防衛大臣臨時記者会見
- 日時
- 令和元年9月25日(水)13:00~13:08
- 場所
- 大臣官房広報課
- 場所
- 航空自衛隊千歳基地BPOS前
- 備考
- 日豪共同訓練記念式典出席に伴う河野防衛大臣臨時会見
1 発表事項
本日、日豪共同訓練「武士道ガーディアン」の記念式典に出席し、訓練に参加する航空自衛隊及びオーストラリア空軍の隊員を激励する機会を得ました。 この訓練は、オーストラリア軍との間で、国内では初めてとなる空軍種間の共同訓練であり、昨年10月の日豪「2プラス2」の共同声明を実現するものです。この訓練に参加するために、オーストラリアから戦闘機6機、輸送機及び空中給油機3機、そして、約150名の隊員が、この千歳市にお越しいただいています。この訓練の実現に御協力をいただいた、オーストラリアの関係者の皆様、北海道、千歳市、苫小牧市の皆様、また、関係地元自治体の方々に感謝を申し上げたいと思います。 オーストラリアは、日本と普遍的価値や戦略的利益を共有する「特別な戦略的パートナー」であります。防衛省・自衛隊としては、このような共同訓練を通じて、オーストラリアとの防衛協力を一層強化するとともに、わが国及び地域の平和と安定に貢献していこうと思っております。今日の視察において、航空自衛隊及びオーストラリア空軍の隊員が高い士気をもって訓練に臨む姿を通じ、自衛隊とオーストラリア軍の力強い協力関係を実感することができ、大変有意義な機会となりました。
2 質疑応答
Q:今回の共同ですが、改めて、この訓練の意義について、どのように捉えてらっしゃるかということと、今後の両国の連携について、期待されること及び目指されることについて、お聞かせください。
A:防衛大綱の中で、日米同盟の強化に加え、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを見据えて、 オーストラリア、インド、イギリス、フランスといった、共通的な価値観を共有する国々との安全保障協力を強化していくということをうたっております。中でもオーストラリアは、価値観を共有し、戦略的利益を共有する関係ですので、一番最初にオーストラリアという国名を挙げさせていただいたところであります。今回のこうした共同訓練をすることによって、特別な戦略的パートナーシップという関係を更に強めると同時に、オーストラリアは、北朝鮮の瀬取りに対応する国際的なオペレーションにも、アセットを出して協力をしてきているところでございます。また、この他に災害対応、あるいは、掃海、対潜水艦といった分野での二国間、多国間の共同訓練等を行っておりますので、空軍種に限らず、陸軍種あるいは海軍種における共同訓練といったことをこれから行い、オーストラリアとの間の安全保障協力を深めていきたいと考えております。
Q:昨日、日本とイランの首脳会談がニューヨークで行われました。ホルムズ海峡の安定に向けた意見交換も行われまして、安倍総理大臣からはフーシ派の関与の見方に関して、疑問が指摘されているということが述べられ、それに対して、ロウハニ大統領がイラン独自の「HOPE」構想というものを一般討論演説で示すということがありましたけれども、一連の会談で交わされた意見などについて、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
A:イギリス、フランス、ドイツ等の国が、色々な見方を出してきていることは承知をしています。そういう中で、日本は引き続き、中東の緊張緩和に向けて、イランとの伝統的な友好関係もありますので、こうした会談などを通じながら、緊張緩和に、日本としてもしっかりと汗をかいていきたいと思っているところでございます。
Q:今日の視察を終えての感想と、オーストラリアとの共同訓練の今後の実施の見通しについて教えて下さい。
A:非常に高い士気の下、航空自衛隊及びオーストラリア空軍が、共同訓練に臨んでくれていることを非常にうれしく思っております。空軍種の共同訓練のみならず、海上自衛隊、あるいは陸上自衛隊ともオーストラリアのカウンターパートとの共同訓練というものをしっかりとやりながら、災害対応や掃海といったことに、しっかり協力して当たられるよう、今後も共同訓練について考えていきたいと思っております。
Q:日豪の訪問部隊地位協定、VFAについてお伺いします。岩屋前大臣が今年1月に、オーストラリアのパイン国防大臣と会談した際、協定を3月末メドに妥結する方針で一致されましたが、現時点では協定は妥結されていないと承知しています。現状と今後の見通しについて、お聞かせください。
A:私が外務大臣当時、このRAAの早期妥結を目指して、オーストラリア側と交渉をしておりましたが、もう少しというところだろうと思っております。今後、なるべく早期に、妥結できるように期待したいと思います。
Q:協定を巡っては、死刑制度を廃止しているオーストラリア側が、国内の犯罪に関して、その死刑制度の適用の除外を求めている点が交渉の障壁になっているという指摘もあります。こういった点を打開して、大臣がおっしゃられるように、どのように早期に協定妥結を目指していくお考えでしょうか。
A:交渉の中身について、対外的に申し上げるのは適切ではないと思いますので、しっかりと早期に交渉を妥結していきたいということにとどめたいと思います。
Q:常々大臣が、中東情勢は外交努力で、とおっしゃっていますが、今、安倍総理が外交努力を続けられております。今、その外交努力が成功しているのかどうか、また、防衛省・自衛隊として、何か行動をとる状況にあるのか教えてください。
A:現時点では、日本の原油の輸入に影響が出ているとは思っておりません。今後もしっかりと緊張緩和に向けて、日本として外交努力を続けていきたいと思います。
以上