栃木県宇都宮市は、駅弁発祥の地。2018年4月~6月はJRグループの大型観光企画「本物の出会い 栃木 デスティネーションキャンペーン」もスタートし、県内で多彩な催しが行われています。電車の旅はもちろん、お出かけにも最適な駅弁を携えて、栃木の魅力を探しに出かけてみては。
Yahoo!ライフマガジン編集部
地元の老舗店が考案! “栃木の美味しい”がぎゅっと詰まった駅弁
餃子、ジャズ、カクテルの街として知られている宇都宮市ですが、実は駅弁発祥の地とも言われています。明治18(1885)年7月、宇都宮駅開業に伴いゴマ塩おにぎり2個とたくあんのセットを5銭で販売したのが駅弁の始まりだとか。駅構内で売店を営んでいた明治26(1893)年創業の「松廼家(まつのや)」もそれに追随して駅弁を販売するように。現在では種類も増え、期間限定商品を含めると約30種類が店頭に並ぶそうです。
\私が体験レポートします!/
栃木県内の“今、手に入れたい情報”をお届けしている「月刊twin」のライター・皆川美雪です。趣味は昔から続けているミュージカル! 仕事の合間に稽古に励んでいます。
こちらは在来線改札内にある店舗です。日光ゆば・かんぴょう・とちぎ霧降高原牛・いっこく野州どりなど、地元の食材を使った種類豊富な駅弁がずらりと並んでいます。昼時になると売り切れてしまうものも。「松廼家」の駅弁は在来線改札内のほか、改札口前、新幹線改札内と計3カ所で販売しています。
栃木県産のお肉を贅沢(ぜいたく)に敷き詰めた「よくばりスタミナ弁当」
霧降高原豚、いっこく野州どりといった栃木の名物をたっぷり盛り込んだ駅弁です。多いときでは、1日50〜60個売れるという人気商品だとか。
\いざ実食!/
霧降高原豚のピリ辛味噌焼き、いっこく野州どりの照り焼き、マグロのカツが入っていて、その名の通りボリューム満点でスタミナがつきそう! 駅弁ならではの「その土地のものを食べてもらいたい」という熱意が伝わってきます。
ピリ辛味噌焼きは味付けが濃いめで、とにかくご飯が進みます。照り焼きはこってりしすぎないほどよい味が絶妙。カツがマグロなのは、全体のバランスを良くするためだそう。子どもから大人まで幅広い世代に好まれる美味しさ。一番人気なのも納得!
駅弁発祥地にちなんだ「滊車辨當」
JR東日本が展開している「大人の休日倶楽部」とのコラボ駅弁です。元祖の駅弁をモチーフにした、おにぎり2個と地元の素材を使ったおかずが数種類入ったシンプルな内容。店頭に出ない日もあるそうなので、確実に購入したい場合は予約が必須です。
\いざ実食!/
おにぎりは茶飯に小梅が入ったもの、梅シソを混ぜ込んだものの2種。サイドには、いっこく野州どりのチキンカツ、肉団子、煮物が入っています。
どのおかずも丁寧に作られているのが伝わってくるやさしい味わいです。素朴なおにぎりに合いますね。全体の味付けのバランスもちょうどいいです。おにぎりなので、小腹が空いている時は2人で分け合うのも良さそう。
宇都宮餃子が主役!? 「キスできる餃子弁当」
宇都宮に来たら外せないのが名物の餃子。宇都宮市内には数多くの餃子専門店があり、各店舗でさまざまな味が楽しめます。2018年の6月に全国上映される宇都宮が舞台の映画「キスできる餃子」に先駆け、4月1日からコラボ駅弁が登場しました! しかもこちらの駅弁は恋みくじ付き。宇都宮駅のほか、大宮駅、東京駅でも購入可能です。
\いざ実食!/
宇都宮餃子をメインに、キスのフライ、スペイン風オムレツ、ニンジンとクルミのマスタードマリネ、紅白うずら玉子、アスパラマヨ和え、カリカリ梅ご飯、とちおとめ葛餅など女性が好きそうなメニューが並んでいます。映画のタイトルにちなんで魚にまでキスを使うという徹底ぶり(笑)。ピンクのうずらの玉子は、同じく栃木県の食品メーカー岩下食品が手がける岩下の新生姜の液で漬けたもの。岩下食品とのコラボ駅弁も販売中です。
冷めても美味しく食べられるように、餃子の皮はモチッとした食感になっています。ニンニクも控えめ。どれも個性豊かでいろいろな素材の味が楽しめます。そして栃木と言ったらやっぱり“いちご”。とちおとめ葛餅がつぶつぶ食感と爽やかな香りが漂ってヒットでした! おかず以外も妥協しない姿勢に駅弁老舗店の本気を感じます。
取材メモ/どれも手を抜かず、素材から厳選して作られているこだわりの駅弁でした。考案者の地元愛を感じられましたね。多彩な3種の駅弁で、“栃木の味覚”を堪能してください!
取材・文=皆川美雪・金谷有美子 撮影=金谷有美子