失点覚悟でガンガン攻める風間前監督のノーガードに別れを告げ、肘を下げて守りを固める我慢のスタイルへ変更した。フィッカデンティ新監督率いるグランパスが手応え十分のドロー発進。連敗を3で止めた。
「選手は準備したことを理解して、やろうとしてくれた。勝ち点を挙げるのは絶対にやらなきゃいけなかった。結果としてやれた。選手を褒めたい」。就任即始動から6日目。限られた時間で相手を研究し、ポジショニングを連日チェック。ゲームでは勝ち点を取る試合運びに終始した。守備ではFW前田を下げるなどして対応。広島のストロングポイントを消してドローに持ち込んだ。就任後の全体ミーティング。「残り8試合、出せるものは出そう。結果につながるものは全部、生かそう」と語りかけた。
J2降格を招いた2016年以来となるクラブワーストタイの敵地13試合連続勝ちなし、という事実は残った。だが、手応えは上々だ。DF中谷は「守備は全体として運動量が上がって、チームとしての守りができた」と言えば、3ボランチの一角に入ったMF和泉は「監督のやろうとしている部分を全員が90分やり続けた」。J2降格を避けるためにクラブが選んだ監督交代。シュート数今季最小タイ3本でも、連敗は止まった。新指揮官と残留ロードと歩むしかない。(川本光憲)