甲子園の申し子が聖地でプロの一歩を踏み出す。1軍に昇格した中日のドラフト1位ルーキーの根尾昂内野手(19)が28日、マツダスタジアムで練習。「いつも通りしっかり準備して(甲子園に)入りたいと思います」と力を込め、29日からの阪神戦(甲子園)での1軍デビューに向けて大阪へ移動した。
甲子園は言わずと知れた思い出の地だ。大阪桐蔭高時代には4季連続で甲子園に出場。2年春、3年の春夏と3度の日本一に輝き、栄光を手にしてきた。
プロ入り後は2軍の試合で6月に甲子園のグラウンドに立った。2試合合計で8打数2安打。5三振を喫したが、この試合を区切りに「内容が変わってきた」と打撃の転機となった。
27日にプロ初の1軍昇格を果たしたものの、広島戦(マツダ)ではネクストサークルで代打の準備はしたが、出場はお預け。与田監督は残り2試合での根尾ら若手の起用について「状況の中ではスタメンの可能性が出てくることもある。すべての可能性は準備しています」と話すにとどめた。
根尾のテンションもおのずと高まる。「マツダでの応援もすごかったですが、甲子園も違った雰囲気がある。数少ないチャンスになると思うのでしっかりやりたい」。切っても切れない甲子園との縁。根尾がその時を静かに待つ。(谷大平)