1950年(昭和25年)1月22日付けカトリック新聞より
日本人のメーソン 教会は入会者を破門
フリー・メーソンの支部が日本人にも開放されることになり、一月五日から三日間東京都港区麻布の元海軍水交社のフリー・メーソン東京集会所で入社祝賀会が催され、マックァーサー元帥、アーモンド参謀長、第八軍司令官ウォーカー中将らはこれに祝辞をよせた。
同会東京支部のマスターはM・A・リビスト少佐で、入社した日本人は既に25名を超え全国各地からの入会申込みが続出しており、委員長には参議院議長佐藤尚武氏がつくことに内定し、元国務大臣植原悦二郎、日本商工会議所会頭高橋龍太郎、国会議員の星島次郎、三島通陽の諸氏も入会していると伝えられるが、これに関して神戸新聞一月七日号は田中耕太郎博士も会員の一人であると云われていると報じたが、同博士はその事実を否定して「昨年十月一日に植原悦二郎氏を通して電話で会合に出てくれといってきたが、その案内を断った」と語った。教会当局はフリーメーソンに入会する者は破門されることを確認している。
しかし会員らの語るところによればメーソンは国際的な親善機関でアメリカでは公共慈善団体として知られ、入会宣誓をした者は国際的の兄弟愛に結ばれ、各国では会員であることが社会的に信用される市民であるという説明になっていると、そして無神唯物主義者や多神教者は入会の資格がなく、唯一の神が信じられる者でなければならぬともいわれ、メーソンには一階級から三十二階級まであり試験により昇進するが、その上に三十三階級という名誉階級があり、トルーマン大統領、マックァーサー元帥も三十三階級であると。しかし教会の態度は不変である。
※ 新聞記事転載文中の句読点、数字表記については、一部編集させていただきました。
※ 文の強調(太文字化)は当サイト管理人によります。
これは、先般紹介したメイソンについて詳述する記事「フリー・メーソンとは何か」(1950年1月29日付)の1週間前の記事です。
記事中にトルーマン大統領やマッカーサー元帥が第三十三位階級のフリーメイソンだとはっきり書いています。
なお、一応記しておくと、田中耕太郎博士は著名なカトリック信徒です。
カトリック新聞記事中にて触れられていた「神戸新聞一月七日号」を確認したところ、確かに1950年(昭和25年)1月7日発行号にて報道されていました。
何故このような詳しい記事が神戸新聞に掲載されたのか、疑問に思います。
神戸にイギリス系のフリーメイソンのロッジがあることと何らかの関連があるのでしょうか?
一般紙での報道
朝日新聞 (1950年1月8日付)
「日本にもフリー・メーソン 佐藤議長ら十氏加入」
読売新聞 (1950年1月8日付)
「三島通陽ら十氏 フリーメーソンへ日本人初入会」
毎日新聞の1月8日付の記事でも、同様の内容が報道されていました。
フリーメイソンに興味がある方への補足
メイソン本に興味のある方以外は関心がないと思われる内容につき、文章は折り畳んでおります。
「世界最大の秘密結社であり世界一流人は皆会員に参加しているといわれるフリーメーソンの支部が日本にも設置され、いよいよ世界の一流人との交際を始めることになったが、戦時中軍の誤れる宣伝は、徒に亡国のための秘密結社であるかのように日本人に教え込んでいたため現在でもなにかしら恐ろしいスパイ団体のような疑念を国民に抱かせている。ではフリーメーソンとは如何なる団体であろうか」
というリードに続き、メーソンが平等の立場に立って哲学・宗教・芸術の根源を追求する組織であること。米歴代大統領やナポレオン、ロベスピエールなど、「偉大な政治家はすべてこの会に属していたことを見ても如何にこの会の力が偉大でありかつ正しいものであるかがわかる」と全面的に評価し、その起源や組織形態などを伝えている。
村山氏が「日本のフリーメーソン」のなかで、「建設時代にもっとも犠牲的努力をした人」としてあげている数人中には朝日新聞記者の名もあるが、この記事が同記者の筆になるものか否かは不明である。 (pp.32-33)
別の新聞の間違いだったのか、それとも故意の間違いだったのかは不明ですが、有名な書籍につき、本件について記録しておきます。
※ 『日本に君臨するもの』の加筆・再構成・改題文庫版である『見えざる日本の支配者フリーメーソン』(2010年発行、徳間書店)においても、pp.44-45において上記引用箇所と全く同じ文章が掲載されています。
ああ、原罪なく宿り給いし聖マリア、御身により頼み奉る我らのために祈り給え。また、すべて御身により頼まぬ者のため、特に秘密結社員の回心のために祈り給え。