“イチロー”が、今季大リーグ地区シリーズの幕開けで主役となった。カージナルスの“イチロー”ことマルセル・オズナ外野手(28)は3日、敵地アトランタの地区シリーズ第1戦(対ブレーブス)で、9回に勝ち越しの2点二塁打。カージナルスは7ー6で逃げ切り、白星スタートを切った。
3ー3の9回1死満塁。オズナが83マイル(約)を引っ張った鋭い打球は、三塁線を抜けた。2者を迎え入れる勝ち越しの2点二塁打に、ベース上でオズナは両腕を2度振り上げ、ベンチに向かって叫び、ナインを鼓舞した。
「うちの打線は、試合を通じていい感じだった。マルセル(オズナ)の打撃には、ほれたよ。冷静にゲームの流れが自分の方に来るのを待っていた」。シルト監督は、AP電によれば喜色満面で語った。
2017年にカージナルスへトレード移籍すると、同僚たちから「イチロー」と呼ばれるようになった。マーリンズ時代の15年、既にレジェンドだったイチローが入団すると、同じ外野手として弟子入り。当時は難があった遠投も、イチローを質問攻めにしてフォームを参考にすることで劇的に改善され、17年はゴールドグラブ賞も獲得した。16年はイチローが個人的に持ち込んでいた初動負荷のトレーニング機器を、ナインの中でいち早くトライ。日本の報道陣に「オハヨウゴザイマス」と日本語であいさつするほど“師匠”に心酔していた。
ポストシーズン(PS)のデビュー戦で2点二塁打を放ったのは、138年を誇る球団史でも4人目の快挙だった。また、試合時間4時間7分はPSの9イニングの試合で史上最長だった。