【ドーハ(カタール)川村庸介】陸上の世界選手権は27日、当地で開幕する。25日は日本代表が記者会見し、男子100メートルに出場予定のサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=は壮大な目標を掲げた。「準備状況はぼちぼちかなと思う。あとは本当にやるだけかなという感じ」とリラックスした表情で近況を明かすと、「目標は優勝する勢いでやっていこうかなと思う」とさらりと言ってのけた。
決して冗談のつもりではない。遠くに見える頂だが、夢物語ではないと思っている。「ベストタイムは2~3人が抜けているが、決勝のスタートラインに立てば、何が起きてもおかしくない。誰だって優勝が見えてくるので、その場面で自分の走りができれば」。世界最速のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が2017年に引退してから初めて迎える世界選手権。ボルトほどの絶対的な存在はいないだけに、決勝に進みさえすればチャンスはあると見る。
大一番にも気負いはない。「そもそもあまり緊張しない体質。試合に対するワクワクや走りたい気持ちが強いので、緊張感を力に変えて挑める」。自身3度目の世界選手権。有言実行で規格外の走りを見せつける。