個人事業主に会計ソフトは必要？会計ソフトを使ったほうが良い理由とおすすめの会計ソフト

帳簿の作成は総勘定元帳や他の書類作成、数字の確認などの事務作業でかなりの時間を要します。Excelで帳簿を作成して確定申告をしようとしている人は、会計ソフトの利用を検討してください。

今回は会計ソフトを使ったほうがいい理由とおすすめの会計ソフトを紹介します。

会計ソフトを使ったほうがいい理由

個人事業主として事業を始めると必要になるのが会計の管理です。開業届を出せば個人事業主となりますが、なったときから会計の帳簿作成が義務付けられます。これは売り上げの有無にかかわらず確定申告が必要になるからです。

帳簿作成程度であれば、Excelでも管理することは可能ですが、確定申告に関する書類の作成には簿記3級程度の知識が必要です。これは白色申告・青色申告どちらでも同じです。

特に青色申告は「複式簿記」で記帳する必要なため、簿記に関する知識が豊富でなければ自分で帳票を作成するのは多くの時間が必要です。

事業に時間を集中投下するためにも申告書などの作成に時間を削減できる会計ソフトの利用は必須です。

会計ソフトとは

会計ソフトを使うと、基本的には毎日の売上・経費の入力だけで青色申告書などの書類をワンクリックで自動的に作成してくれます。入力したデータは自動で各種の書類のフォーマットに振り分けてくれるので、できたものを印刷するだけで書類作成の作業は完了してしまいます。

会計ソフトの中には、ネットバンクと連携して支出を仕分けしたり、スマホで領収書やレシートを撮影したりするだけで、事務用品の購入や接待費などの経費を自動で記入してくれる機能がある会計ソフトもあります。

アナログで帳簿作成を作ろうとすると、日々の帳簿付けや入出金の管理、仕訳からの転記、そして申告書の書き方を調べるなどかなりの時間を要します。さらに金額が合っているかの確認も必要です。

しかし会計ソフトはそれらの作業を代わりにやってくれます。すべて自分でやれば年間で数十時間から100時間くらいはかかるでしょう。

会計ソフトを選ぶ際に気を付けるポイント

会計ソフトはクラウド型とソフトウエア型の2種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。会計ソフトを選ぶ際にはそれらを把握したうえで、自分にあったものを選びましょう。

選ぶ際に気をつける主なポイントは、自分にとって使いやすいか・サポート体制がしっかりしているか・データがしっかり管理できるかの3点です。

自分にとって使いやすいか

帳票の作成をしようと画面を見たら専門用語が多くて使いづらい、入力する場所やボタンの配置が分かりづらいなどあるかもしれません。あなたに合った操作画面の会計ソフトを見つけることは重要です。

自分にとって使いやすいかどうかを判断するには、クラウド型であれば無料トライアル期間があるので、複数のソフトを運用して判断してください。直感的に入力しやすい、使いやすいと感じたものが自分にあった会計ソフトです。

ソフトウエア型には体験版が用意されているものもあります。気になる会計ソフトがあれば利用してください。

サポート体制がしっかりしているか

会計ソフトを扱う中ではどう操作すれば良いのか分からない時や、緊急で相談したい時もあるかもしれません。そういったときのためにサポートが必要になります。サポートは主に電話・チャット・メールの3つがありますが、月額利用料やサポート料金のプランによってサポートが異なります。

たとえば、チャットとメールはどのプランでも利用できるが、電話サポートは一番高いプランでのみ利用可などです。会計ソフトや料金によってサポート体制に差があるので、必ずチェックしてください。

データがしっかり管理できるか

クラウド型の会計ソフトを使う際には、個人情報に加えて、クレジットカードや銀行口座などのお金に関わる情報を会計ソフト会社と共有します。

そのため、使いたいと思っている会計ソフトが行っているセキュリティ対策とその評価について知っておくべきです。

クラウド型の会計ソフトは暗号通信によってデータを保護しているので、もし第三者がデータを見たとしても内容を知ることはほぼできません。

現在最高レベルの暗号化技術を使っていて、現在の技術ではほぼ解読が不可能だと言われています。もちろん、連携している口座やサービスとの情報もすべて暗号化されています。

クラウド型とソフトウェア型どちらがおすすめ？

クラウド型とソフトウエア型、どちらがおすすめかですが、結論から言うとクラウド型がおすすめです。主な理由は次の5つです。

・機能追加や法改正にともなう変更などは自動的に行われるので、利用者側は何もする必要がない

・確定申告書のフォーマットが変更になっても自動で対応してくれる

・データはクラウド上に保管するので、自分のPCが壊れてもデータに影響がない

・クラウド上にデータがあるので、どの端末からでも利用できる

・ライセンス不要なので複数の端末で会計ソフトが使える

・スマホからデータの入力や更新ができる

クラウド型はソフト提供側が自動でバージョンアップをしてくれますが、ソフトウエア型の場合は、ソフトの再購入や再インストールの作業が発生する場合があります。

ソフトウエア型の場合、ライセンスの問題から会計ソフト1つにつき1台のPCでしか利用できません。複数のPCで利用する場合、1台ごとに会計ソフトを購入する必要があります。

クラウド型はクラウド上にデータを保存して提供者側が管理してくれるので、データの破損の心配がありません。一方のソフトウエア型はPCが故障したりハードディスクが故障したりしてしまうとデータの復旧が困難です。さらにPCを変えるたびにデータの移行も必要になるなどクラウド型と比べると使い勝手があまりよくありません。

クラウド型のデメリットとすれば、ソフトウエア型よりも料金が割高、オンライン環境が必須という点です。しかしメリットの方がはるかに多いので、よほどのことがなければクラウド型がおすすめです。

おすすめの会計ソフト

クラウド型の会計ソフトを3つ紹介します。どの会計ソフトを選んでも基本機能にほとんど差はないので、画面が見やすく使いやすいかという点で選んでも問題ありません。

freee

freeeは確定申告がはじめての人、まだ作業に不安がある人に特におすすめの会計ソフトです。できる限り専門用語を使わずに作業ができるように配慮されています。

書類作成のステップに沿って質問に答えるだけで、確定申告に必要な書類ができてしまうのです。

またfreeeはいくつかある会計ソフトの中で唯一、スマホアプリから仕訳を入力が可能です。スキマ時間でも作業ができるので、作業時間の節約ができます。

マネーフォワードクラウド

マネーフォワードクラウドはfreeeと基本的な機能に違いはありません。

しいていえば、多少経験者向けの入力、表示画面設計になっているところです。

（だからといって、初心者の人が扱えないということはありません。）

freeeとマネーフォワードクラウドのどちらも無料お試し期間があるので、平行利用して直感的に使いやすい方を選べば問題ありません。

なお電話サポートを受けるには、freeeと同様に一番高いプランに加入する必要があります。

やよいの青色申告オンライン

会計ソフトの老舗、弥生が提供するクラウド型の会計ソフトです。やよいの青色申告オンラインの最大の特徴は、サポート体制が充実していることです。

他の会計ソフトは、電話・チャット・メールのみですが、やよい青色申告オンラインはそれら以外に画面を共有したサポートがあります。さらにメールの回答も営業日時間内であればその日のうちに回答がきます。青色申告初心者の人におすすめの会計ソフトです。

料金プランは、サポートなしのセルフプランとサポートありのベーシックプランがあります。値段は少し高いですが、確定申告のやり方に不安がある人はベーシックプランを選ぶべきです。

まとめ

確定申告の時期は業務も忙しい時期かもしれません。確定申告の書類作成と業務を平行しておこなうのは、個人事業主にとって確定申告の作業は大きな負担になります。

できるだけ書類作成の時間を削減するためにも会計ソフトを導入しましょう。