CS逆転進出を、阪神は今季最終戦に持ち込んだ。1敗もできない状況から早めの継投策で5連勝。最近8試合では7勝1敗だ。30日の最終戦も勝てば、広島を抜いて3位に滑り込める。
矢野監督の超積極的采配が流れを向かせる。2回から早くも代打策。2死一、二塁で2番手の高橋遥に代打・原口。ここは中飛に終わったが、5回には3イニング無失点の3番手ガルシアに代打。その陽川が的中した。
「長打を期待して陽川というところ。見事に素晴らしい打撃をしてくれた。ムードが一気に変わる一打になった」
5回の2死無走者で代打の陽川が、柳から左越えへ先制3号ソロを放り込んだ。直球をとらえた一打に「甲子園で本塁打を打つのは久しぶりなので、ダイヤモンドを回るのが気持ち良かった」と充実感にひたる。
60試合を要して、勝率を5割に戻した。7月8日以来、実に83日ぶり。CSが始まってから真弓監督、和田監督、金本監督は就任1年目がいずれもBクラス。歴史を変えられるかどうか瀬戸際の一戦に向け、矢野監督は「普通にやれる空気感ではないが、苦しいときも楽しく。あすもそういうゲームをします」と語気を強めた。(吉川学)