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【大リーグ】

観客動員増やすには時短より実力差解消

2019年9月25日 紙面から

◇AKI猪瀬コラム「MLBへの扉」

 レギュラーシーズンも残りわずかとなり、続々と地区優勝やポストシーズン進出チームが決まっています。

 2017年にドジャースが104勝、インディンスが102勝、アストロズが101勝を記録。18年もレッドソックス、ア軍、ヤンキースが100勝超と2年連続で3チームが大台を超えましたが、今季もド軍、ヤ軍、ア軍が既に100勝を超えたので、3季連続で3チームが3桁勝利を記録。これは史上初の出来事(そもそも過去に「100勝超×3チーム」は1942、77、98、2002、03年の5季だけ)です。

 さらに今季はなお3桁勝利の可能性がある球団がブレーブス、ツインズ、アスレチックスとあるので、史上初の「100勝超×4チーム」となるかもしれません。

 それだけ勝つチームがあるということは、同様に負けているチームもあるということです。今季は、ブルワーズが106敗、ロイヤルズが100敗、タイガースが106敗、レイズが106敗を記録した02年以来となる「100敗超×4チーム」となっています。オリオールズ、タ軍、マーリンズ、ロ軍です。

 これだけ上下位の実力差があると、必然的に消化試合も増え、観客動員数も激減します。04年以降ずっと、シーズン全体の観客動員数は7300万人以上でしたが、昨季は03年以来となる観客動員数7000万人割れ。今季はさらなる減少が確実な状況です。

 実際「100勝超×3チーム」&「100敗超×4チーム」だった02年の平均観客動員数は2万8006人で、翌03年は2万7831人と減少しています(ちなみに03年の平均観客動員数は1997年以降ワースト)。

 観客減少の防止策としてMLB機構はルール変更で試合時間短縮などに努めていますが、皮肉なことに平均試合時間の記録が残る36年以降で今季のそれは156試合消化時点で史上最長の3時間9分となっています。試合時間短縮はもちろん必要ですが、ファンが最も望んでいるのは実力拮抗(きっこう)の白熱したレギュラーシーズンです。このままではMLBは衰退の一途です。 (大リーグ・アナリスト)

 

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