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2019年10月5日 紙面から
加藤代表との会談のためナゴヤ球場を訪れた松坂=名古屋市中川区で(高岡辰伍撮影)
中日の松坂大輔投手(39)の退団が4日、決まった。松坂はこの日、ナゴヤ球場を訪れ、加藤宏幸球団代表(60)と会談。退団を申し入れ、了承された。球団側は来季契約する意向を伝えていたが、チームを離れる決断を下した。松坂の希望で、戦力外通告という形での決別。平成の怪物は現役続行を希望しており、古巣の西武が獲得調査に乗り出す。
“平成の怪物”は思わず言葉を詰まらせた。「この1カ月弱本当に悩みましたけど…」。沈痛な表情が、これまで要した時間が、決断の難しさをうかがわせた。この日およそ30分間向かい合って会談。退団という形で決着が付いた。
3日午後には加藤球団代表に連絡を入れ、その意思を伝えたという。決定打となったのが、昨年までチームの指揮を執り、中日に迎え入れてくれた森繁和シニアディレクターと友利結国際渉外担当の退団だった。
「(ソフトバンク)ホークスをクビになったとき、2人に声をかけてもらって、ドラゴンズに拾ってもらった。その2人が退団することになったのを聞いて、僕もいちゃいけないなと思った」
一時は気持ちは“残竜”に傾いていた。9月1日に行われた球団側と1度目の会談。松坂は現役続行の意思を伝えた。それを受け球団側も熟考を重ねる。関係者によると、9月中旬には与田監督と松坂が会談。指揮官も力量だけでなく経験、若手選手への影響などを評価したそうで、球団も契約を結ぶ方向へ傾いた。
ただ、今季たった2試合の登板で、その後は右肘の炎症を発症。来季は40歳という年齢もあり全くの未知数だけに、条件は厳しいものになるのは必然だった。
9月27日に行われた2度目の会談。球団側から契約する意思を伝えられた際に、年俸の大筋の話があった。今季の8000万円(推定)から減額制限を超える大幅ダウンだったもよう。若返りを図る方針もあり、松坂は本当に自身が必要とされているか少なからず疑問を抱いたようだ。そこに決定打となった2人の恩人の退団。「残り少ない野球人生を考えたときに、外に出るのがいいんじゃないかなと思いました」と決断を下した。
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