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関電臨時会見…社長会長は辞任否定「原発マネー」の実態は?森山元助役の恫喝とは?

更新:2019/10/02 17:20

 関西電力の会長や社長らが出席し10月2日午後2時から始まった2度目の臨時会見。高浜町の元助役から金品を受け取った12人の氏名が公表されました。中には1億円を超える金品を受け取っていた幹部もいました。

 100人近くの記者が詰めかける中、2日午後2時から始まった関西電力の臨時会見。今回は岩根茂樹社長だけでなく八木誠会長も説明者として出席しました。

 9月27日、関西電力は臨時会見を開き、役員ら20人が福井県高浜町の森山栄治元助役から金品を受け取っていた問題を明らかにしました。期間は2011年から2018年、受け取った金品は合わせて約3億2000万円分と多額でしたが、誰がどのようなものを受け取っていたのか、具体的な社内調査の結果は明らかにされませんでした。

 「バックマージンと疑われるようなプレゼントを受けた方々は、その方々で会社の信頼を回復できるとは思えない。」(松井一郎大阪市長 10月1日)

 筆頭株主の大阪市は株主代表訴訟の準備を進めるとともに、役員の刷新を求めるなど批判の声が高まっています。

 関電幹部に金品を渡した森山元助役。高浜原発を誘致した中心人物とされ、金沢国税局の調査で、自身が顧問を務める地元の建設会社「吉田開発」から裏金約3億円を受け取っていたことが確認されています。しかし、その吉田開発に仕事を発注する関電の子会社「関電プラント」が、森山元助役を30年以上にわたって非常勤顧問として起用し、報酬を支払っていたことも明らかになりました。原発を巡って発注する側と受注する側の双方に森山元助役が絡んだ癒着の構図が浮き彫りになってきたのです。

 そんな中、再度行われた10月2日の臨時会見では、前回の会見で非公表とされた調査報告書の内容がほぼ明らかにされました。

 ―――受け取った関電の役員ら20人と金品は?
 「金貨が368枚、金杯が8セット、金が500g、スーツが75着となっています。」(関西電力 岩根茂樹社長)

 受け取ったのは現金や商品券、アメリカドルなどに加えて、様々な物品に及んでいました。金品は森山元助役との面談や会食の場で渡されていて、菓子の土産物の袋に見えないように入れられることが多かったと言います。また、幹部ら20人のうち1億円以上を受け取っていたのは原子力事業本部長代理の鈴木聡常務と、豊松秀己元副社長で、現金や商品券を始め、金貨やスーツなどを受け取っていました。受け取った総額3億2000万円相当のうち約2億8000万円分は返却し、6人の処分を行ったということです。

 ―――なぜすぐに返却しなかった?
 「様々な叱責や罵倒に加えまして、ご家族を含めて身の危険を感じるような森山氏に関する話が伝えられていることが背景としてありました。」(関西電力 岩根茂樹社長)

 『家にダンプを突っ込ませる』などの激しい恫喝で体を悪くした人もいるなど、怯えることもあったと話します。

 「(森山元助役に)お会いした時には必ず手土産をお持ちになり、私としては当然、受け取るわけにはいきませんので、受け取れないという話をすると、やはり声が大きくなって、『なぜ受け取れないか』と激高されるという経験がございます。」(関西電力 八木誠会長)

 ―――森山元助役が関与する企業への便宜は?
 「原子力発電所を運営していくためには、立地地域や協力企業のご理解がなくては成り立たず、森山氏にも工事物量や工事概算額等をお伝えすることがございましたが、精度の低い概算額にすぎず、情報提供の目的は地域重視の姿勢を理解してもらうことであったことから、情報を提供した対応は特に問題無いと考えていました。」(関西電力 岩根茂樹社長)

 ―――会長、社長の進退は?
 「本件を厳粛に受け止めまして、全ての膿を出し切るということで、今後徹底的な調査、原因究明を行う、そして再発防止対策を確立し実施していくことが私の務めだと思っております。」(関西電力 八木誠会長)
 「関西電力の信頼が少しでも上がるように、私が先頭に立ちまして、原因究明、再発防止をしっかりやっていくことで経営責任を果たしていきたい。」(関西電力 岩根茂樹社長)