【ドーハ(カタール)川村庸介】陸上の世界選手権第2日は28日、当地で行われ、男子50キロ競歩は鈴木雄介(31)=富士通=が4時間4分20秒で優勝。五輪、世界選手権を通じて日本競歩初の金メダルを獲得するとともに東京五輪代表に内定した。世界選手権の日本人金メダリストは、2011年大会男子ハンマー投げの室伏広治以来5人目。男子走り幅跳びは橋岡優輝(20)=日大=が7メートル97で8位となり、この種目で日本人初の入賞を達成した。男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大、桐生祥秀(23)=日本生命、小池祐貴(24)=住友電工=は3人とも準決勝で敗退した。
ドーハに向かうとき、そしてレース会場に移動するとき、鈴木が背負うリュックには黄色いキーホルダーのようなものがぶら下がっていた。イタリアの高級ブランドのキャラクターだという、おしゃれと験担ぎのアイテム。出発前、鈴木は込められた思いを説明してくれた。
「故障のときに母親に買ってもらった。母親の望み、自分の望みとして、故障しているけど、東京オリンピックや世界大会に向けて金メダルを取りたいということで買ってもらった」。母・恵子さん(64)との買い物で見つけたという品。2~3年間ずっと部屋で温めていたが、大一番で見事に役割を果たした。
黄色という色にも、もちろん意味がある。「金色を目指すイメージで黄色を選んだ」。親子の思いが詰まったラッキーアイテム、東京五輪でもその効果は発揮されるに違いない。(川村庸介)