今季の松坂は、2試合に登板して計5イニング1/3を投げ0勝1敗、防御率16・88。右肩の故障と常に背中合わせの状態を考えれば、球団の減額制限を超える提示も致し方ない。しかも中日は小笠原、梅津、山本ら若手投手陣が頭角を表し、世代交代が加速。実績あるスーパースターの存在は営業的なメリット、後輩への好影響もあるはずだが仮に残留していれば、首脳陣にとって“悩みの種”となった可能性もある。
まだまだ、松坂を見たいというファンが多いのは百も承知。それでも「中日・松坂」は潮時といえるのではないか。松坂はこの日、西武時代から親交があった森繁和SDと友利結国際渉外担当の退団に触れ「2人に声をかけてもらってドラゴンズに拾ってもらった。2人が退団すると聞いて、僕もいてはいけないと思った」と説明。恩義のある2人に対し、筋を通したという意味合いがあるのだろうが、後方支援や優遇がなければ、マウンドに立てない…とも聞こえる。“平成の怪物”の言葉としては、少し寂しい気がしたのは記者だけだろうか。(プロ野球担当デスク・伊藤哲也)