中国電力(広島市)が上関原発(山口県上関町)建設予定地の海上で実施するボーリング調査が、大幅に遅れていることが判明した。中国電は8月中に着手する計画を県に説明していたが、29日現在、台風シーズンを理由に必要な許認可申請をしていない。政府は原発新増設について方針を示しておらず、建設に反対する市民団体は調査が不要で、中国電が予定地の公有水面埋め立て免許の許可期間を延ばす理由付けにしたと批判している。
調査は、原発の新規制基準に基づく原子炉設置審査に備え、予定地付近の断層のデータ収集が目的とされる。中国電は、7月に県から建設予定地の公有水面埋め立て免許の再延長許可を得る際、新たに6カ月のボーリング調査をしなければいけないとして、2016年の前回延長期間より半年長い3年6カ月が必要と説明していた。
毎日新聞が情報公開請求で県から入手した中国電の工程表では、7月中に海域を利用する占用許可申請などを終えて8月に着手、3カ月間の現地調査で採取した試料を12月まで分析するとしている。中国電は取材に遅れを認めて「今年は台風が多く難しい」と釈明。台風が接近すると調査用台船を避難させ、掘削をやり直す必要があるため、台風シーズン後の着手が現実的と説明した。
これに対し、環境団体「上関の自然を守る会」の高島美登里共同代表(67)は「国が原発新増設を現在想定していない。国の基準が明確になってからやればいい調査で、免許の延長期間を引き延ばすのが目的だった」と語り、ボーリング調査の必要性に疑念を投げかけている。【松本昌樹】
あわせて読みたい
-
福井県あわら市沖で洋上風力発電所の建設へ
-
2019年に地震増加中の熊本県天草・芦北地方と天草灘で相次ぐ揺れ
-
高校野球福井県大会準決勝は実施予定
-
髙山若頭出所まで“集中決戦” 山口県4トンダンプ特攻が発生
-
マザーハウス代表、山口絵理子が語る“脱・対立”への道 価値観の違いが渦巻く世界から学んだこと
-
徳島県が米軍機目撃情報をHPで募集 低空飛行訓練、中止要請へ
-
佐賀県 牛津川・松浦川で氾濫発生
-
佐賀県 長崎県 福岡県に「大雨特別警報」
-
佐賀県で記録的短時間大雨情報
-
オリックス、山口県で最大出力56.4MWの大規模太陽光発電所建設に着手
-
山口県の行方不明2歳児 前例で生まれた発見への合言葉
-
福岡県で竜巻目撃情報