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【社会】表現の不自由展6~8日に 展示内容を変えず再開へ
愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で中止となった企画展「表現の不自由展・その後」を巡り、芸術祭の実行委員会と不自由展の実行委が三十日、展示再開で合意した。再開日は十月六~八日の間に設定する方向で、双方が今後協議。従軍慰安婦を象徴する少女像などの展示内容を中止前と変えないことを確認した。芸術祭の最終日は十月十四日。 不自由展側が展示再開を求めた仮処分の審尋が三十日、名古屋地裁であり、大村秀章知事が同日示した再開に向けた四つの条件について、不自由展側が受け入れを表明。和解が成立した。仮処分申し立ては取り下げた。 四つの条件では、展示内容について「中止した展示の再開で、開会時のキュレーション(展示企画)と一貫性を保持する」とした。「必要に応じ教育プログラムを実施する」ことも確認された。 不自由展側は取材に「中止前と同じ空間内で、移動はあり得ると双方で確認した」と説明。展示を別会場に移すことは想定していないという。 このほか(1)警備面で協力する(2)事前予約の整理券方式とする(3)中止になった経緯などを検証した中間報告の内容を来場者に伝える-との内容で合意した。 芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介さんは三十日、ツイッターに「関係各位の多大な努力と理解に最大限の感謝を示します」と投稿した。 昭和天皇を扱った映像作品や少女像などを巡り、脅迫やテロ予告ともとれる電話やメールが相次ぎ、大村知事が会長を務める芸術祭実行委が八月三日、「安全な運営が危ぶまれる」として開幕三日目で中止を決めた。 詳しい経緯などを検証した県の委員会が九月二十五日、中間報告を発表。再開すべきだとの方向性を示す一方、別会場での上映や事前に背景説明をしたツアーガイド方式などの具体例を挙げ、展示方法やプログラムの改善が必要と指摘した。これに対し不自由展側は「中身に対する介入がない形で、中止前そのままでの再開を」と芸術祭の実行委に求めていた。
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