【高校野球】岩手の“怪物伝説” 真打ちの佐々木朗希「まずは日本で」2019年10月3日 紙面から
高校最速の163キロ右腕でプロ志望届を提出した大船渡の佐々木朗希投手(3年)が2日、岩手県大船渡市内で会見し「1年冬から考えていた。12球団どこでもいきます」と語った。プロ志望届は学校関係者が1日に岩手県高野連に提出、日本高野連がこの日、ホームページで公示した。日本ハムが1位入札をすでに公言している。プロ志望届を出したことでNPB球団スカウトとの面談が可能になる。6球団がすでにオファー、中日も早ければ週明けにも大船渡高校へ行く。 実直な性格を思わせる礼儀正しさで会見は始まった。詰め襟姿の佐々木はひな壇で立ち上がってテレビカメラ6台、報道陣30社79人を真っすぐに見詰めて言った。「きょう午前中にプロ志望届を受理していただいたことをご報告いたします。本日はよろしくお願いいたします」 4月のU-18代表候補研修合宿で高校生最速の163キロをマーク。高校BIG4でも別格といわれたドラフト目玉は、学校関係者を通じて1日にプロ志望届を岩手県高野連に提出。日本高野連がホームページで公示した。午後4時10分までいつも通り授業を受けていた佐々木は学校から車で10分の会場となった市民文化会館リアスホールへ移動。4月に163キロ会見したときと同じ場所で「1年の冬から行きたいと思い、揺れたことはありませんでした」とプロ入りへの思いを語った。 早い時期から「国内プロ1本です」と表明、6月には日本ハムがすでに1位入札を明言したものの、プロ志望届を出したことで、NPB球団の動きも本格化する。面談もこれで解禁となるが、千葉貢副校長のもとにはすでに6球団から面談オファーがあり、3日から放課後を使ってスタート、初日から複数球団が来るという。ドラフト1位候補に佐々木をリストアップしている中日も早ければ週明けにも行く。メジャーについては「いまはあまり考えていない。まずは日本の球団で頑張りたいと思う」と話し「12球団どこでもいいです」と明言。場合によっては母・陽子さんも面談に同席するという。 ことしの夏の岩手大会は決勝に登板しないまま敗退、ついに甲子園には行けなかった。プロの舞台に向けて「163キロは次のステージで野球をやるうえで超えたい数字」「タイトルをすべて取れるようなピッチャーになりたいと思っています」と令和の怪物にふさわしい大きな目標を掲げた。岩手が生んだメジャーリーガー、菊池(マリナーズ)、大谷(エンゼルス)が歩んだ道を佐々木も続こうとしている。 (小原栄二) <佐々木朗希(ささき・ろうき)> 2001(平成12)年11月3日生まれ、岩手県陸前高田市出身の17歳。190センチ、86キロ。右投げ右打ち。11年の東日本大震災で被災し、大船渡市に移った。大船渡高で今年4月に球速163キロ、夏の岩手県大会でも最速160キロをマーク。花巻東との決勝は登板せずに敗れた。高校日本代表としてU-18W杯出場。
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