【首都スポ】[大学サッカー]志願のボランチ 筑波大・高嶺が誓う打倒明大2019年9月27日 紙面から
第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は第13節まで消化した。優勝候補の一角と目されていた昨季2位の筑波大は6勝3分け4敗の勝ち点21で5位と実力通りの結果を残すことができていない。首位独走中の明大とは勝ち点15差。逆転Vはほとんど不可能に近いが、関東から6校が出場する全日本大学選手権(インカレ)に向け、巻き返しを図る。目指すは打倒明大と大学日本一。来季からのJ1神戸加入が内定しているDF山川哲史(4年・神戸U-18)と同じくJ1札幌内定のレフティーMF高嶺朋樹(4年・札幌U-18)が真価を見せつけていく。 (関孝伸) 大学2年生になるにあたり、ボランチで勝負したいと監督に直訴した。サイドハーフもこなせるMF高嶺。しかし、プロの道に進むためにはボランチに活路を見いだすのが得策と判断した。 「自分はスピードが特別あるわけじゃないですし、1対1で仕掛けることが多いサイドハーフをやるのはプロでは無理だなと思いました。1対1の局面よりも、集団の中で相手にボールを取られずに前を向くプレーが得意なので、ボランチが一番いいと考えました。守備にも自信があります」 ルーキーイヤーは筋力アップにひたすら取り組み、「下積み」のような日々を送った。そのかいもあり、2年時のスタートからボランチのポジションをつかんだ。 「試合に出る中で成長している実感がありました。自信がつきました」 ところが、リーグ前半戦で左膝を故障してしまった。手術に踏み切ったのだが、復帰を急いだ結果、負傷箇所の周囲が炎症を起こし、シーズンの約半分を棒に振った。 「かなり焦りました」と苦悩する日々を経て、昨季を迎えた。3年生として期するところがあったが、シーズン途中で左前腕橈骨(とうこつ)を骨折。2年連続の悪夢で「ここまでけがするものなのか」と不運を嘆いたものの、最小限の欠場にとどまり、リーグ後半戦で存在感を見せつけた。 「(復帰後のリーグ後半戦では)活躍することができました。サイドの選手を生かすサイドチェンジやパス回しがうまくできたと思います」 今年3月にJ1札幌入りを内定させて迎えた今季はチームが安定感を欠いている。リーグ開幕戦から7試合負けなしで好調かと思えば、その後のリーグ戦や総理大臣杯全日本大学トーナメントなどで公式戦6連敗を喫するなど、好不調の波が激しい。 「(不振の)原因は自分にあります。(6連敗時は)自分のプレーをうまくやろうとしすぎた感があって、それで自分の調子を崩していました。自分の調子がいいときはチームの調子もいいですし、(チームの結果は)自分次第だと思います」 だからこそ、ここで背番号10が踏ん張らなければならない。トップを突っ走る明大に今リーグ戦で唯一の土をつけた筑波大をはい上がらせる責務がある。「筑波には勝てなかったと明治に思わせたいです」と闘志をたぎらせる司令塔が本領を発揮し、首位チームの勢いを止める。リーグ後半戦とインカレでも明大を倒してみせる。 ◆高嶺アラカルト◆非アウトドア派 誘われれば出かけるが、オフの日は主に室内で過ごす。部屋でYouTubeを見たり、筋トレをしたり、最近だと卒業論文の準備に励んだりしている。 ◆北海道 地元・北海道が誇れる自慢の一つとして、クリスマスに雪が必ずあることを挙げた。ムード満点の状況だが、自身がこれを満喫できた素晴らしい思い出はまだないという。 <高嶺朋樹(たかみね・ともき)> 1997(平成9)年12月29日生まれ、札幌市手稲区出身の21歳。178センチ、74キロ。網走市立南小1年のときに網走市サッカースポーツ少年団でプレーを始めた。真駒内南サッカースポーツ少年団を経て、小4~高3まで札幌の下部組織に在籍。高2時の日本クラブユース選手権(U-18)で4強に入り、同年度にU-18Jリーグ選抜入りした。筑波大では一昨季からレギュラーになったが、一昨季も昨季もけがで欠場する時期があった。今年7月に行われたユニバーシアード・ナポリ(イタリア)大会の金メダルメンバー。来季正式加入が内定済みの札幌でのデビューをすでに遂げている。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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