【番記者メモ】中日・根尾の「喜」の表情を久しぶりに見た　昨年末に語ってくれたあの時と同じ…

　久しぶりにその表情を見た。26日のウエスタン・リーグ広島戦（由宇）の試合後、小笠原2軍監督の話を聞く根尾の顔からは“喜”の感情があふれ出していた。普段見せる笑顔とは少し違う。これから飛び込む未知の世界、手ごわい相手に立ち向かうことを心待ちにしている―。そんな表情を見て昨年12月のことを思い出した。

　新年企画で広島に入団した小園との対談を終え、しばしの雑談。その際、直前の新入団発表の話になった。すると「実はあの時、グローブ持っていったんですよね」。前日の施設見学からびっしり詰まった予定。当然そんな時間がないと分かっていながら道具を持ってきた野球小僧。プロの世界に飛び込むのが待ち遠しい。武者震いにも似た高揚感を語ってくれた顔がこの日浮かんだ。

　年明けからはけがやプロの壁にぶつかり険しい顔を見ることの方が多かった。悔しさに耐えようやく巡ってきた機会。自分の可能性を示した時、どんな表情を見せてくれるのか、楽しみでならない。（長森謙介）