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 関西電力は2日夜、計3億2千万円に上る役員ら20人の金品受領問題を巡り、うち3人には福井県高浜町の森山栄治元助役ではなく、工事業者から直接受け取っていた事例が含まれていたことを明らかにした。関電が業者に発注した工事代金の一部が、関電に直接「還流」していた疑いが浮上した。

 同社によると、大塚茂樹常務執行役員が現金100万円と商品券40万円、豊松秀己元副社長がスーツ仕立券4着(200万円相当)、鈴木聡常務執行役員も1着(50万円相当)を吉田開発を含む2社から受け取っていた。このうち豊松氏はスーツ券を使用。返却はしていないという。

 吉田開発は、金沢国税局の調査で森山氏へ裏金約3億円を渡していたことが発覚している。関電役員が森山氏から金品を受け取ったことは工事代金の「還流」だとの指摘があったが、今回の事例は森山氏を介さない直接の「還流」という批判が出そうだ。(西尾邦明)