MKZ_FACTORY です。
H21 VW ゴルフ6 発進困難 メカトロオイル漏れ 修理ご依頼です。
結論から申し上げますと、昨年5月に入庫し8月に納車も2日で不具合再発、再入庫。今年1月に完治した事例です。
現場を一人で管理しているため、
・他のオーナー様の修理管理
・代車の予定
・1ヶ月の工場建物管理費や生活維持費等の利益の確保
・リフトが1機しかないため、リフトの使用作業の段取り
等が重なり、予定が大幅に遅くなったのは事実です。誠に申し訳ございませんでした。
少しでも修理費用を抑えたいとの事で、並行にて部品仕入れました。それでも注文時2ヶ月~3ヶ月のバックオーダーでしたので、付きっきりで修理していたわけではないのですが、それでも少しお時間かかりすぎました。
入庫時の状況は、メカトロの黒色のカバーからメカトロオイルが噴出していました。
たまに前進させる事ができたので、いつもの油圧リークかと思っていました。
エラー内容は、
P189C00: プレッシャー増加不足による 機能制限 | |
イベントタイプ2: | アクティブ/スタティック |
症状: | 10878 |
ステータス: | 00001011 |
イベントメモリー記憶 | |
No.: | P17BF00: ハイドロリックポンプ プレイプロテクション |
イベントタイプ2: | パッシブ/スポラディック |
症状: | 10902 |
ステータス: | 00001000
|
想定していた内容です。
距離も90000km超えていまして、これから長く乗りたいとの事でメカトロ新品とクラッチ交換することにしました。
上記書いたとおり、費用を少しでも抑えるため正規純正品をドイツ~イギリス経由で輸入しました。入荷はバックオーダー(部品商経由とディーラー経由で入荷時期が異なるとの返答をいただきました。それでも8万円ほど安く仕入れれる)で2~3ヶ月ほどかかりましたが、お値打ちには修理可能です。
ちなみに、中国経由ルートも当然把握しています。メカトロの生産はEU産と中国産とあり、中国国内で販売されているVW/アウディグループの部品は中国国内で生産されています。その分の部品が流通しています。
中国サイトでメカトロ本体もかなり安く購入できますので、修理工場で中国製メカトロ新品もしくはリビルト品に交換しているところもあるそうですが、当店ですでに何台か中国製リビルトメカトロ品の故障車(メカトロ基盤はルーマニア製でメカトロケースがCN製)が入庫しています。
当店でも中国で販売されているリビルト品のメカトロテストしてますが、全く問題がなく正常に動いています。
見た目もそうですが、中身もほぼEU生産品と同じ部品と使ってきている固体もあり、正直見分けがつきません。
ただ、純正新品は部品改良されている箇所があり、リビルト品は改良前の部品でしたので、強いて言えばそこが違うくらいです。
たまたま品質が悪かったものにあたったんだと思いますが、ユーザーさんがそれを知らないのはどうかと思います。
当店で乾式7速に関して内部情報公開しているのは、こういったユーザー様の被害を防ぐ目的もありますので、純正品なのか、中国産なのか、リビルト品なのか、ちゃんと説明ができているお店で修理をされるようユーザー様ご自身でお気をつけてください。
純正新品から、中国経由部品から、全て分解してある程度できる範囲で検証していますので、全てとは言いませんが構造に関しては把握しているつもりで、乾式7速の修理に取り組んでいます。
それでも今回の車両の修理に時間がかかってしまい、もう一度修理の取り組み方を勉強しないといけないなと思うしだいです。
メカトロ&クラッチ交換後の、クラッチ位置のグラフです。
メカトロ新品ですので、プログラムも当然最新。
基本調整&アダプテーション走行作業も実施。
クラッチ新品ですので、クラッチがつながってから最大トルクまで13mmのストローク量。
クラッチが摩耗すればここの数値が大きくなります。
クラッチミートポイント、クリアランスも中心にあり完璧な数値でした。
普通でしたら、これで完治です。
この状態で、8月に納車いたしました。
ところが・・・
しばらく走行してDSGの調子が悪くなったので、再度見てほしいと連絡が・・・
わずか2日の出来事・・・
再入庫したときのエラーが
クラッチポイントのグラフが
クラッチ1のミートポイントがズレていました。
普通はこんなことありえるはずもないと思いましたが、ありえるとすればクラッチのストロークを検知しているのはメカトロなので、もう一度メカトロ本体を新品に交換してみました。
結果は、同じでした。
正確に言えば、交換して基本調整後はなんの問題もなく走行できましたが、20kmくらい走りますと、突然ジャダーが発生します。
その状態でもう一度基本調整しますと、やはり調整後はスムーズに走りますが、15km~20km後同じようにジャダーが突然発生します。
どこかにガタがあることに間違いはなさそうなのですが、新品のクラッチは問題あるように思いませんでしたのでもう一度クラッチのクリアランスを確認します。
2回目のDSG脱着です。
シム調整を再度確認します。
シム調整は完璧です。
クラッチ本体のベアリングも新品も若干ガタあるのは確認していますので、こちらも問題なさそうです。
試乗してみますと、結果は同じ。
メカトロ クラッチ 新品でも症状変わりません。
となると、DSGメインシャフトのガタ?なのか、本体の不具合しか考えられませんでしたので、当店で代車で使用しています同じ車両のDSGを乗せ変えてみます。
結果は,不具合の出ていたDSGを載せた代車は問題なく走行。
代車で使用していたDSGを修理車に付けると、なんと不具合発生。
ここで、DSGに問題に無かったことがわかりました。
はい。
結果。
エンジンとDSGの間にある、フライホイールのガタが原因でした。
交換後は、全く不具合発生しません。
フライホイールの異音等の不具合は多く発生事例ありましたが、まさかDSGに影響あるとは予想もしていませんでした。
このフライホイール、バックオーダー品でほとんど国内にありません。新品価格も¥170000します。
たまたま同じ品番の中古部品が当店にありましたので良かったです。
メカトロオイル漏れは以前から発生していたかと思われますが、ある程度油圧がかかっていれば走行可能です。
フライホイールの不具合が原因で走行困難になったかと思われますので、結果
・メカトロ
・クラッチ
・フライホイール
交換となりました。
純正定価で、65万近い修理費です。
大変な修理でした。
最近はメーカー交えてDSGの講習会も開催されているようですが、当店は全て一人で検証しています。他店との情報共有はしておりませんので、当店で検証して得た知識や情報はユーザー様に情報公開できればと思います。
それでもまだ当店でも解決していない不可解な事例が多く発生しています。
あくまで当店での検証結果ですので、ご理解いただけたらと思います。