに、韓国人の名前は現地語読みをする…
素朴な疑問です。
ニュースでは、中国人の人名を漢字の音読み、韓国人の名前を原語読みしますが、なぜ、区別されるのですか。
習近平国家主席は「しゅうきんぺい」
金正日総書記は「キムジョンイル」
なぜ、「きん せいにち」と読むことはされないのでしょうか。
この流れには歴史的な経緯があった
1)日中間の人名の読み
1972年(昭和47年)9月、当時の田中角栄首相が中国を訪問し周恩来首相との日中国交回復の会談の際に、日中両国の人名は、互いに、読む人の国の読み方(日本では、周恩来はシュウオンライとの如くに)を従来通りに継続することで合意した。
漢字文化を共有する中国と日本では、正しく名前を伝えるために相手の漢字を連想させるのがもっとも早い方法だとして、読みよりも漢字を優先しました。
2)日韓間の人名の読み
1984(昭和59年)韓国の全斗換大統領が来日し、日本の政府高官たちとの会談の席上、両国の要人の名前を、お互いに現地読みすることで合意した。
その結果、金大中氏が、「キンダイチュウ」から「キム・テジュン」に変わった訳です。
一方、韓国については漢字が廃絶に向かったこともあり、読み方が優先されたわけです。
文化を同じくする北朝鮮の人名についても、これに従い現地語読みとなりました。
日本のマスコミが韓国・朝鮮の人名を現地読みするようになった背景には,福岡県の牧師,(故)崔昌華(チォェ・チャンホヮ)さんがNHKを相手取って起こした,いわゆる「氏名民族読み訴訟」の影響が大きいと思われます。
1975年、在日韓国人で人権活動家の崔昌華さんがNHKを相手取り「韓国人名を日本語読みにて放送するのは人権侵害である」と訴訟を起こしました。
結果、1988年の最高裁の最終判決で「75年当時の状況としては,日本読みが違法だったとまでは言えない」として謝罪や損害賠償は認められなかったものの、氏名を正しく呼ばれる権利は憲法上認められた人格権である、という判断が下されました。
韓国では表音文字のハングルを使用するので、日本人の名前を簡単にほぼ正しく表記できるし、日本でも韓国人の名前を片仮名で簡単に表記できます。それでお互いに原音に近い呼び方や表記をしましょうということになり、現在に至ったのです。
表意文字である漢字と違い、表音文字であるハングルでは日本人の人名を比較的正しく表記できるのです。
もっとも、韓国は歴史的に見て中国の侵略を受けてきた国ですので、早く敵国語である漢字を廃止したかったという背景がありますので、それはそれで止むを得ないかと考えられます。
韓国では今や漢字は絶滅寸前。自分の名前すら漢字で書くことのできない人も増えているそうです。
逆に日本人の名前は、中国ではどう読まれている?
中国語にも存在する日本語漢字の場合はそのまま中国語読みします。
日本人の名前が漢字で書かれている場合は、その漢字を中国式に読みます。
漢字がない場合は、無理矢理漢字を当てて中国語読みします。
実際,中国では,広末涼子→クヮンモ・リャンツ,松たか子→松隆子(と字をあてて)→ソン・ロンツ,といった具合に,中国語の音読みになります。
中国版Twitter、「微博」で1500万人のフォロワーを抱える蒼井そらさんは、中国語読みでは「苍井空(ツァンジンコン)」だ。
実際に、日本人が胡錦濤を「フーチンタオ」でなく「こきんとう」と呼ぶように中国人は安倍晋三を「アーペイチンサン」と呼んでいます
理由として考えられるのが,第1に,中国語では,日本語のかなや韓国語のハングルのような表音文字がないので,音を表しにくいということ。
第2に,中国国内でもさまざまな方言があるので,同じ漢字でも地域によって読み方がかなり違うこと。
漢字という文字の特性が、この現象を生んでいるようです。
東京は現地ではトウキョウだけれど,標準語ではトンチン,広東語ではトゥンキンになる,と
いうように,韓国や北朝鮮や日本の地名・人名も,標準語では北京式に,また香港の人は広東語式に読むのでしょう。
名前の読み方は「相互主義」の考えが根底にある
世界でたったひとつのあなたの名前、外国で正しく読まれていなかったらどう思う?
名前の読み方は、国際的には大抵どこでも 「相互主義」 でやっている。それはアルファベット圏の欧米人同士だったら、お互いに自国の読み方で通しても問題ないということだ。例えば "Agnès" という名前は、フランス人には 「アニエス」 だが、アメリカ人は 「アグネス」 と呼ぶ。それで構わない。それが相互主義だ。
これは日中間だけの問題ではなく、同じアルファベットという文字を使う欧米でも起こっている問題です。
日本のマスコミでは、『相互主義』と呼ばれる考え方をとっている。
..相手国が、日本人の名前を日本語読みのまま呼ぶ(当該国の読みに合わせて呼ぶ)のか、自国語式に直して読んでいるのか、に合わせています。
つまり日本は中国語の地名や人名を日本式に読み、中国は日本人の漢字表記を中国式に読むことを相互に認め合うということです。
相互主義には明確かつ大きな欠点が一つあります。
胡錦涛(Hu Jintao)をコキントーと読んでいる限り、日本人は、中国について英語(おそらくフランス語でも同様)で書かれた記事・文章は絶対に読めないだろうということです。
海外の新聞では、中国人や韓国人の名前はすべて正しいアルファベットで綴られます。
胡錦涛は「Hu Jintao」。…「コキントー」の発音に慣れている日本人からしたら、誰?ってなっちゃいますよね。
今、過渡期なのだと思います。
世界的には現地語読みを尊重する呼び方が主流になっています。完全に同じ発音などできようはずはありませんが、なるべく近い読み方に統一する動きですね。
人の名前とは唯一無二であり,世界中どこへいってもその読み方(呼び方)であると思うんです。
それが理想であったとしても、なかなかそう上手くは行かないのが現実なのかも。
みんなの声
ところで、日本では、どうして中国の地名と人名を無理矢理「音読み」にするんだろ。。そんな読み方存しないのに変に覚えちゃってて非常に困る。オンカホウ首相でなくウォンジャバオ首相。シンセン市はシェンジェン市。名前をあえて違う読み方するってちょっと失礼というか冒涜な気がするけど。。
オリンピックを見ていて思うこと。韓国の選手はハングル発音なのに中国選手は音読み。スピードスケートZhangHong(張紅)がチョウコウて。名前なんだからその発音で読むべきでは?私はこちらではヅォタンと呼ばれましてやはり自分の名前ではないといつも思います。
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