中国が1日、建国70周年の閲兵式で初めて公開した新型超音速ミサイル「東風(DF)?17」について、中国官営メディアは「韓国に配備された終末高高度防衛ミサイル(THAAD)で防御するのは難しい」とし、同ミサイルの攻撃目標に韓国が含まれている事実を明らかにした。また、別のメディアは「東風?17の(攻撃)目標は在韓・在日米軍基地だ」と明示的に言及した。東風?17は最大射程距離が2500キロメートルとされる弾道ミサイルだ。ミサイルの推進体から分離された弾頭が音速の8倍から10倍で飛行し、中間で経路を変更することも可能で、迎撃は困難とされる。

 中国紙グローバル・タイムズはミサイル専門家の話として、「韓国がTHAADを、日本がSM-3迎撃ミサイルを配備し、中国の安全保障上の脅威となっている状況で、南シナ海、台湾海峡、北東アジアが攻撃範囲となる東風?17は中国の領土防衛における中心的な役割を果たす」と報じた。北京晩報は東風?17を宅配サービスに例え、「アジア・西太平洋で営業し、主要顧客は日本と韓国の米軍基地」だとした。攻撃目標が日本と韓国の米軍基地だという意味だ。中国軍の機関紙、解放軍報は閲兵式で公開された16基が「2カ所に分けて配備されている」という事実まで明かし、「さまざまな目標物を複数の角度から攻撃できる全天候型ミサイルであり、発射準備時間が短く、防御突破能力が高い」と説明した。

 中国が官営メディアを通じ、ミサイルの攻撃対象を特定したり、韓国や日本を名指しして言及したりするのは異例だ。これは米国が最近、中距離ミサイルをアジアに配備すると表明し、候補地として韓国、日本などが挙がっていることと関連があるとみられる。「中国が攻撃的な武器を攻撃したことで、アジア地域の軍備競争が強まる」との懸念も聞かれる。


■米国務省「韓国戦闘機の独島飛行は非生産的」

 米国務省が1日、韓国の戦闘機による独島上空飛行について、「(韓日間で)進行中の問題を解決する上で生産的ではない」とする否定的な立場を表明した。韓日の対立事案について、これまで中立的な立場を保ってきた米国務省が公に韓国に否定的な反応を示したのは異例だ。韓日軍事情報保護協定(GSOMIA・ジーソミア)破棄以降、米国の立場が日本側に傾いているのではないかとの懸念が生じている。

 米国務省は同日、韓国空軍の主力機「F15K」2機が国軍の日を記念し、独島の領空を飛行したことについて、VOA放送の取材に対し、「韓国と日本の最近の意見衝突を考慮すると、『リアンクール岩』での軍事演習の時期、メッセージ、増大した規模は(韓日間で)進行中の問題を解決する上で生産的ではない」と指摘した。米政府は1977年以降、領有権問題で中立を守るという理由で、独島を「リアンクール岩」と呼んでいる。国務省は「我々は韓国と日本がこの紛争を解決するための熱心で真剣な対話を行うことを促す」とも表明した。

 米国が独島問題と関連し、韓国に批判的な立場を表明したのはかなり異例のことだ。2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)元大統領が独島を訪問し、韓日関係が悪化した際にも、米国務省は「米国はいかなる立場も持たない。我々が望むのは(韓日)両国が対話を通じて解決することだ」とだけコメントした。

 米国が独島問題を批判し始めたのは、8月22日に文在寅(ムン・ジェイン)政権がGSOMIA破棄を表明して以降だ。8月25?26日に韓国軍が大規模な独島防衛訓練を行うと、米国務省は26日、「韓日対立を考えれば、(訓練は)非生産的だ」とする批判調の論評を出し、27日には国務省高官が記者会見で「こうしたことは状況を悪化させるだけだ」と発言した。