狙うはボーナス点とトライ王だ! ラグビーW杯の日本代表は2日、第3戦のサモア戦(5日・豊田スタジアム)に向け東京都内でウエートトレーニング。練習後に会見したWTB松島幸太朗(26)は、8強進出へ向けサモア戦での4トライ以上のボーナス点獲得と、大会トライ王への意欲を語った。
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新潟市出身の左プロップ稲垣啓太(パナソニック)は地元愛にあふれる。この夏、恩返しの気持ちを込め、ほぼ全額負担して母校、新潟工業高のグラウンドを天然芝に整備した。これまでお世話になった人の思いを背負い、今大会はスパイクに「NIIGATA」と刺しゅうを入れた。さて、その反響は-。「あまりわからない」とほほ笑んだ後、こう続けた。
「SNS(会員制交流サイト)を開けばいろんな情報が出てくるんでしょうけど、正直、きりがない。終わってからゆっくりと、実はあの日はこうだったんだよと聞きたい」
SNSを遮断しての、一戦必勝。アイルランドを倒した会場から足を外に一歩踏み出してから、気持ちを切り替える。「まだ何も成し遂げていない。サモア戦に勝つために100%の準備が大事」
そんな男も、グラウンドでは泣いた。その姿は大会公式サイトに動画でアップされ、80万回超も再生されている。しかし、無表情キャラクターが定着する稲垣はわずかに口元を緩め、「泣いていないと言っておきます」と否定した。
目の前の一戦に集中する。最終のスコットランド戦のことは考えない。「泣きました」ときっぱり言える日はまだまだ先だ。 (末松茂永)