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「この先の格差社会に注意」の中国語の誤訳は、機械翻訳が原因であるとニュースでは言っていました。中国語ネイティブな人によるチェックが入れば、ありえないミスです。人によるチェックを行えば、当然のことながら、その分の費用がかかります。機械翻訳の技術に対する過信と、経費削減が招いた結果です。
Microsoftは機械学習技術を用いた「Microsoft Translator」という機械翻訳システムを持っており、その技術は同社のWebサイトのコンテンツ翻訳や、「Bing翻訳」といったサービス、Officeアプリに利用されています。
Microsoftの公式ドキュメント(docs.microsoft.com)は機械翻訳により、いち早く日本語化され、その後、ユーザーからのフィードバックや人による翻訳を経て、正式なコンテンツに差し替えられるようです。機械翻訳の場合、その旨が示されるので、おかしな日本語表現があってもオリジナルの英語で確認できるので、英語のドキュメントを読むのが苦にならない人にはさほど問題にならないでしょう(画面1)。
製品やサービスの公式サイトには、機械翻訳であることが示されないまま、機械翻訳を疑わせる表現を見掛けることがあります。例えば、「Windows 10」の新バージョンがリリースされた直後には、「2018年4月の更新プログラム」「2018年10月の更新プログラム」「2019年5月の更新プログラム」といった表現を目にすることがあります。
これらはWindows 10 バージョン1803、バージョン1809、バージョン1903の別名である「April 2018 Update」「October 2018 Update」「May 2019 Update」のことであり、多くの場合、しばらくすると正しい表現に訂正されます。これらの誤訳は、Microsoft用語集として「Update」を「更新プログラム」(文脈によっては「更新」や「更新する」)と訳する“決まり”が影響しているものと想像できます。Microsoft用語集は、ランゲージポータルで検索、またはダウンロードできます(画面2)。
Windows 10は多言語対応です。オリジナル言語は英語(en-us)ですが、日本語(ja-jp)版を含むローカライズ版が提供される他、「言語パック」の追加により、他の言語に切り替えることも可能です。英語と日本語以外の言語については、筆者は状況を知りませんが、日本語については多くのユーザーにとって、過不足も不自由もなく利用できていると思います。それは、30年以上にわたって日本語版を開発、提供し続けてきた蓄積があるからでしょう。Microsoft用語集はその蓄積です。
しかし、現在のWindows 10は「機械翻訳だけで日本語化されているのでは」と疑いたくなる表現が潜んでいます。そこには、機械翻訳に過去の蓄積が影響している場合もあります。少なくとも問題がある日本語表現は、日本語ネイティブな開発者やテスト担当者が全く介入していないことを示唆しています。筆者が最近見つけた気になる変な日本語表現を3つ紹介しましょう。
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