短編小説   作:重複

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IF NPCが一人 デミウルゴス 6

バハルス帝国、帝都アーウィンタール。

 

その日、アルシェ・イーブ・リイル・フルトはその集団を見た瞬間、あり得ない「光景」に戦慄した。

 

その集団を「見る」。

 

自らの「生まれながらの異能(タレント)」は、今まで一度も自分を裏切ったことがない。

 

つまり、その光景は疑いようもなく「真実」なのだと自分に告げていた。

 

第四位階の魔法が使える人間は、このバハルス帝国の一部ではそれなりに存在する。

帝国魔法省において、バハルス帝国の誇る大魔法詠唱者フールーダ・パラダインの高弟には第四位階を使いこなす者が複数在籍しているからだ。

 

しかし、それは限られた存在だ。

 

間違っても、そこらの市井にいてよい存在ではない。

 

だが、アルシェの「目(タレント)」はその「集団」が第四位階を行使する存在だと教えているのだ。

 

「――うそ」

 

思わず呟いた言葉が消えるより前に、その集団が一斉にアルシェの方へ視線を向けた。

 

その異様さに、アルシェは原始的な恐怖を覚え、そのまま身をひるがえしてその場から離れた。

 

今にして思えば、随分と挙動不審な行動をとってしまったのだと考えることができる。

 

それが「今」の状況を作り出しているのなら、自業自得なのかもしれない。

 

◆◆◆

 

リ・エスティーゼ王国から移動してきた集団。

 

それはエ・ランテルで「死んだ」ことにされた冒険者たちだった。

 

バハルス帝国に到着し、そこですぐに活動するのは王国との国境近くという立地からも気が引けた彼らは、帝都アーウィンタールまでやってきた。

 

モンスターの部位証明を換金し、それを全員で頭割りする。

モンスターを倒したのは、ほとんどが取り憑いている悪魔たちなので、分配は公平に行われた。

 

その資金を元に、これからの生活を考える。

帝国で改めて冒険者として登録する者、取り憑いた悪魔の力を当てにしてワーカーを希望する者、しばらく帝国で様子を見るという者、普通の仕事を探すという者まで、それぞれの道は多岐にわたった。

 

もともと彼らはそれぞれ他人であり、この先も行動を共にする必要も義務も無い。

だが、自分たちの中にいる悪魔たちは異なる。

もしかしたら、仲間(悪魔)のためにまた集められるかもしれないのだ。

そう考えれば、一応の連絡手段を考えなければならない。

 

もっとも、悪魔たちは「伝言(メッセージ)」の魔法が使えるので、その点に関しては心配はなかった。

 

そんな風にそれぞれのこれからを話していた時。

 

『誰かがこっちを見ている』

 

悪魔たちが注意を促した。

 

ばっと、全員が教えられた視線の主を見る。

 

そこに居たのは一〇代後半と思われる少女だった。

 

整った顔立ちは「品がある」と称してよいだろう。

長い鉄の棒の杖を持ち、軽装ではあっても防御効果のある服装とローブは明らかに魔法詠唱者(マジックキャスター)だと知れた。

 

そんな少女が驚愕に顔を染め、こちらを凝視していた。

 

◆◆◆

 

エ・ランテルで冒険者たちに取り憑いた悪魔たちは、基本的に宿主の行動や方針に口出しはしない。

「ヤルダバオト」の命令は各地での情報収集であるためだ。

情報は多方面から集めた方が精度も上がるものだ。

街の噂話からでも得られる情報はある。

そのため、悪魔たちは宿主(冒険者)が何かの職種に拘るような指示は受けていないのだ。

 

そして同じように情報収集と、自分たちのサポートの命令を受けた仲間が、周囲を警戒して潜伏している。

 

それらが、エ・ランテルから来た冒険者を見て、驚く存在を発見した。

 

「何で」驚愕したのかは不明だが、同じように冒険者たちを見る者を見張っていた、デミウルゴスに監視を命じられていた隠密系の悪魔たちは、その存在(少女)を見逃しはしなかった。

 

すぐに「伝言(メッセージ)」で憑依した悪魔に告げ、憑依した悪魔たちは宿主の人間に注意を促す。

 

冒険者たちの視線に晒された少女は、すぐに逃げ出したが、何をもって冒険者たちを凝視としかいいようがないほどに見つめていたのかを確認しなければならない。

 

もし、「悪魔が取り憑いている」と看過されたのなら、その存在は脅威である。

 

当然、その方法を知ることは急務だ。

 

そして、同様に看過することができる存在がいるかもしれないことを留意しなければならない。

 

さらに、少女がなにかしらの組織に所属しているのなら、その対応も考えなければならないだろう。

 

むろん、それ以外の理由で王国からの冒険者たちを見ていたのなら、その確認も必要だ。

 

帝国に顔を知られていた者がいたのかもしれない。

全員の格好が、帝国では非常識なものだったのかもしれない。

 

とにかく、理由を知らなければならない。

 

格好から察するに、冒険者のようだった。

 

最悪、森でモンスターに襲われたように偽装して殺さなければならないかもしれない。

 

ここまでの旅の中で、その覚悟は全員ができていた。

 

◆◆◆

 

「――何なの。あの人たち」

 

「それはこちらの台詞ですよ」

 

かなり離れた場所で立ち止まって呟いた相手に問いかける。

自分たちだけなら見失っていただろう。

だが、自分たちの中にいる悪魔には、探索能力の高い者がいる。

どれほど離れても、その悪魔が痕跡を追ってくれたので追いつけず見失うという事態にはならなかった。

 

「貴女は僕たちの何を知ったんです?」

 

返答如何では生かしておく訳にはいかない。

何のために、遙々帝国までやってきたのか。

 

死にたくないし、死ぬわけにはいかないからだ。

 

だから、その障害になるのなら、相手が人間でも覚悟を決めなければならないだろう。

 

なにより――

 

自分の経験から、彼女は「貴族」だ。

 

「貴族が冒険者の真似事ですか」

 

◆◆◆

 

「静寂(サイレント)」の魔法で、声は封じられた。

無詠唱ができないアルシェは、「飛行(フライ)」の魔法を使っての逃走も不可能となった。

 

帝都アーウィンタールでも、人気の無い場所は存在する。

 

逃げる方向に失敗したのだと痛感する。

民家も人気も無い。

こんな場所では助けも呼べない。

 

人混みに紛れるべきだったかとも考えるが、自分は顔を見られている上に、誰が追っ手になるか不明だったために、人のいる場所を避けてしまった。

自分に近づく者に気を付ければ良いと、安易な考えが敗因だった。

 

今、自分の周りにいるのは、一〇人ほど。

最初に見た時には、もっと人数がいたはずだ。

残りは周りで人を近づけないようにしているのかもしれない。

格好は冒険者のようだが、プレートが見あたらないので、自分と同じ請負人(ワーカー)かもしれない。

 

だとしたら厄介だ。

 

ワーカーは臑に傷を持つ者が多い。

 

相手の不利益を知ってしまったのなら、暴力沙汰すらありえる。

第四位階の魔法が使える集団が相手では、第三位階止まりの自分などひとたまりもない。

 

冒険者なら話し合いが可能だが、ワーカー相手は殺し合いも日常茶飯事だ。

 

最悪、どんな条件でも飲み込んで命だけは見逃してもらえるように話を持っていくしかないと覚悟を決める。

 

自分はこんなところで死ねないのだから。

 

 

◆◆◆

 

「ツアレ」は憎々しげに彼女(アルシェ)を見た。

 

逃げられないと観念したのか、相手は聞いたことにきちんと答えている。

しかし、その答えはひどく「ツアレ」の癇に障るものだった。

 

これが貴族だ。

貴族位を無くしても、貴族としての考えが根底にある思い上がった存在だ。

 

帝国では、無能は貴族位を剥奪されると知り、胸のすく思いだった。

 

だが、それにも関わらず、貴族で無くなったことを認めようとせず、貴族のような生活を改めない人間がいること。

 

そんなだから貴族位を剥奪されたのだと、理解できない愚かさ。

 

そして、そんな親のために、罪を犯してもよいと考える娘。

 

こんな奴らがいるから、平民は救われないのだ。

 

貴族位を剥奪されてから二年以上経つという。

 

それでも改めない、改めさせられない。

 

それこそが無能の証明ではないのだろうか。

 

村では、一年の実りで餓死者が出るか決まる。

 

一日だって遊んでいる暇も、迷っている暇も無い。

 

それを二年以上も親の浪費に付き合うなど、愚かの極みだ。

 

家族が大事だというのなら、何故もっと別の手段をとらないのか。

 

取り返しがつかなくなってからでは遅いのだ。

 

「ツアレ」には、アルシェという少女が、家族を大事にしているというより、甘やかして堕落させたようにしか見えなかった。

 

もちろん、アルシェにはアルシェの事情があるだろう。

何も知らないで、と言うかもしれない。

 

だが、同様にアルシェだって「ツアレ(自分)」の事情など知りもしないだろう。

 

親を亡くし、姉妹二人で必死に生きてきた。

それがあっさりと、ある日突然貴族に姉を連れ去られた。

村の人は誰も助けてくれなかった。

誰もがとばっちりを恐れて、「諦めろ」の一点張りだった。

自分には魔法の才能があり、師匠に拾われたことは幸運だったが、魔法を覚えるまでだって、教わるには師匠の下働きとして身の回りの世話をしながらだ。

暢気に学校で教えを乞い、家に帰れば休めるなんて環境は無かった。

そもそも帰る家が無いのだ。

師匠の弟子とは、師匠の召使いという意味でもある。

教えに対価として労働力を払う。

その合間合間に習うのだ。

毎日毎日、頭と体を酷使して、やっと一人立ちすることが可能となるのだ。

 

それでも、自分の師匠は、そこでも良い人だった。

話に聞けば、奴隷のような扱いさえあるという。

だが、それも当然だろう。

無一文の人間を住み込みの弟子にするということは、衣食住を提供することでもある。

無駄飯食らいなど、たとえ才能があっても不要な存在だ。

住み込みの召使いでも、給金からその分は引かれるだろう。

さらに魔法の教えを乞うのだ。

師に支払う金が無いなら家畜のごとく働いて、やっと弟子になれるのが普通だ。

どんな教えでもただで受けられるなど、あり得ないことなのだから。

魔法の教師ともなれば、一般的にも高額だ。

弟子で男なら昼は外で働き、その給金を全て渡して当たり前くらいには。

弟子で女ならそこに「夜の勤め」もありうるくらいには。

 

 

「ツアレ」から見れば、アルシェは恵まれた環境に胡座をかいているように見えてしかたがない。

 

家族は健在。

家族が浪費をやめないほどの稼ぎを家に入れている。

その結果、家族は危機感を持つこともない。

元貴族の両親だけでなく、妹二人もそうだ。

村に住む子供で五歳ともなれば、家事の手伝いや畑の雑草抜きくらいは始めるものだ。

それが、家で召使いが複数人いて、日がな何もせず遊んで暮らしている。

それが贅沢でなくて何なのか。

魔法を覚えるにも、学院に通っていたということは、その費用は「貴族の歳費(税金)」からだったはずだ。

そして、すでに第三位階の魔法が使えるという。

 

「ツアレ」からすれば、未だ自分が到達しない領域に達していながら、何もしていないとしか思えない。

 

その力が自分にあったなら、姉を救えたかもしれないのだ。

 

師匠は良い人だった。

自分の才能を見つけて拾い、育ててくれた。

その「生まれながらの異能(タレント)」で才能のある「子供」を集めて教育してくれた。

子供(弟子)の人生を良いものに変えるように、選択肢を与えてくれた。

 

同じ「生まれながらの異能(タレント)」を持ちながら、アルシェはそれを自分のためだけに使っている。

 

比べてしまえば、「ツアレ」のアルシェへの評価はきついものになっていた。

 

だが「ツアレ」には、それが不当なものだとは思えないのも事実だった。

 

◆◆◆

 

アルシェは警戒に体が強張るのを感じた。

周りにいる者たちの視線は冷ややかだ。

第四位階の魔法が使えるということを知られたというだけではない雰囲気がある。

何がそんなにも彼らを警戒させているのかアルシェにはわからないが、自分が彼らの不利益にならないと納得させなければ、最悪自分に明日は無いと感じられた。

 

「――見逃してほしい。あなたたちの事は誰にも言わない。約束する」

 

「信用できませんね」

 

「――助けてくれるなら、何でもする。」

 

「何でも?」

 

自分と年が近いと思われた、自分を最初に見つけた相手が亀裂のような笑い顔を作った。

中性的であり、自分を「僕」と言っていたために男性かと思ったが、女性のような雰囲気がある。

 

「聞きましたか?彼女は『何でもする』そうですよ」

 

『じゃあ、我々にちょうだい』

 

『あぶれた仲間の体になってよ』

 

『他にもいない?』

 

自分の周囲にいた人間の体から「顔を出す」存在。

現れたその顔は、赤ん坊ほどの大きさだ。

発する甲高い声は幼い子供のよう。

しかし、その顔は凶相。

悍ましさに体が震える悪相。

 

そして、アルシェは「答え」に到達する。

 

自分の「目(タレント)」が教えた、第四位階の領域に達していた存在が「誰」なのかを。

 

―――ああ、そうか

 

理解した。

納得した。

腑に落ちた。

 

悪魔と取引をして得た「力」だと知られるわけにはいかないというのなら、この警戒は当然だ。

 

 

 

「――私は」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

バハルス帝国に送った僕からの連絡に、デミウルゴスは成果が出たことを喜びつつ、警戒を強めた。

 

やはり、自分の知らない情報は多い。

それが知れただけでも収穫だ。

位階魔法に対する警戒は順調だが、ユグドラシルに存在しなかった様々な能力がやっかいだ。

 

例えば今回の、「相手の使用可能な魔法の位階を看過する」という「生まれながらの異能(タレント)」を持つ少女。

バハルス帝国の主席魔術師であるフールーダが持つ「生まれながらの異能(タレント)」と同じものだというその能力。

 

バハルス帝国にそのフールーダと、この少女(アルシェ)で二人。

さらに、リ・エスティーゼ王国にも「ニニャの師匠」という存在がいるという。

 

もしかしたら、この「看過の魔眼」と呼ぶべき「生まれながらの異能(タレント)」はさほどに珍しいものではないのかもしれない。

 

そもそも、そんな「生まれながらの異能(タレント)」持ちであることを吹聴して得になることなど無いのだから。

 

そんな能力を持っていると知られたなら、敵対者は身を隠すだろう。

味方でも、自分の切り札を知られたくはないだろう。

 

つまり、「生まれながらの異能(タレント)」を隠す者は多い可能性があるということだ。

むろん、デミウルゴスとてその可能性を考えていなかった訳ではない。

だが、王国で有名と安易に自らの「生まれながらの異能(タレント)」を吹聴していることから、そこまで有用な「生まれながらの異能(タレント)」はないのではないかとも考えていたのだ。

 

二〇〇人に一人という多さから、珍しくはないという頻度で存在する「生まれながらの異能(タレント)」。

だが、この世界では「生まれながらの異能(タレント)」を活かせる環境にいる者が極端に少ないことも、また事実だったのだ。

 

この「看過の魔眼」という「生まれながらの異能(タレント)」をもって生まれたとしても、寒村に生まれ育ち、魔力系魔法詠唱者と接することが無ければ、自分が「看過の魔眼」という「生まれながらの異能(タレント)」を持っていることにすら気付かず一生を終える可能性とてあるだろう。

 

「いっそ、どんな「生まれながらの異能(タレント)」を持っているか分かる「生まれながらの異能(タレント)」持ちでもいればよいのですがね」

 

そんな都合の良い能力を期待するのは意味がないだろうが、ここまで多種多様な「生まれながらの異能(タレント)」があると、そんな能力があればと思わずにはいられなかった。

 

もしそんな「生まれながらの異能(タレント)」持ちが存在するなら是非とも確保したいと、デミウルゴスは考えていた。

 

そして――

 

「ああ、至高の御方々であれば、このような事態ももっと効率的かつ有効に解決なさるのでしょう」

 

自分の力量を嘆くなどあってはならない。

 

かくあれと与えられた力を十全に使って、この事態を乗り越えてこそ、僕として正しい在り方なのだ。

 

考えろ。

考えて考えて頭を休ませるな。

使えない頭脳(デミウルゴス)に存在価値は無い。

 

事態を解決できない僕(デミウルゴス)などあってはならない。

 

それは、創造された自分の否定であり、そうあれと自分を作られた至高の御方の能力を貶める行為なのだから。

 




◆モンスターの部位証明の換金

冒険者組合は国を越えて存在するそうなので、換金自体は可能だと思っています。


◆帝国で冒険者登録

二巻でアインズがモモンとして冒険者に登録した際にも、特に審査も検査も無かったようです。
さらにプレートには魔法的な要素もないとあります。
アインズが偽造の心配をするくらいですから。
そしてニニャは偽名で冒険者になっています。
WEBでは「冒険者になるのに、もとの名前を隠す者は珍しくない。犯罪歴や手配書は調べるが、なければしっかり働けば問題ない」とあります。
書籍でもWEBでも、申込書と口頭による説明のみで、誰でも冒険者になることが可能であると考えました。
有名な人は無理でしょうが。


◆ニニャの年齢

二巻で「漆黒の剣」が全員二〇歳前とあり、ニニャが最年少とあるので、最高でも十九歳よりさらに下の十八歳。
ツアレの年齢が、五巻で一〇代後半とあるので十六から十九歳。
感想返しで、ツアレが十三歳で浚われて貴族の妾を六年とあるので十九歳。
妹のニニャが、いくつ年下なのかは不明。
年子なら十二歳から下で天涯孤独になった。

目安にするなら、ネム(十歳)が一人ぼっちになったようなものでしょうか。

ついでにアルシェ。
現在一〇代後半の年齢で、ワーカーになって二年以上三年未満。
WEBで年下のジエットが十六歳なので、十七歳以上。
フリアーネがアルシェと同学年らしいので十八歳かも。
WEBでは感想返しで、ナザリックにジルクニフが来たのが転移してから三ヶ月ほどとあるので、年齢はそんなに変わっていないと思われる。
最低年齢の十七歳から多めに三年引いて、ワーカーになったのが十四歳くらい?
ぎりぎり成人年齢かも。


◆住み込み

WEBでですが、帝国貴族の住み込みのメイドの待遇がありました。
食事は残り物。風呂は残り湯。石造りで日差しも入らない寒く空気の悪い部屋に、複数人押し込まれて生活する。
労働の対価に給料をもらうメイドがその待遇なので、魔法を教えてもらう弟子が、何の対価も要求されないほど待遇がよいとは思えません。
「亡国の吸血姫」でも、お勧めの高級宿で「白く清潔なシーツだけでも合格ライン」とあります。
「亡国」は二〇〇年前ですが、魔神によって多くの国が滅ぼされ、その爪痕が残っているとある書籍の年代よりランクが下がっているとも思えないので、二〇〇年前より生活水準は悪いのではないかと考えています。
なので、住み込みの弟子(拾った無一文の子供)に、魔法を習うだけで衣食住を師匠が自己負担は、よほど蓄えがあり生活に余裕がある師匠でないかぎり、ありえないと思いました。


◆ニニャの師匠

ニニャの師匠がどんな人なのか気になります。
男か女かもわからない。
フールーダのタレントは有名でも、ニニャの師匠やアルシェのタレントはあまり知られていないようです。
相手の魔法の位階が見えますよと教えても益が無いわけですが。
ワーカーなら、敵も多そうですし。


◆「ツアレ(ニニャ)」のアルシェに対する態度

「ツアレ(ニニャ)」は貴族が嫌いです。
帝国で没落した貴族は無能だと聞いているので、没落貴族にはさらに嫌悪感があります。
貴族でなかったら、もう少し穏当な対応をしたかもしれませんが、自分の不利益になるなら今の「ツアレ(ニニャ)」は容赦しません。


◆「生まれながらの異能(タレント)」の種類

一〇巻で、第三位階に「生まれながらの異能(タレント)」を持っているかを調べられる魔法が、それより上の位階にどんな「生まれながらの異能(タレント)」かを調べられる魔法があると蒼の薔薇がラナーと話していました。
おそらく、この世界のオリジナル魔法だと思われます。
デミウルゴスはまだ知りません。


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デミウルゴスの一人反省会が難しい。

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