ゆばの引き上げ体験も楽しめる「日光ゆば工場」を見学/栃木

特集

【特集・第4回】全国のタウン誌が選ぶ“地元で人気の工場見学”47選

2018/09/22

ゆばの引き上げ体験も楽しめる「日光ゆば工場」を見学/栃木

日光で修行する僧や修験者の栄養食として古くから重宝されてきた「日光ゆば」。その製造工程をレポートします!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

日光ゆばの製造見学・体験・試食ができるのは、栃木県内でここだけ!

栃木県で唯一、ゆばの製造見学とゆばの引き上げ体験・試食を行っている日光ゆば製造の日光工場。日光ゆばの特徴や出来上がるまでの各工程などを、わかりやすく教えてくれます。

\私が体験レポートします!/

JR宇都宮駅から車で約40分の「日光ゆば製造日光工場」に到着!
ライター金谷
ライター金谷
「皆さん、こんにちは! 栃木の“今、手に入れたい情報”をお届けしている『月刊twin』のライター・金谷有美子です。栃木といえば世界遺産がある日光、そして日光といえば伝統食のゆば!……ですが、県民の私も実際に製造工程を見るのは初めて。工場ではどのように作られているのか興味津々です!」

いざ、日光ゆばの工場見学へ!

工場に隣接した見学スペース

今年で創業30年を迎えたというこちら。現在、日光市・宇都宮市の2カ所に工場を構え、全国のお客様へゆばを届けています。日光ゆばは二枚仕上げで「湯波」、京都では一枚仕上げで「湯葉」と書き、同じ製造工程でも味も食感も異なるそう。衛生上の都合で、見学はガラス越しから可能。上の案内板にはゆばの歴史、製造方法、商品の種類などがイラストを使って分かりやすく書かれています。

次に、実際に日光ゆばの製造工程を見学!

工場内にはゆばを作るための「ゆば槽」が並ぶ

こちらのゆばは、厳選した大豆と良質な水で一から手作りしているそう。まず前日から水に浸けた大豆を潰してから煮釜で煮て、それからおからと豆乳に分けます。豆乳はゆば槽に入れて加熱するとたんぱく質が膜状になり、それを一枚ずつ引き上げたものがゆばになります。ゆばは低カロリーなのにたんぱく質、カルシウムが豊富で栄養価が高いのが魅力。日光では昔から、精進料理に欠かせない伝統食として親しまれています。

ゆば槽で自家製豆乳をじっくり加熱。膜が張るまであと少し

午前中はおさしみ用の生ゆば、午後はたぐりゆばなど時間帯によって作るものが異なるそうです。膜が張る時間も夏は20分、冬は25分と季節によって変動するとか。

膜が完成。引き上げる時に破れないよう、まず周りから丁寧に剥がしていく
周りを剥がした後、別のスタッフがテキパキと引き上げていく

ゆばの引き上げは1日に15~18回ほど行われるそうです。勤務歴が長いベテランスタッフが多く、手際よく作業が進んでいきます。

出来上がったゆばは「おさしみ用生ゆば」「揚巻ゆば」などに加工するため、用途に応じて成形を行う
クルクルと巻いた「たぐりゆば」は主に煮物などに使われる
胡麻ペーストで和えた「ゆばの胡麻和え」など惣菜メニューも手作り

女性スタッフの手で丁寧に行われる「ゆばづくり」は繊細な仕事。完成した製品は袋詰めを行い、隣接する直売所で販売、また全国の問屋・商社・ホテル・旅館・飲食店などに納品されます。

金谷
金谷
「作業があっという間でビックリ。厚さを均一に保つにはスピードが大事なんですね」

日光ゆば製造の創業秘話とは?

笑顔で迎えてくれた日光ゆば製造の二代目・新妻健一社長
二代目社長 新妻さん
二代目社長 新妻さん
「元々、先代の母がゆばが大好きだったことから、ゆばづくりが始まりました。当時、日光のゆばは予約しないと買えなかったので、それならば自分たちで作ってしまおうと始めたのがきっかけです」
金谷
金谷
「ええ!? ノウハウもないゼロからのスタートだったなんて……衝撃です!」
新妻さん
新妻さん
「そうなんですよ。初めての挑戦だったので本当に試行錯誤でしたね。いろいろな大豆をブレンドしたり、厚さを研究したり、ここまでくるのに30年かかりました」
金谷
金谷
「その努力があったからこそ、全国各地で支持されているのですね!」

工場見学後は、ゆばの引き上げ体験にチャレンジ!

ゆばの引き上げは、工場に隣接する直売所で体験できる
直売所の皆さん。こちらでは製造・販売ともに元気で明るい女性たちが活躍中!

いざ、ミニチュアのゆば槽で引き上げ体験!

ゆばの引き上げ体験コーナーでは、小さなゆば槽で体験可能。早く膜が張るよう、うちわで表面をあおぐ新妻社長

ゆばの引き上げは一人500円(団体は一台2000円~)で体験できます。なかなか経験できないので、日光の思い出づくりにおすすめ。体験を希望する場合は、1週間前までに予約が必要です。

膜が出来たら割り箸をゆば槽の中央辺りに差し込み、下からゆっくり引き上げる
成功! 引き上げた後は、美味しくいただきます
金谷
金谷
「うわ~濃厚! 大豆の風味が良く、甘みが際立ってる。出来立てだからか、今まで食べたものより何倍も美味しく感じます」
もう一つのお楽しみは商品の試食。搾りたての豆乳を朝一番に引き上げた「おさしみ用生ゆば」と豆腐状にした「よせゆば」の2種が味わえる
金谷
金谷
「う~ん、味が濃くて美味しい! 二枚仕上げの日光ゆばは膜の間に豆乳が含まれているそうで、口当たりがなめらか。よせゆばは初めて食べたけど、まったりとしていてチーズケーキのような食感。買って帰ったら、どちらも一人で食べきってしまうかも……」
人気の「おさしみ用生ゆば」(870円)と「よせゆば」(910円)。ゆば専用「旨味だししょうゆ」(380円)は卵かけご飯にもおすすめ

直売店には数え切れないほどのバラエティ豊かなゆば製品が並んでいます。定番の生ゆばによせゆば、味付ゆばのほか、ゆばを使った餃子、しゅうまい、アイスなどユニークな商品もありどれにしようか迷ってしまいそうです。11月~3月は冬季限定のゆば汁も登場します。

金谷
金谷
「ゆばの作り方は知っていたものの、日光ゆば・京都ゆばの違いや、なぜ日光で古くから食べられていたのかも知ることができ勉強になりました。見学だけでなく、実際に体験ができるのもいいですね! 日光ゆばの美味しさはもちろん、繊細な製造工程を知り、今後はさらにじっくり味わいたいと思いました」

▼工場見学DATA▼
実施日:月〜土曜(祭日を除く)
見学料金:無料 ※ゆばの引き上げ体験は1人500円/団体は1台2000円~(時間制限なし/利用人数に上限あり)
予約:要予約(電話、FAX) ※ゆばの引き上げ体験は、ご希望の1週間前までに要予約

取材メモ/体験もあるのでお子さん連れのファミリーにもおすすめ。ただし、体験(有料)は事前の予約が必要。必ず1週間前に申し込んでから訪問を!

取材・文=金谷有美子 撮影=金谷有美子・黒川円

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