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ひきこもり支援施設を脱走した有名私大卒31歳男性 社会復帰しても収まらない怒り

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自立支援施設を脱走した男性(撮影/西岡千史)

自立支援施設を脱走した男性(撮影/西岡千史)

──親子関係が悪いのに、本人が納得せずに入寮させても、プログラムの効果はないのではないですか。

 それはその通りです。

──監視カメラを付けているのはなぜですか。

 スタッフと入寮者の間で「触った」「触っていない」などといったことを言われないようにしている。あるいは生徒からスタッフが殴られる場合もあるからです。

──今回の集団脱走については。

 親の中には、(脱走への協力を校外で)首謀した人にそそのかされて「誘拐だ」と言っている人もいる。逃げたのではなく、連れ出されたんです。今は証拠を集めているので、(脱走を主導した人を)告訴するつもりです。

──親子関係のゆがみに介入することは専門家でも難しいですが、そこにあえて介入する意味は。

 親が変われば子どもが変わると言いますけど、親も何かがないと変われません。まずは親の気持ちに寄り添って、それから親子で距離を取り、本人たちに自信をつけさせたりして、親子の和解のポイントを見つけています。ただ、入寮に納得できない人で親に怒りを持っている人がいるのは確かです。

(AERA dot.編集部/西岡千史)


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