民訴教材:N国の訴え提起が不法行為とされた事例
NHKから国民を守る党の立川市議会議員がインターネットの記事で名誉を傷つけられたとフリージャーナリストを訴えた裁判で、千葉地方裁判所松戸支部は、逆に訴えを起こしたことが不法行為だとして、市議会議員に78万円余りの賠償を命じました。
訴え提起は裁判を受ける権利の当然の行使であって、敗訴したからと言って不法行為性があるとは言えないのだが、しかし負けるとわかっていて、相手を困らせてやろうと思って訴えるのはイケないことなのだ。
最判昭和63年1月26日民集42巻1号1頁
提訴者の主張する権利・法律関係が事実的、法律的根拠を欠くことを知りまたは容易に知り得たのにあえて提訴した場合で、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くときは、訴え提起が不法行為となる。
上記のNHKの記事によれば、
「立花代表が勝訴をねらった裁判ではなく、経済的ダメージを与える裁判だという動画を公開している。訴えを起こしたことは裁判制度の趣旨や目的から著しく外れ、不法行為に当たる」
ということなので、飛んで火に入る夏の虫というのか、無駄な自爆行為とでもいうのか。
| 固定リンク
「裁判例」カテゴリの記事
- 民訴教材:N国の訴え提起が不法行為とされた事例(2019.09.25)
- jugement:同性カップルの事実婚(2019.09.19)
- arret:子の引渡しの審判に基づく間接強制が過酷執行として許されないとされた事例(2019.05.09)
- arret:性別変更に手術を必要とする規定の合憲性(追記あり)(2019.01.29)
- arret:刑事訴訟関係文書の提出判断者(2019.01.26)
コメント