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マイクロソフト「麻雀AI」の衝撃…麻雀界はここまで激変する

とつげき東北×ASAPIN×水上直紀
とつげき 東北 プロフィール

凸:もはや開国せざるを得ない(笑)。じゃあ、まずプレイヤー観点として。ASAPINさん、5000試合で特上卓安定段位8.7段、どれくらい強い?

A:端的に言って、劇的に強いとは感じます。すごく具体的な例ですが、2軒リーチを含む、追っかけリーチの判断などで感じます。自分で言うのも変ですが、ぼくを含む人間のトップクラスでも「カンチャンドラ1だ、これはいく!」という感じで“マイルール”で決めてやっているのが現状なんですよ。そこをAIはちゃんと判断しているわけですよね。

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凸:相当に学習して、ある点数分布、ある待ち、ある捨て牌……など膨大なパラメータを特徴量として、得する度合いを「評価関数」で求めて比較していると推測できるね。

A:そういったことを、人間だとまだ巧くはできないんです。あとはもう本当に、恐怖心なしの平常運転というのがとにかく強すぎます。「ラス(最下位)になるかも」と思ったら恐怖で“行けない”ところを、正しく最終的な段位の期待値に基づいて“行ける”イメージです。

凸:人間側は、プロスペクト理論(行動経済学)的な意味で、損失回避バイアスがかかるからね。本当は少し有利なはずでも、損する可能性を強く捉えてちょっと逃げてしまう。

水:その点はポーカーのAIでも同じだったんです。

凸:ああ、その通りだわ。もう世界一流のプロにも勝てるようになったポーカーAIだけど、実はトッププロが考えていた以上に「コール」がすごく多い。

 

水:人間は損失回避しすぎていたです。結果ありきで言うのはすごくずるいですが、ある意味では『理論通り』の実証となったと言えます。

A:変な話、ぼくはジェットコースターに乗るのが怖いんですよ。遊園地の。電車や飛行機に比べたら死亡事故率とか全然低いと頭では理解しているのに、怖い。

凸:(笑)。そこは俺、科学技術を超信用してるので全然平気で怖くないけど、実際に打ち方にも出る?

A:ほぼ無意識レベルのところでありそうです。無意識だから困るんですけれど、特に放銃系に関してはナイーブになっている可能性がありますね。