栄養教諭ら対象の鯨料理講習会 和市で開催(写真付)
2019年10月02日 19時22分 ニュース, 社会, 経済
商業捕鯨の再開からちょうど3カ月となったきのう(10/01)、和歌山県内にある小中学校などの栄養教諭らを対象にした鯨料理講習会が、和歌山市で開かれました。
これは、今年7月に再開された商業捕鯨でも大きな課題となっている鯨肉の利用拡大を学校給食の中で進めていこうと、県と県学校栄養士研究会が主催したもので、講習会には、県内の小中学校や特別支援学校の栄養教諭ら50人余りが参加しました。
講習会では、はじめに「NPO法人 海のくに・日本(にっぽん)」理事長の白石(しらいし)ユリ子さんが「クジラから世界が見える」と題して講演し、「鯨の肉は、高たんぱくなのに低カロリーという理想的な食肉で、健康で長寿の日本人の体を作り上げたのは鯨を含む水産物だ」と指摘しました。また、白石さんは、「江戸時代には、いまにつながる鯨料理が作られていた。こうした食文化を大切にすることが、私たちの健康な人生や、捕鯨を守ることになる」と話しました。
このあと、参加者は、鯨の赤肉を使ったステーキや竜田揚げ(たつたあげ)、鯨の皮を使った鯨汁(くじらじる)と鯨飯(くじらめし)のレシピを学びながら試食しました。
県立紀の川支援学校の栄養教諭、武部真弓(たかべ・まゆみ)さんは、「鯨の味も残しながら、とてもおいしく、肉厚で、給食に使えそうです。これまでも竜田揚げなどを給食に出してきましたが、皮を使ったメニューは初めてで、こんなに濃厚な油が出るとは知りませんでした。鯨の皮を取り扱う業者があれば、検討したい」と話していました。
県では、2017年度から、年に一度、学校給食への鯨肉の無償提供を行っていて、主催した県水産振興課・副主査の内田廉(うちだ・れん)さんは、「私も試食しましたが、鯨汁がとてもおいしかったです。和歌山県は、学校給食会が赤肉を取り扱っていますが、皮は商品化されておらず、給食の現場から要望があれば、商品化などを検討したい」と話していました。