中日は4日、名古屋市東区の球団事務所でドラフト会議(17日)へ向けたスカウト会議を行い、現段階での1位指名候補として、星稜・奥川恭伸投手、大船渡・佐々木朗希投手、明大・森下暢仁投手、JFE西日本・河野竜生投手の4人に絞った。今後は他球団の動向なども見ながら検討を重ね、最終的にはドラフト会議直前に正式決定する見込みだ。
ドラフト会議まで2週間弱。注目のドラフト1位はどうなるのか。昨年は大阪桐蔭・根尾を指名することを早々と公表したが、今年は一筋縄ではいかない。それでも、1位候補は4人に絞られた。その候補は、やはり即戦力&将来性の高い投手。会議の後、米村アマスカウトチーフは1位候補は3人かと質問されると「違います。奥川、佐々木、森下、河野の4人です」と断言した。これまで一挙手一投足に注目してきた投手たちを、初めて公言した格好だ。
中でも、有力候補は奥川のようだ。米村チーフは「最大に評価している。勝てる投手として評価している。完成しているけど、伸びシロもある」と語った。ただ、他の投手の魅力も捨てがたい。「佐々木は170キロを放る力がある。潜在能力にほれている。森下は来年ローテを守れる。河野も1年目から先発でいける。チームで左の先発は小笠原がいるが、もう1枚いればと思う」。一本化するには、最大限の時間をかける方針だ。
会議に出席した与田監督は「誰でいくとか具体的な話はしていない。たくさんいい選手がいる。いろいろな意見がある。僕だって100%気持ちが決まっているわけではない」と慎重な構え。1位指名選手の決定も指揮官は「ドラフト会議前日に最終決断するのでは」と言い、加藤球団代表も「他球団の動向も見てからになる」と語った。
この日は、101人いた指名リストを70人前後に絞り込み作業を完了。ドラフト1位の最終決定こそ持ち越されたが、決定事項はある。根尾の歓喜再びー。抽選の場合のクジは、与田監督の“黄金の右手”に託されることは揺るがない。
米村チーフは「クジは監督? もちろん」と言えば、矢野球団社長も「そうなるのでは」と語った。指揮官は「任命されてない」と言いつつ「会社の命令でやれと言われれば、しっかりやる」と語気を強めた。昨年は監督就任直後、4球団競合の中から大阪桐蔭・根尾を引き当てる大仕事。今秋ドラフトも抽選必至の状況の中、与田監督の手腕にかかる期待は大きい。(井上洋一)