ローソンは深夜営業の自動化実験をスタート
混乱続く王者セブンは方向性が見えない
そんな中、今年2月に自主的な深夜閉店を始めた大阪府東大阪市のセブンオーナーの松本実敏さんは、今度は日曜日を定休日とする考えを本部に表明した。松本さんは自身のツイッターで、日曜日の休業に踏み切った場合は加盟店契約を解除すると記された、本部からのものだとする文書の画像を掲載。「従業員不足は、(松本さんの)従業員さんに対する指導・教育が時代の変化にあっていない」「(松本さんが従業員に対し)研修中の給与未払い、レジの違算の補填など明らかな労働基準法違反行為を行った」と本部側は文書で指摘してきたという。
松本さんは本編集部の取材に対し、これらは労働基準監督署と相談の上で実施したことで、改善を求められたケースはそれに応じて来たと回答した。
8月27日にはSEJ幹部が松本さんの元を訪れて協議。幹部が加盟店の待遇改善に取り組む意向を示唆したことで、次の日曜日である9月1日の休業は“保留“した。松本さんは「加盟店全体への具体的な改善策やその公表期限は示されなかった。あくまでも保留だ」と話した。一般的に人手不足の深刻化と人件費の高騰を考えれば、24時間営業だけでなく年中無休の可否も十分に今後の課題となり得る。
また業界3位のローソンも横浜市内の加盟店の店舗で、深夜の間は、入店から会計までを客が“セルフ”で行う実験を8月23日から始めた。バックルームでは従業員1人がカメラで店内を監視し接客などは行わないが、今後無人化の可否も検討する。
コンビニ加盟店をめぐる苦境や問題の構造は各社で共通しているが、ファミマ、ローソンは少なくとも、なるべく客観的に状況を把握し、解決策を探ろうとする明確な姿勢は見て取れる。だが、王者セブンから漏れ伝わるのは、方向性を失った混乱の様子ばかりだ。