“北”ミサイル 島根沖EEZに落下 SLBMの可能性?
政府は、北朝鮮が2日朝、弾道ミサイルを発射し、日本のEEZ(排他的経済水域)に落下したものとみられると発表した。
政府によると、北朝鮮は午前7時10分ごろ、北朝鮮の東岸から弾道ミサイルを発射し、ミサイルは、島根・島後沖の北およそ350kmの日本のEEZ内に落下したとみられる。
日本のEEZ内への落下は、2017年11月以来。
現時点で、航空機や船舶への被害の報告はないという。
政府は、北朝鮮に抗議した。
安倍首相は、「国連決議違反であり、厳重に抗議し、強く非難します。厳重な警戒態勢のもと、国民の安全を守るために万全を期してまいります」と述べた。
政府は、NSC(国家安全保障会議)を開き、情報の集約と今後の対応について協議した。
北朝鮮の意図について、政府高官は、5日に行われる米朝実務者協議へのけん制との見解を示し、北朝鮮は日本のEEZを外そうとしたが、失敗したのではないかとの見解を示した。
このほか、韓国が1日、F-35Aステルス戦闘機を一般公開したことへの反発との見方も浮上している。
一方、韓国軍は2日朝、北朝鮮が発射したのは、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)とみられると発表した。
韓国軍によると、ミサイルは北朝鮮東部・元山(ウォンサン)の北東の海から東側に1発発射され、高度はおよそ910km、飛行距離はおよそ450kmで、固体燃料ミサイル「北極星」のSLBMだと分析している。
発射されたのがSLBMだと確認されれば、2016年以来となる。
アメリカの研究機関は2019年8月、「北朝鮮がSLBMの発射実験の準備を進めている可能性がある」と分析していた。
また、ベニズワイガニ漁などが盛んな鳥取県の境港では、漁師からも不安の声が上がっている。
漁師は、「不安というか、近くといったら余計不安ですね。なんでだろうというか、イラッとするというか、そんな感じ」と話した。
金正恩(キム・ジョンウン)委員長は2019年7月、新しい潜水艦の視察をし、労働新聞で報じられたが、この潜水艦は、弾道ミサイル搭載用の潜水艦とみられている。
フジテレビの能勢伸之解説委員によると、2日の発射は、開発中の新たなミサイルか、発射装置そのものを試してみたのではないかとみられ、実用化レベルに達しているのかどうか、画像の公開が注目されるとしている。