<全日本スーパーフォーミュラ選手権>◇第6戦決勝◇29日◇岡山国際サーキット
山下健太(KONDO RACING)が参戦3年目にして初優勝を飾った。
スタート後10周目までタイヤ交換義務を消化することが出来ない特別規則の中、スタート時のタイヤ選択に注目が集まったが、上位10台のうちミディアムとソフトの選択が半々に別れた。
ポールポジションスタートの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は危なげなくトップを快走。その背後には5位からジャンプアップしてきた福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2位スタートの山下健太をパスして2位に浮上したが、8周目の1コーナーでコースオフしてセーフティーカーが導入される。
セーフティカー導入のまま10周目を迎えるとミディアムスタート勢が一斉にピットインしてミディアムを捨てる。その一方で16位スタートの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がセーフティーカー先導中に2度ピットに入り、ソフトからミディアム、そして再びソフトに交換。タイヤ交換義務を果たした上でソフトタイヤでレースの大半を走り上位進出を狙う。
56周目にトップ平川亮を選手権リーダーのニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOMS)がバックストレートエンドでオーバーテイク。59周目に平川、60周目にキャシディがピットインすると、すでにタイヤ交換義務を消化していた小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)の前でコースに復帰する。温まっていないタイヤのニック・キャシディに小林が61周目のバックストレートエンドで仕掛けるが、続くリボルバーコーナーで両者は接触、キャシディはスピンを喫し11位まで後退してしまった。
ソフトスタートの各車がピットインしていく中で、すでにタイヤ交換義務を果たしていた2位の山下健太がトップに立つ。そのまま首位でチェッカードフラッグを受け、今シーズン6戦目で6人目の勝者となった。
「3年参戦して今年勝てないと迷宮入りしそうな気がしていたので、勝ててホッとしています。今年からクルマが新しくなって予選Q1を突破するのに苦労して来てたんですけど、チームがすごく頑張ってくれて上位争いが出来るクルマにしてくれました。今のスーパーフォーミュラは自分が上手く走ることはもちろん戦略がすごく大切ですし、僕はチャンピオン争いに加わっていなかったのでトップの人たちと同じことをしても勝てないと思って逆の作戦をとミディアムタイヤスタートにしたこと、そして僕にとって最高のタイミングでセーフティカーが入ってくれたので、『これは来たな! 今日は持ってるなと思いました』」
2位には中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOMS)、3位には初表彰台となるハリソン・ニューウェイ(B-MAX Racing with motopark)。ランキングトップのキャシディが入賞圏外となったことで、7位に入賞した山本尚貴がランキングトップに返り咲いた。5人のドライバーがチャンピオンの可能性を持って10月26〜27日に鈴鹿サーキットで行なわれる最終戦に臨むこととなる。(山根玄紀通信員)