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2019-10-03

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「いいこと考えた!」と、こどもの声で聞こえる。
 アイディアが出るって、そういう感じなんじゃないかな。

 おそらく、だれでもがこどものころに、
 「いいこと考えた!」と言ったことがあると思う。
 もしかしたら、「いいこと」とはかぎらないのだけれど、
 その直前まで解決していなかった問題に、
 ピカッと答えが見える瞬間があるんですよね、
 経験も知識も少ないこどもなりに。

 トンカツと、カレーと、どっちを食べようか思案して、
 「いいこと考えた!」と、カツカレーが生まれる。
 いわば、そんなことだと思うんですよ。
 それを、「ちっともいいことじゃないよ」と感じる人も、
 たぶんたくさんいるのでしょうけれどね。
 結論として、そこでカツカレーを食べられるんだから、
 とても「いいこと」なんじゃないのかな。

 みんなが、しょっちゅう「いいこと考えた!」と、
 いたずらっぽく笑いながら言ってるような、
 そういうチームが、ぼくの理想なんだよね。
 言ってもバカにされないという環境がある。
 「だったら、もっとこういうのもあるよ」と、
 「いいこと」をコロコロ転がしてくれるなかまがいる。
 それを実現したくてうずうずしているやつもいる。
 「いいこと考えた!」って、ひとりでいるよりも、
 それを言えるような「場」があったほうが湧き出やすい。
 「あ、おれもいいこと考えた!」と、
 しりとりのようにつながっていくのも、最高だ。

 せっかく「いいこと考えてる」のに、
 だれも聞いてくれなかったり、
 それを、もっともっとと望まれることがなかったら、
 「いいこと考えた!」っていう回路が閉じちゃうよね。
 どんな仕事のなかにも、どんな生活のなかにも、
 「いいこと考えた!」が求められているはずだ。
 おにぎりのなかに「うめぼし」が入ってることだって、
 外を歩くのに靴を履くことだって、
 みんなの使ってる数字を発明したことだって、
 ぜんぶ、もともとは「いいこと考えた!」だよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
遠慮するな、みんな。どんどんいいこと考えればいいんだ。


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