POCKET BISCUITS「Yellow Yellow Happy」
こんなレビューを書いている時点で、かなり世代が特定されますが(汗)、
ふと、最近、再会した。
【POCKET BISCUITS「Yellow Yellow Happy」】
「もしも 生まれ変わっても また私に生まれたい
この体と この色で 生き抜いてきたんだから」
いきなり、打ち抜かれてしまいました。
なんて力強いんだろう。
千秋のあの歌声で聴かされるから、
また、そう思う。
普段は、いつまでも年甲斐もなくお馬鹿で、ぶりっ子で、泣き虫で、お子ちゃまみたいな千秋が、
音程すら安定しないのに、小さな体全身から、声を張り上げている。
あたしも、千秋みたいに、胸を張って、
そう歌えるだろうか。
そう、歌いたい。
不覚にも、涙してしまった。
これを聞いていた時は小学生で、
やけにノリのいい、芸人のやってる曲、くらいにしか思っていなかったのに。
パッパラー河合さん作曲&プロデュースというのも非常にきいていると思います。
あの、魂の赤裸々な叫び、爆風スランプですから。
やっぱり短調って、日本人の心に響きやすいものがあるのかなぁ。文化的に。
あと、逆再生を使った編曲、個人的に好きなのでよかったです。
パッパラーさん、ご本人でセルフカバーもしてるみたいだね。すごくしっくりくると思う。
爆風スランプ、もっとちゃんと聴こうと思った。
「甘く狂わせるクスリなんていらないの
みんな不幸なフリをしているだけなの」
これもずっしりきますね。
本当にそう思う。
不幸な可愛そうな自分への陶酔。
思い当たる節がたくさんあって、胸が痛い。
「不幸」な自分に同情してもらうのは幸せなんかじゃなくて、
本当のハッピーを探しに行かなければいけないんだ。
「みんな欲しがるお金で 小さい子犬を買った
みんな欲しがる幸せ 強く強く 抱きしめた」
幸せの青い鳥、ではなく、幸せの黄色い子犬。
ちょうどポケビと再会したころ、
うちにアンリくんが来たんだよね。
思わず、また涙しながら抱きしめてしまった。
幸せの青い鳥を、チルチルとミチルは、すぐそばに飼っていた。
千秋は、幸せの黄色い子犬を、みんなが欲しがるお金で買った。
ここは重い。
お金で命を買ったんだけれど、
一つの命に責任を持って、自分で強く抱きしめていくこと、愛していくこそが幸せなんだっていう。
みんな、「お金がない、自分は不幸だ」っていってるけど、本当は持ってんでしょ?
責任逃れをしているだけなんでしょう?
お金を持っているだけでは、何の責任も生まれないからね。
「青い鳥」と、「黄色い幸せ」の時代背景の違いが表れているのかもしれません。
とにかく、お金で命を買うっていってしまうのがすごい。
(余談だけど、一応この曲は「幸せの黄色いハンカチ」のオマージュでもあるのかな?タイトルだけだけど。
あれも、愛にあふれた話だよね。)
「すべては 私が私で いるために
すべては すべては “happy”のために」
うまい。
メロディのクライマックスとあいまって、再び涙。
この2行があるために、この曲は、
「一人の少女が自分自身であるために、自分が幸せになるために、
愛する人に好きだと伝え続ける」っていう、小さな可愛いラブストーリーの枠を超える。
この2行だけで、この曲が、
宇宙全部のhappyのために歌い続け、生き続けるという意味を持つようになっていると思う。
…千秋、半端ないなぁ。
この曲と再会してからというもの、
千秋ちゃんの大ファンです。
先日、40歳を迎えられたそうですが、とてもそうは見えない。
たぶん、年齢なんて関係ないんだろうね。
すごく楽しそうなバースデーパーティの様子を、ブログで垣間見ることができました。
いくつになっても、千秋は千秋。
きっと、千秋ちゃんの中でも、
この歌は一つの自己表明なんじゃないかなって思います。