もしそうだとしても、あたしはその大変さを分かってあげられない。

病人や介護の必要な人は何人も見てきたし、接してきたよ。

元気だった家族も4人亡くなった。そのうち二人は病気で、一人は癌、一人は鬱。夫は命は助かったけれど怪我をしたしね。

家族以外の人にしても、そういう人は何人もいたよ。

でもどの人も、その人の心の全て知って、相手の望むようには寄り添えきれはしなかった。

夫が大怪我をした時は、少しでも彼の気持ちが楽になればと思いつく色んなことをしたけれど、お前に自分の気持ちは分からないと言われたこともあったよ。

でもそれはホントそうで。

夫本人にもしなれたとしても、やっぱりあたしは違う人間だから。同じ状況でも、夫と全く同じことを感じられるか？というと、そうじゃないもんね。

ただ、分からないからこそ、少しでも分かろうと出来る自分でいたいと思った。

人の病や苦痛に寄り添うのは決して簡単なことじゃない。

だから、もしも玄師が病を持ってたとしても、頑張ってとか、大丈夫とか、きっと上手くいくなんて言ってやれない。

そんな軽い言葉なんて言えない。

ただ、明日の命があるかどうか分からないのはあたしも同じで、それは人間みんな同じ。

だから、今を笑って生きれたら良いよね。

明日があるか分からない人生だから、今この瞬間を幸せに思える自分でいれたら幸せだよね。

玄師が美味しくご飯を食べれたならいい。

それはよーへいにも思う。

よーへいも、それでよく生きてるなといつも思うから。

自分が幸せになることを大事にしてね。

誰かを心から幸せにしたいと思って行動する人ほど、自分が一番幸せになる道を進むべき。

玄師にも、よーへいにもそう思うよ。

軽い励ましは言わない。

そんなものは何の役にも立たない。

でも、今生きているのは本当で、その自分が現実を作っているのも本当。

だから一瞬さえも幸せに。

一瞬さえも幸せに出来る自分でいたいよね。