【ラグビー】リーチ主将、歓喜に浸るのは一晩だけ「サモア戦へ切り替えるのが大事」 歴史的勝利から一夜明け2019年9月29日 19時41分
ラグビーのW杯日本大会1次リーグ2戦目で世界ランク2位の優勝候補アイルランドを19―12で破る大金星を挙げ、2連勝を飾った日本代表は29日、リーチ・マイケル主将(30)=東芝=が一夜明けて会見し「勝ったのはうれしいけど、次に切り替えるのが大事」と早くもサモア戦(10月5日・豊田スタジアム)を見据えた。同日中に練習拠点の東京都内に移動し、3戦目に向けて万全の態勢を整える。 世界を驚かせたアイルランド撃破から一夜明け、会見に出席したリーチ主将は態度も、語り口も落ち着いていた。試合直後に指揮官が述べた「今夜だけは喜びに浸る」という言葉通りに、歓喜は一晩だけにとどめ、中6日で迎えるサモア戦に目を向けた。 「多くの人にインパクトを残せた。昨日の勝利は良かったけど、切り替えてサモア戦にどう勝つか準備している。まずは準備から始まる」 歴史的な“大物食い”で世界から注目を浴びるのは、2015年大会の南アフリカ戦後と同じ。ただ、1次リーグ順位は残り2試合の結果次第とあって「準備を変えないことが大事。選手の言動や考えにも気を付けたい」と冷静さを貫く。 準備の重要度は、アイルランド戦で実証済みだ。リーチ主将は勝因の一つに、スクラムやモールで奮闘したFW陣を挙げた。特にスクラムは経験豊富な相手FWを押し返し、反則を誘発するなど互角以上に渡り合った。 支えとなったのが、開幕戦後の1週間の練習だった。スクラムでは日本FW陣8人が、控え選手10人組と対峙(たいじ)。強力なアイルランドFWを想定し、押し勝つための技術を磨いた。 ジョセフ・ヘッドコーチの試合前の言葉も力に変わった。「世界は、この試合は日本代表は勝てると思ってないけど、僕らは勝てると信じている」。チーム内で“俳句”とも表現された短いフレーズは、選手の気持ちを奮い立たせた。 サモアは前回大会1次リーグ3戦目で対戦し、その時は日本が26―5で制した。リーチ主将の頭の中には、攻略法が浮かび始めているようだ。「前回大会のようにフィジカルでやってくる。どれだけディフェンスで圧力をかけるか」。大金星を弾みに、しかし気持ちは引き締め、豊田での一戦へ向かう。(高畑章)
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