香港の高校生銃撃、警察「自衛のため」…反発の抗議拡大
【香港=角谷志保美】香港では2日、男子高校生(18)が1日の抗議運動中、警官に銃で撃たれたことに対する反発が広がり、各地で抗議集会やデモ行進が行われた。
参加者は「若者を殺害しようとした」などと警察を厳しく糾弾した。
香港政府などによると、男子高校生は1日夜、肺などにとどまっていた銃弾の摘出手術を受けた。容体は安定しているという。2日の香港紙・明報は、銃弾が心臓から約3センチの位置にあったと報じた。
男子高校生の学校がある香港・新界地区の運動場では2日夜、抗議集会が開かれた。運動場を埋め尽くした住民らは、折り鶴を作って高校生の回復を願った。
民主派の議員団は2日に記者会見し、「警察による暴力の乱用が常態化している。死者が出たら取り返しがつかない」と批判した。
警察は2日の記者会見で、当時、男子高校生を含む複数のデモ参加者が警官を激しく攻撃していたと主張し、「発砲は自衛のためで合法だ」と強調した。警察によると、警官隊は1日のデモ制圧で、催涙弾1400発、ゴム弾900発を発射し、269人を拘束した。香港政府によると、1日の抗議運動での負傷者は123人に達した。