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【女の議会みち】

(4)縄張り意識に風穴 緩やかな連帯、対話生まれる

「議場でショール?当然でしょう」と笑顔を見せる女性議員たち=東京都小平市議会で

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 「四度(たび)うかがいます」

 昨年九月の千葉県浦安市議会定例会で一般質問に立った一期目の岡野純子(36)は、こう切り出した。

 市に求めるのは、病気になった保育園児を預かってくれる病児保育の実施だ。当選以来、毎年欠かさず取り上げてきたが、松崎秀樹市長からは、「子どもが病気のときぐらい親がそばで見てやるべきだ」とダメ出しの繰り返し。

 急病の子どものため、仕事を休まされるのは、ほぼ母親だ。育休から職場復帰した友人は、「子どもの熱が出たときに休む人間に、プロジェクトは回せない」と、責任の軽い仕事に変えられたと泣いていた。岡野のブログには、同じ悩みを抱える見知らぬ市民からも切実な声が届いていた。

 休会中も母親らが直接市へ訴える場をつくるなど、八方手を尽くし臨んだ議会。「実施を前提に検討」。四年目にして、ようやく市長の答弁を得た。友達や母親らの顔が思い浮かんで、泣きながら続く質問を読み上げた。「議会では泣かないと決めていたのに、破ってしまった」と岡野。「病児保育は、日本人の働き方の問題の象徴。社会を変える一歩になる」

 女性議員が男性中心の議会や政策に新風を吹き込んでいる。

 「女性が多いと議論がしやすい。おじいさん連中にありがちな『縄張り争い』がなく、話が早い」と、女性議員が六割超を占める神奈川県大磯町議会の三期、渡辺順子(68)は言う。

 委員会審議は、議員の質問に町側が答弁するばかりで、「私はこう思うけど、あなたは?」という議員間の会話が成立しなかった。

 二年前、常任委員会の委員長に就任したとき、「一つのテーマを持って、みんなで勉強しましょう」と呼び掛け、議員同士の意見交換を取り入れた。かっ達なやりとりが生まれ、昨年十二月、再生エネルギー推進条例案の全会一致の可決につながったという。

 議員が意見を出し合い議論や理解を深める「議員間討議」は、議会改革の手法として注目されている。規定を盛り込んだ条例を昨年十二月に可決した東京都国立市議会の一期、前田節子(53)は「調和を求める女性的なやり方が生かされるのでは」と期待する。

 地方女性議員の割合が8・3%と関東一都六県で最低の群馬県では、市町村を主に国、県も加えて「ぐんま女性議員政策会議」をつくり、毎年知事に政策提言している。

 「『女のくせに』と言われて悔しい思いをしている議員は多く、情報交換や勉強を続けて資質を高めようと十五年前に発足した。市町村の実情を反映した提言をしているし、何よりめげた時に互いに会うと気持ちが違う」と会長の桐生市議四期、小滝芳江(65)。

 緩やかな連帯も生まれる。

 エアコンのきいた議場で、議員一年目の東京都小平市議一期、村松まさみ(33)はショールを首に巻いていた。スーツにネクタイ姿の男性には適温かもしれないが、寒かった。市職員に「議場にふさわしくない」とショールを外すよう議場外で言われた。市議会の規則には「見苦しくない服装を」とあるだけなのに。他会派の女性議員に相談したら、「大丈夫よ。私もつけている」と、あえて議場でショールを広げて使ってくれた。そのうちに、何も言われなくなった。

 では、出産、育児と議会活動の兼ね合いは、どうか-。(敬称略)

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