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【ドラニュース】

減らすには攻めの投球 奪うには恐怖心与える…“四球の表裏”から見る今季の中日と来季の理想

2019年9月26日 紙面から

中日-ヤクルト 本拠地最終戦セレモニーであいさつする与田監督=ナゴヤドームで(中嶋大撮影)

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◇龍の背に乗って

 本拠地最終戦での圧倒的勝利。ここには今季の反省点と、来季の理想が詰まっていた。同じ5位だが、借金15で終わった昨季と3試合を残して借金4の今季は大きく違う。劇的に良化したのは投手成績だ。リーグワーストだった総失点が、実に120点減。81もの四球削減が防御率に直結した。

 「出すな」では減らない。「四球を出したことがない人はいないよ」。阿波野投手コーチは、こう伝えた。与田監督とともに貫かせたのは「攻めろ」。攻めの投球ができずに打ち込まれた投手には再調整を命じた。

 先発陣は11勝の柳を筆頭に、4勝の梅津、3勝の山本に、小笠原、笠原と20代がズラリ。課題はむしろリーグトップのチーム打率を誇る攻撃陣にある。昨季も同じように高打率を誇っていたこともあるが、総得点が42も減っている。以前にも書いたが、チームのOPS(長打率+出塁率)は得点に比例する。本塁打が少ないのは織り込み済みだが、前年比で下がっているのは四球が大きく減っているからだ。

 三振も四球もリーグ最少。これは「積極的に振っていこう」というチーム方針の表れでもある。初球から強く振る。これは打者の鉄則であり、長打が増えないと長打率も上がらない。第1段階はクリアした。次は四球を増やし、総得点を増やす。

 「ボール球を振るなといえば『待ち』になる。だから、もっと振る力をつけることですね。この打者からは簡単にストライクを取れないと思わせないと。相手への恐怖心ですね。こちらには勇気。そのためには自信。自信には裏付けとなる練習が必要です」。村上打撃コーチはこう言った。四球を減らすには攻めの投球。四球を奪うには恐怖心。これは表裏である。「秋は地獄になると思ってもらってかまわない」と伊東ヘッドコーチは宣言した。昨秋は投手だけだった沖縄に、今秋は野手も呼ぶ。得失点差がプラスなのは巨人と中日だけ。収穫は手につかめた。課題も見えている。今までとは違う。昇竜復活の日は近づいている。

(渋谷真)

 

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