そういったことが苦手な方は読まないことをお勧めします。
その大地は巨大なスプーンで抉ったようであった。
その大地には古代都市を連想させた。
雲の上に浮かぶ古城。
それを"この世界"の者たちは"エリュエンティウ"と呼び畏怖している。
圧倒的な存在である
戦いに参加していない
"
彼らはやがて"八欲王"と呼ばれることになる。
だが後に"八欲王"と呼ばれる彼らは
"何かが"起きて殺しあうことになる。
これはそんな殺し合いの一部についてだ。
私はここにそれを記そう。
筆者 ■■■■
古城の一室で二人の男が武器を構えていた。
灰色の全身鎧を着た男を"灰"と呼び、
紫色の全身鎧を着た男を"紫"と呼ぼう。
「はぁ……はぁ……」
灰は
男は目の前に立つ紫色の全身鎧を着込む男を見る。どうやら自分とは違ってほとんど無傷のようだ。
「もっと俺を愉しませろ」
紫はそう言って首を回す。その動作は蛇を連想させた。
「何でだ!?何で俺を襲う!?俺がお前に何かしたか?あっ!?」
紫はサーベルを取り出す。そのサーベルは全身鎧と同じで紫色であった。まるで蛇の猛毒を思わせるそれは危険だと灰は知っていた。それゆえ警戒する。
「近くにいたお前が悪い」
(ふざけんなよ!おい!そんな理由で殺されてたまるか!)
「来い!」
紫がそう言うと空間から紫色の巨大なキングコブラを連想させる蛇が現れる。全身が紫色でとても毒々しい。
「ちっ!」
灰はその蛇から距離を取ろうとするためにバックステップしよう……
シャー
蛇がそう叫ぶと左手にかみついてきた。
「くっ!」
灰は強引に引きはがし、角の生えたガントレットで殴りつける。蛇を吹き飛ばした。吹き飛ばす際に激痛が走る。
「くそが……」
灰が見ると右手首から先はなかったのだ。どうやら蛇に噛み切られたらしい。
(右手は武器を持っている以上、回復手段はポーションしかない。だがこの状況で"この武器"を一瞬でも手放すのは自殺行為だ……)
◇◇◇◇
◇◇◇◇
血の海と呼ばれるに相応しい場所で二人の男がいた。
仮に二人を"紫"と"灰"と呼称しよう。
そんな二人の戦いは終わりを迎えようとしていた。
「やめろ!やめてくれ!」
灰は血塗れになった姿でそう叫ぶ。腹部に紫の持つ武器に刺し貫かれたからだ。
(こいつの"この武器"の特性に対しての耐性は指輪でつけてきた)
灰は知っていた。紫の持つ"強大な武器"に込められた効果は主に四つ。
一つは攻撃力増加。かなりの攻撃力を持つこの武器は危険だ。
二つ目は攻撃回数増加。三回まで攻撃できるようにされている。危険だ。
三つめは使役獣の召喚。さっきの蛇は一度しか100時間に一度しか召喚できない。もう大丈夫だ。
だが問題は四つ目である……
「あがががががががががっっ!!!!!」
灰の全身に激痛が走る。まるで全身を炎で焼き尽くされたように感じた。
激痛、眩暈、麻痺、拘束、それを感じた。
そう…紫の持つ"武器"の主な効果の最後の一つは"毒"である。それもただの毒ではない。ユグドラシルで最大最悪の効果を持つ毒である"ブラッド・オブ・ヨルムンガルド"だ。
(……ブラッド・オブ・ヨルムンガルド!!何で!?)
装備で完璧に対策はしてきた。だが……
(何故だ!?何故指輪の効果が発動しない!?まさか!?)
灰は自身の左手を見る。先ほど噛み千切られた跡があった。
「気付かなかったのか…いくら装備して耐性をつけても、身体から引きはがせば効果はなくなる……お前、馬鹿だな」
「こんな所で俺は死ねない!」
「何か勘違いしてないか?お前は殺すつもりはない」
「じゃあ何で?」
「今、教えてやるよ」男の声はどこか甘ったるい。そのせいかやっている行動とのギャップが男の凶悪さをより一層際立たせている。
そう言って紫は灰を貫いたまま運んでいく。
灰は何とか身体を動かそうとする。しかし身体はビクともしなかった。
◇◇◇
◇◇◇
殺してくれた方がまだマシだった。殺害されれば蘇生アイテムで自分の決めた位置で蘇生できるからだ。
(まさか……アレは……これじゃあ死ぬことすら出来ない!!)
「おい!嘘だろ!『それ』は!?」
「気付くのが遅ぇ」
紫は灰をサーベルを振りかぶる様にして『それ』に投げ入れた。既に全身に毒が回っていた灰は身体が動かないままそこに投げ入れられた。
「うわぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
灰から出るのは血……などではない。
それは黄金に輝く金貨であった。
ジャラジャラと『それ』から排出される金貨の金属音はまるで灰の断末魔であった。さながら金貨の枚数は灰の苦痛を現している様であった。
「ああああああ!!!!!!!!!!」
灰が入れられたのは『エクスチェンジボックス』(通称シュレッダー)だ。
灰の持っていたアイテム、灰自身の全てが裁定され排出された。
灰は金貨に"変換"されたのだ。それゆえ蘇生は不可能である。
その場に残った金貨には男の生命が宿っているかの如くキラキラと輝いていた。紫は金貨を一枚手に取るとすぐに興味をなくしたのか金貨を放り投げた。
「……これで二人目…」
「さて、次の
紫は笑う。その瞳はまるで蛇の様に次の標的を狙っていた。