S級ヒーロー(ワンパンマン)

登録日:2014/02/04 (火) 02:07:47
更新日:2019/09/05 Thu 01:07:59
所要時間:約 18 分で読めます




『成り上がってやる』という野心を抱いてプロヒーローの門を叩く猛者は多い

しかし目指す先は"A級のトップランカー"であり、"S級"ではない

それはいかなる猛者達の間にも、世間一般の共通認識が通用している証拠である


「S級は狂っている」




漫画『ワンパンマン』に登場する最上級のヒーロー達。




【概要】

元々ヒーロー協会にはA・B・Cの三つのランクしかなかったが、その中で突出した実力を持つが自分のランキングに興味を持たない
「変わり者」達の存在に気づいたヒーロー協会によって新たに新設された。

S級への最低条件は災害レベル:鬼を単独で撃破できるだけの戦闘力を持つこと。
A級とは比べ物にならず、一人で軍の一個大隊に匹敵する実力を持つとされる*1
作中ではヒーロー協会が事前にマークしており、その実力を認められたジェノスが(この場合は下位に)認定されている。
変わり者ばかりを揃えたため問題児の巣窟と化している。

A級以下の多くのヒーロー達からは圧倒的な戦闘力ゆえ、雲の上の存在とされ、「S級(の強さ)は狂っている」と称されている。



実はこの作品に置いて怪人とS級ヒーローの力の根源は同じものであり、悪に堕ちたものが怪人、人の心を持った者がS級ヒーローになる。


【メンバー】

『S級17位』ぷりぷりプリズナー


あなたに会いに脱獄成功!


ガチガチの同性愛者。囚人の為、基本的に囚人服を着ている。
女性趣味だが一人称は「俺」の男性口調なのでオカマなのかは意見が分かれるところ。
ONE氏によると「女嫌いというわけではなく、恋愛対象として興味がないだけ」であり、女子とのコミュニケーション自体は問題なくこなせる。
寧ろ他人とのコミュニケーション能力や協調性はS級でも指折りで、我が強いS級の仲介役などもやってのける。ただし一般男性や怪人との会話の方が成立しない。*2
「S級最弱」を自負してはいるものの、だからといって尻込みすることはなく、自虐とも言える方法でクロビカリを激励して再起させるなど色々な意味で漢らしい。

ヒーローとなったきっかけは一年前。
A級賞金首を捕まえたぷりぷりプリズナーはその賞金首が好みのタイプだったため共に監獄に入った。
そしてその一件で彼は「一般男子を襲うのは許されない事だが、犯罪者男子だったら成敗も兼ねて一石二鳥!」という答えを出してしまい、
ニュースで好みのタイプの犯罪者を見つけては脱獄し、とっ捕まえて戻ってくるという新手の人さらいのような恐るべき存在と化した。
上述の通り脱獄を繰り返すため一向に刑期が終わらなくなっている。
そして監獄にボスとして君臨し、「受刑者みんな仲良くしなさい」というルールを作り、そのルールを破るとディープキスをされる。
ちゃんと監獄内に彼氏も居て、手編みのセーターとかくれるらしい。

戦闘ではその体格を生かした肉弾戦を得意とする。
そのパワーは瓦礫の中をまるで泥を掻き分けるようにぶち抜いて泳ぎ回るほどで、本気を出すと「エンジェル☆スタイル」に変身する。
…といっても筋肉を膨張させているだけで、別に魔法少女的な何かに変身するわけではない。そしてその度服が破れて全裸になる。
当然ながら防御力もさほどではなく傷を負うことも少なくないのだが、村田版では成長キャラとしてのポジションを獲得したため防御力も含めどんどん戦闘力が増している。
だが同時に周囲からはドン引きされるようになった。

戦闘能力は自称『平均的成人男性』。これは他のS級と比較しての事だが、虎~鬼レベルの怪人集団を一人で倒し、竜レベルの攻撃にも耐えている。
初登場時に災害レベル鬼とされた「深海王」*3に負けてはいるものの、パワー比べという相性の悪い相手に善戦して見せている。
深海王にはジェノスも油断や子供をかばったことで返り討ちに遭っており、その再生力からゾンビマンでの打倒は難しいとドラマCDで明かされているほどの強敵だった。
むしろ、深海王との戦いで負けた後*4も心を折らず、それを教訓として研鑽を続けているプリズナーの成長性はかなりのものとなっている。




『S級16位』金属バット


鬼でも竜でも俺はいけるぜぇ


本名「バッド」
リーゼントにバットを持ったヤンキー風の青年。ジェノス(19歳)、童帝(10歳)と同じこの漫画では数少ない未成年者の主要人物。ゼンコという妹がいる。
性格は喧嘩っ早く短気だが非常に妹思いで、出頭命令でピアノの演奏会を抜け出した時は隠すこと無く協会の上役に敵意をぶつけていた。
妹が演奏会で3位を取ったと電話で聞いた時は感涙したが見に行けなかったことを責められて、喧嘩を始める一歩手前の険悪な雰囲気になっていたアマイマスクでさえ戦意を削がれるほど平謝り。
どうやら妹には全く頭が上がらないらしい。
村田版によると「妹の前では暴力を見せない」という約束を交わしており、例え要注意怪人を前に絶好の攻撃機会だとしてもバットを止めざるを得ない。
それを苦戦の言い訳にしない辺り、いかに約束を大事にしているかが窺える。
重役護衛の任に就いた時は心底うんざりしながらも要請自体は受けていたり、愛猫の出産を控えながらも怪獣出現の報を受けて出動したりとなんだかんだで協会へは協力的なほう。
そのぶんヒーロー協会幹部の傲慢さにいら立つこともある。

戦闘もそのバットを振り回して戦うヤンキースタイルだが、災害レベル:鬼の怪人を単独で撃破する実力者。
ガロウの分析からすると武術の類を心得ていない素人だが、ダメージを負えば負うほど跳ね上がる攻撃力と速度は目を見張るものがある。
衰弱に比例して強くなる非科学的な仕組みの根拠を問われるも、本人曰く「原理もクソもねえ、気合いだ気合い」
例え血まみれ・骨折多数の重体でも一切気力が落ちない士気の高さとタフネスは見事の一言。
だが流石に限度はあり、なおも戦いに行こうとした際に止めようとした妹からの「ポコッ」の一撃で糸が切れたようにダウンした。
総じて、追い詰められれば追い詰められるほど更なる力を発揮するヒーローと言えるだろう。
真っ先に敵の弱点を発見して突破口を見つけるなど戦闘面における頭もいい。ただし学はない。

ちなみにヒーロー名と本名が似ているためややこしいが、ヒーロー名の方が金属バッ(bat)で本名がバッ(bad)。
妹の名前がゼンコ(=善子?)なので、おそらく「不良→悪い→bad」というネーミングなのだろう。

OVAの温泉旅行編では未成年だから酒は飲んでいない。




『S級15位』タンクトップマスター


よう 舎弟が世話になったな


多数のタンクトッパー達の頂点に君臨する筋骨隆々の大男。タンクトップの似合う男を目指して日々トレーニングに励んでいる。
巨岩をゴム毬のように投げ飛ばすほどで、ジェノスに匹敵する怪力の持ち主。本人曰く「ほとんどの怪人を一撃で倒してきた」とのこと。
後述のクロちゃんやプリズナーのような異常性(?)のない純粋なパワータイプとしてS級入りしている稀有な存在でもある。

ヒーロー狩りを行うガロウと初めて対峙した初のS級だが、本気を出したガロウの前に敗北。病院送りとなってしまった。
村田版ではその後共に入院した無免ライダーの見舞いに来たサイタマに対し、
「相手は力任せに戦う今までの怪人とは異なり武術に関する造詣がある難敵だ」と看破、ガロウが内包する「違和感」や「悪」を一早く見抜くなど、洞察力にも優れる。
人類では最高峰に達した今も向上心は旺盛で、タツマキ(超能力)やメタルナイト(機械力)に「負けた」と痛感させられた時は【打倒】を掲げ、
タンクトップの力を引き出すべくトレーニングに一層励んでいた。

タンクトッパーの元締めだが、本人はタンクトッパーおよびS級ヒーローでも下記のキングに並ぶほど屈指の常識人であり、
時には舎弟を傷つけた悪党へのかたき討ちをするなど舎弟からの信頼も厚い。
しかし、舎弟にまでヒーロー精神が浸透しきっているわけではなく、タンクトップタイガーやブラックホールのような新人潰しを行う者、
A級上位ながらもガロウに酷評されたベジタリアン*5、その他色物すぎるタンクトップ○○が多い。
一応マスターを尊敬する紅一点のタンクトップガールが舎弟にいるが、他が色物すぎるため出席率は低い。
だが、他の色物達と比べるとタンクトッパーの中ではマスターに次ぐ常識人である。




『S級14位』鬼サイボーグ


「排除する」

CV.石川界人

本名「ジェノス」
サイタマの弟子。本作の事実上のもう一人の主人公。
ある暴走サイボーグに故郷を壊滅させられ自身も重症を負ったところを、改造手術を受けて一命を取り留めたサイボーグ。
脳以外はほぼ全て機械部品のようだが、恩師クセーノ博士により食事でエネルギーをまかなえるシステムが搭載されている。
体力試験と学力試験の双方で満点を獲得し、S級デビューを果たした期待の新人。
冷静で真面目、基本的には怪人退治に積極的だが、共闘を提案してもだいたい聞いてもらえないので
童帝ほど精力的に協調しようとは思っておらず、サイタマの意向を第一に行動している。
必殺技は掌から照射する火炎熱線「焼却砲」で、8階建てのビルをも瞬時に消滅させる威力。なおかつ射程距離も長い。
実力的にはS級中級くらい、災害レベル鬼と渡り合い撃破する程度だが、度々機械系怪人のパーツを調達してパワーアップしている。
ただ、サイボーグである事から自分の命に対する執着が薄く、結果として怪人に後れを取ってしまう悪癖がある。
原作者ONE氏の発言によれば、「S級の中でも結構強いほう」とのこと。
村田版では光速のレーザーを発射後に避けるという離れ業を披露した。




『S級13位』閃光のフラッシュ


「スピード自慢などいかにも脇役がやりそうな事はした覚えがない」


頭痛が痛いみたいな名前の人物その2。

怪人協会本部に突入した際に、怪人と間違えてサイタマに攻撃。その出来ごと以降、自分の速度がサイタマに上回られたことに内心動揺しつつ、サイタマに興味を持つようになる。
動体視力と反射神経と握力限定とはいえサイタマの能力を高く評価しているが、非常に負けず嫌いな性格でサイタマの素早さを見て尚負けを認めなかった。
また、サイタマにはS級の先輩として真面目なアドバイスを送ったり、A級ヒーローのくの一のシャドーリングの技をほめるあたり面倒見はいいのかも。
人材の育成には割と精力的なようで、ガロウ戦後もサイタマの成長を真摯に考えている節がある。
しかしサイタマには名前も憶えられておらず、勝手に「怪人前髪ジャーマ」と名付けられてしまった。
村田版ではソニックの同郷者から敵視されている。ネーミング的にも彼も同じ「里」の出身者ではないかと思われていたが、原作でも同郷の同期と発覚した。

ちなみにスピード自慢は雑魚のする事だと思っている。音速のソニック(笑)に聞かせてやりたいものである。
最も自慢しないだけで自身はかなりあり、サイタマにスピードを見切られた時は関節のパニック音速のソニックと同じく「許されない」と考えた。
流石にあちらとは違い(殺してしまうかもしれない)と危惧していたが結局手は出した。
愛刀「瞬殺丸」を使った超高速の斬撃を得意とするが、サイタマにツッコミを入れられた時に折れてしまった。
とはいえ素手での格闘も得意であることに変わりはない。スピードに置いては右に出る者はいないと言っていいだろう。
その速度は、速さを誇る災害レベル竜の怪人2体を相手取って勝利するほど。クロビカリ・アトミック侍・バングらと並ぶトップヒーローの一人といえる。
実力に対して順位が低めなのは、怪人退治の合間に自分を殺そうとする忍者の里出身の悪人たちをせん滅しながら、それを一切協会に報告していないことが一因の様子。




『S級12位』番犬マン


(今誰か屁こいたな…)


行動範囲をQ市に絞り、他の地域ではほとんど活動しない代わりに災害が多発するQ市を完全に防衛する実力者。
寡黙だが無口気味なだけで普通に喋る時は喋る。基本的にあまり他人と絡まないので協調性は不明。
その名の通り犬の着ぐるみをかぶっており*7、その嗅覚もS級ヒーローの集会で誰かがかました屁の匂いを感知するほどである。
民衆曰く「怪人と嗅ぎ当てる能力を持つ」とか。ちなみにサインには応じないらしい。
コミカルな外見だがS級設立のきっかけになるほどの、無双の強さを持っている。
その戦闘スタイルは、一言で言えば無手で“野生”。
自前の計り知れないパワーとスピードで敵を切り裂き、殴打し、蹂躙し、京観を築きその上に座る。
……ファイトスタイルだけで言えばS級の中でもかなりエゲつなく、しかもそれらを表情1つ変えずに行うのだから割と怖い。
ガロウをして「バケモノ」「どっちが怪人だかわかったもんじゃねえ」との評。

ガロウの流水岩砕拳をしてお手で遊び、ガロウがQ市を抜けるまで敗走させた等、凄まじい実力を持っている。



『S級11位』超合金クロビカリ


「打撃で俺にキズを付けるなんて無茶だ」


常にパンツ一丁で黒光りする肉体を披露するスキンヘッドの巨漢。
己の肉体に絶対的な自身を持ち、それゆえか自分をキングやタツマキと同列に扱うなどナルシストな性格。
元々は虚弱体質だったが、昆虫の強さに憧れ15歳の頃から体を鍛え始め、鍛え抜いた末にあらゆる打撃を跳ね返す無双の筋肉を手に入れた。
また、現実よりも遙かに強い人間がいる『ONE PUNCH MAN』の世界においてあらゆる競技で無双したともされるため、パワーと防御力以外も凄まじいと思われる。
村田版ではB級のミズキを気に掛けており、ミズキもクロビカリを尊敬している。*8
一方で普段は自信家であるものの、精神の支柱はその自分の鍛え上げた絶対的な肉体に依拠する所が大きく、その自負が崩れると一気に心まで折れてしまうなど精神面はかなりムラが激しい。

バングと並び、肉弾戦ならS級の最強格。
そのパワーはぷりぷりプリズナーが「私とは比べ物にならない」と称するほど。パンチの威力もタンクトップマスターより明らかに強い。
バングとの手合わせや、完全に意気消沈した状態でプリズナーからの攻撃を受けてもビクともしないS級屈指の防御力を誇り、ガロウとの戦闘まで敗北を経験したことはなかった様子。*9
また、体当たりはガロウに即死の恐怖を与え、流水岩砕拳を貫通して即死級のダメージを与える




『S級10位』豚神(ぶたがみ)


「もう大丈夫 消化した」


マツコ・デラックスを超える肥満体。意外にも一人称は「僕」。
いつも何かしらを食い散らしており、おおよそ知性らしき物を感じられなかったが、
絶対安静の重体を押して崩壊した怪人協会跡地で倒し損ねかもしれないと危惧していたエビル天然水を単身で探し、内部から貫かれながらも捕食し消化して処理。
まだ残党が残っているかもしれないから調査した方がいいと警告するなど、謎は多いものの現状良心的な性格をしているらしいことは確か。

戦闘では怪人を丸呑みするという異様な方法を取る。この応用で仲間を自分の体内で保護する事もできる。
怪人協会との戦いではハグキに敗北したが、予言の時が来るまでなんらかの奥の手を温存するつもりらしく、その真の実力は今のところ不明。
怪人協会壊滅後はエビル天然水を自らの腹の中で処理するという離れ業を見せた。
驚異的なのは強靭という他無い顎、胃を含めた消化器官、抗体で、例え怪人すら数秒で絶命する猛毒をもろに喰らっても、毒袋もろとも“喰らって”も平然としている。
食べたものを一瞬で消化可能な胃液も規格外と言う他ない。あまり他のヒーローと共闘する事はなく、単独で動くことが多い。
怪人と組み合う描写もあり、純粋な肉弾戦もこなせる模様。最短距離を行くためにビルを体当たりで突き抜けるあたり相当なものだと推測できる。
覚醒ガロウの腹パンすら脂肪の壁で防いでみせた(ただし挑発であり本気になったガロウの肘鉄で倒されている)。


『S級9位』駆動騎士


「メタルナイトはお前の『敵』だ。気を付けろ

CV.上田燿司

詳細不明の単眼のヒーロー。
ジェノスの過去を知っているような素振りを見せ、「メタルナイトはお前の敵」という忠告を伝えた。
村田版にて戦闘スタイルが判明。「戦術変形」と自称する変幻自在な武装パーツを採る。
ケンタウロスのような追加脚部や鋭利な長剣などに瞬時に組み変わる、長方形のパーツ群を駆使。
曰く「俺の戦術変形ならありとあらゆる苦痛を与えられる」そうで、バリエーションは数多いものなのだろう。


『S級8位』ゾンビマン


「お前… 泥仕合だが覚悟しろよ」


進化の家の実験により不死身に近い肉体にされた男。自分のことを「死ねない男」と自嘲している。
ヒーロー活動をしつつ、自分をこのような体にした進化の家こそ人類を滅ぼす予言された存在と思い長らく探し求めていた。
遂に見つけ出したと思ったら既にサイタマの手で壊滅しており、たこ焼き屋「たこ焼きの家」になっていたある意味悲劇のヒーロー。
冷静沈着でニヒリスティックな言動の目立つクールな一匹狼だが、S級ヒーローの中ではトップクラスに協調性がある気配り上手の常識人という一面を持つ。

その不死性は頭に大きな風穴が空くなどの致命傷を受けても体の大部分を消失しても生命活動を維持でき、更に短時間で再生するほど。
だが胴体が吹き飛ぶなどの大きなダメージの再生にはそれなりの時間がかかる上、そのような攻撃を回復していない状態で連続で受け続ければさすがに無事では済まない様子。
ONE氏の解説によると「ミキサーにかけられたら死ぬかもしれない」「腕がとれたら回復に15分程度かかる」らしい。

ヒーローとしての戦闘スタイルは、自身の不死性を利用して斧と銃を持って最後まで戦い抜くという非常に泥臭い持久戦戦法。
本人もそんな泥仕合を快く思っていないらしく、銃で済むなら済んで欲しいと望んでいる節がある。
その性質上、僅かでも傷をつけられる相手であれば持久戦で粘り勝ち出来るが、
逆に掠り傷一つつけられない相手には敗けはせずとも勝つ術が一切無く、S級の中でも相性差が際立つ。*10
村田版では「内偵・諜報活動や汚染地域の調査が専門分野」と語っており、純粋な戦闘向きのヒーローでは無いというのは自覚済みの様子。
ただし戦闘では凄まじい威力の代償に腕が複雑骨折するほどの反動を有する銃弾を平然と操ったりと、超再生力を最大限利用した文字通りの捨て身の戦術が特徴。
コートの下は細身ながらも非常に鍛え抜かれており、重量級の大剣を軽々振り回したりと常人からすればパワーもかなり高い部類に入る。
体の内部には、敵への不意打ちと非常用を兼ねた奥の手の銃も仕込んである。

OVAの温泉旅行編で「不可能すぎる殺人事件」として背中から日本刀を突き立てられた姿で発見されるが…?

『S級7位』キング


「キング流気功術奥義 煉獄無双爆熱波動砲!」

CV.安元洋貴

『地上最強の男』と呼ばれる最も有名なヒーロー。
身長体重は非公開だが、そこそこ長身で片目にひっかき傷のある強面で金髪の寡黙な青年。
その力は怪人勢力にも広く知れ渡り、ヒーロー協会の最大戦力として最も警戒されている実力者。
あのタツマキでさえキングには一目置いており、クロビカリからもS級最強のヒーローと目されている。
公式ガイドのパラメーターでも、S級ヒーローで唯一全基本能力がカンストしている。
戦闘状態に入ると「キングエンジン」と呼ばれる轟音が鳴り響き、キング流気功術を駆使して相手を圧倒する。
奥義「煉獄無双爆熱波動砲」は、複数の竜クラス怪人だろうとまとめて消し飛ばす威力を持つ。
ただし、災害レベル:鬼~竜の怪人すらも一撃で瞬殺してしまうため、誰もその戦いぶりを見ることは出来ない。
人類最強と名高いが、基本的にソロであまり率先的に協会の指示に協力的ではない為、このランクに落ち着いている。




『S級6位』メタルナイト


「ヒーローは本名じゃなくヒーロー名で呼べ。常識だ」


本名「ボフォイ」。通称「ボフォイ博士」
遠隔操作のロボットを使って戦う出っ歯で禿げた天才科学者で、人智を超えた技術力の持ち主。
「平和のため」と称して、日々自分の作り上げたロボットの武力増強に力を入れている。
自分の研究が第一で、他のヒーローとは全く協力体制を取らず、実験が行える状況でなければ現れもしない。
ヒーロー協会の本部の要塞化、警備ロボットの配置、崩壊した市のあまりにも早い復旧など、協会に対する技術提供の貢献度は凄まじい。
ただしあまりに協調性がなく人道に反した合理的作戦ばかりに傾倒する為、S級ヒーロー内ではあてにする者もおらずランクも助手以下となっている。

本人は、常に「敵」が人類を襲い掛かることを想定して動いている様子。
S級ヒーローに甘えた一部のヒーロー協会幹部や自分の力を過信するものが多いS級ヒーローとは対照的に、最悪を見据えているからこそ冷徹な行動をとっているといえる。
そんな彼だが、ガイド本『ヒーロー大全』によると趣味は「ヒーロー映画」。

操るロボットの火力はジェノスのような他の兵器搭載型ヒーローと比べても桁違いに高く、
怪人協会編では、サイコスがS級2位のタツマキと正面から相対した状況にも関わらず彼とブラストが参加しなかったことを指して「飛車角落ち」と称するほど。
「ただの警備ロボット1体が災害レベル鬼の怪人2体に勝利できる」「数十年かかる街の復興工事を圧倒的な質と量の土木ロボットで7日間で終わらせる」など、彼が保有する総戦力は未知数。
ヒーロー、怪人問わずランクの高低と戦闘力が必ずしも比例しない「ワンパンマン」ならではの評価と言える。


『S級5位』童帝


「今こそ天才の証を!」「考えろ!!」「有効な一手を!!」「ボクなら勝てる!!」


若干10歳にしてS級5位の席につく天才少年。貴重なショタ枠。ちなみにこの人とは関係ない。
S級のブレーンにして、協会にもその情報力と技術力で多大な貢献をしている賢将小学生。
しかし協会への改善案は「しょせん子どもの言うこと」と聞き入れてもらえず、
一緒に組むことが多いS級は基本的に作戦も話も聞いてくれない(※悪意はない)ため、一番真面目に働いているのに一番報われていない苦境に置かれている。

背負ったランドセルには大量の兵器が収納されており、それを駆使して戦う。実はボフォイ博士の元助手。
その関係上、唯一ボフォイ博士と独自に交渉するが、毎度博士の自己満足に呆れては自分で動いている苦労人でもある。
Y市には自分のラボを持ち、そこで肉体強度測定器を制作したことも。
敵の戦力や特性を探る為にカマセイヌマン(アニメではイヌマン)などのロボットに戦わせる手法を取るある慎重派。
天才の洞察力を活かした作戦立案の軍師としてはもちろん、分析と先読みを駆使して回避に徹するならそこそこ持ち、
脳震盪を狙って蹴りを繰り出すなど、ランドセル無しの単身でも無力というわけではない*11。しかしサイタマとキングの実力は正確に把握できなかった。
甘党で思考のカロリー消費が膨大なため、難しいことを考える時はお菓子を食べる他、糖分が切れるとやせ細る。
村田版では戦闘描写が大幅に増量。文房具を模した多種多様な兵器をランドセルから自在に取り出して戦っている。

OVAの温泉旅行編で某探偵小僧のように「ゾンビマン殺人事件」を捜査するが…?




『S級4位』アトミック侍


「ヒーローと怪人が遭えば 殺し合うのは必然だろうが」

CV.津田健次郎

村田版によれば本名「カミカゼ」。剣術に長ける37歳の現代の侍。剣を高める剣豪たちが競い合う会合である『剣聖会』にも所属している超一流剣士。
A級2・3・4位の弟子を抱えており、2位のイアイアンが左腕を失った時は彼を気遣い、奪った相手に激昂する程に弟子思い。
しかし弟子以外には割と冷淡。当時B級だったサイタマが握手を求めても拒否し、相対した敵はなます切りにする。
「強者しか認めない」と公言する実力至上主義者で、彼が認めているのは、心技体全てがそろった者のみ。
彼がヒーロー協会の人間で認めているのは、シルバーファングくらいで、それ以外は実力もしくは人格が至っていないとみている*12
力の真偽がはっきりしない他者を見下す傾向にある自信家で、斬ることしかできない人間のためアドバイスをされてもやり方を変えない。
剣聖会の重鎮達とも普段はあまり交流はないなど協調性は低かったりするが、弟子達の信望は篤い。
また強さに奢ることなく、自分の未熟さを思い知れば更なる修行へと赴くストイックさも持つ。
S級7位のキングの実力を知るためある行動を取った事で、ネットでのアダ名が「林檎侍」になった。




『S級3位』シルバーファング


「そいつは元弟子でな ワシに任せてくれんか!」

CV.山路和弘

本名「バング」。荒々しい武人のような姿の老人。
「武術界の大御所」と呼ばれ、「流水岩砕拳」という独自の拳法を極めている。
ガロウの元師匠で、サイタマの実力を知る人間の一人。実力的にさらに強い兄のボンブがいる。
災害レベル:鬼もしくは竜の集団を瞬殺する程の実力を持ち、その攻撃を受けても平然としている程の頑丈な体を持つ。

長年の人生経験によって成熟した人間性を持ち、サイタマの実力をちゃんと評価し、彼とジェノスに流水岩砕拳を伝授しようとした。
結局断られるも、サイタマの数少ない知己として交流が続いており、フブキ組とのゲーム対決に呼ばれたことも。
その実力と人間性から、有象無象が目立つヒーロー協会でも本物の実力者と見られている。
しかし、年寄りで頭が固いと自嘲しアドバイスを受けてもやり方を変えられないあたり、頑固な面もある。
人情家である美徳は、時に身内に非情になりきれない弱みを生んでしまうことも。




『S級2位』戦慄のタツマキ


「情けないわね! 弱い上に根性もなし!! ヒーローやめれば!?」


本名「タツマキ」。最強の超能力者。
サイタマから迷子と勘違いされるほどの少女のような姿だがこれでも28歳。18年前からあまり外見が変わっていない。
S級1位が非協力的な姿勢をとっているのと、キングがこの項の通りアレなため一匹狼なため、事実上のヒーロー協会の最強戦力。
正攻法で彼女に勝てる生命体はこの世に存在しないとまで言われている。
ただし同時に非常に攻撃的な性格で、上記の台詞のように辛辣、協調性は欠片もなく他者を一切認めない上にパワハラしまくるアレな人。
そのせいで他のS級ヒーローとの衝突も多く、その喧嘩に巻き込まれればA級ヒーロー程度では流れ弾で死に兼ねない為、恐れられている。

超能力は災害レベルに達し、都市を粉微塵にするほどの弾幕を余裕で受け止めて跳ね返し、怪人協会のアジトを地下1500mから地盤ごと引きずり上げるようなとんでもないもの。
その力に巻き込まれた者は竜巻に巻き込まれたかの様に全身が捩じ切られ原形を留めない肉塊と化すこともあって、本名に「戦慄」という異名を加えたヒーローネームを得た。
一方で、頭部にダメージを受けると超能力が不安定になるという超能力者共通の弱点を抱えており、怪人協会編ではその方法を熟知している怪人によって終盤では無力化された。
自分より格上の相手と戦ったことがなかったので、超能力が通用しないケースを不可解に思うなど強者ゆえの経験不足も持つ。
正義執行時以外は暇を持て余してだらだらと過ごしていたり、散歩がてら怪人を退治していたりと生活面では(立場や性格に違いはあるが)サイタマと似通っている。

B級1位フブキの姉でもあり、妹からはコンプレックスを持たれているものの、本人はフブキを助けに来たりしている。
原作にて中々にクレイジーサイコなシスコンの姉であることが発覚した。
幼少期から天才的なESPを有することから研究施設に入れられていたらしいが…。


『S級1位』ブラスト


詳細不明。
目立つ事を嫌いヒーロー名簿にも登録せず、協会の招集にも応じない。
しかしその独断専行を踏まえて尚、特権を与えるだけの価値があるとS級1位に君臨し続ける存在。
原作106話にて(18年前の回想ではあるが)ついに満を持して登場、サイタマと色違いのコスチュームを纏った青年(18年前時点)であり、
当時サイタマが7歳だったことを考えると少なくともサイタマご本人ではない模様。(時間を超えたりしていなければ)
タツマキと知り合いらしく、合成獣を撃退した上でタツマキに「いざという時に誰かが助けてくれると思ってはいけない」ということを伝えた。
結局顔は影に隠れて見えなかったが…。
村田版では、取り逃がしてしまったものの怪人協会の一員の災害レベル竜クラスのムカデ長老を瀕死にまで追い込んだ事が協会の記録に残されている。
なおこのムカデ長老は、金属バット、メタルナイト、シルバーファングとボンブの兄弟、ジェノスとS級と匹敵する猛者を圧倒し、サイタマにマジ殴りを使わす程の強豪。*13
しかもサイタマに倒されるまではS級複数を相手でもトドメを刺せないほどの驚異的再生力と生命力を持っている。

【S級に相当するS級以外のヒーロー】

ヒーロー協会幹部シッチはアトミック侍の弟子達(イアイアン、オカマイタチ、ブシドリル)、
少なくともA級5~7位の重戦車フンドシ、ブルーファイア、テジナーマン(後に11位)もS級レベルの戦闘力を持つとみなしている。*14


『A級1位』イケメン仮面アマイマスク


「ヒーローというものは常にタフで力強く そして美しく」
「速やかに そして鮮やかに悪を排除できる存在でなくてはいけません」


その名の通りの超イケメンで、アイドルや俳優活動もしている。
あらゆる悪と、そんな悪に敗北するような弱いヒーローを決して許さず、S級に相当する実力を持ちながら「雑魚がS級になるのを阻止するため」A級1位の座についている。
自分の理念に絶対的な誇りを持っており、怪人による魅了攻撃も一切通じない。
ただし、極度のブサイク怪人を目の前にすると、嫌悪感から震えてまともに戦えなくなるという弱点がある。
悪を過剰なまでに憎んでいるアマイマスクを見て、ジェノスは「昔の自分に似ている」「心に余裕がない」と分析している。

普段は人気アイドルをしており、怪人と相対しない限りは、アイドル活動とみんなの笑顔を見ることを心から楽しんでいる。
彼がここまで悪を憎み、悪を打倒できないヒーローすら嫌悪するようになった理由は不明。
ONE版では怪人協会編を経て、自分の理想ともいうべき「悪を圧倒する絶対的な強さ」をみせたサイタマに強い興味を持つようになる。

本気を出すと首筋から頬にかけて血管が浮き出たり、切断面が綺麗とはいえ切り落とされた腕を即座につないだり、
明らかに致命傷の攻撃を受けてもピンピンしてるなどその体には謎も多い。
本人も自分の強さに絶対の自信を持っており、S級ヒーローに対して傲慢なのもそれが一因。
プロヒーローとなって調子に乗っている弟ユニット「微炭酸boys」との一幕では、格の違いを見せつけた。
尚、たまに「アマイマスクはS級以上に強い」という話も出るが、そんな事はない。
パワーは巨岩を持ち上げて投げ飛ばす程度と、上空に待機している宇宙船まで倒壊したビルを投げつけたタンクトップマスター以上のものを見せておらず、
再生力も高いが、きれいに切断された腕なら縫合なしにくっつけられる・心臓を撃ち抜かれても問題ない程度とゾンビマン以下で、ガロウの顔面ワンパンで倒されている。
スピードと攻撃力はそれなりにあるが、S級ヒーローと比較して突出しているわけではないと、良い言い方をすればバランス型。
ただし常人の域は確実に逸脱している存在であり、彼に認められるレベルの常軌を逸した強さがなければS級は務まらない。



『B級7位』→『A級39位』ハゲマント(サイタマ)


「お茶もらえる?」

CV.古川慎

S級程度では収まらない程の実力を持ちながら諸事情あって認められていない主人公。
当初S級の中でその実力を知るのはジェノス、バング、キングの三人だけだったが、
怪人協会及び人間怪人ガロウとの戦いを、その場にいたS級ヒーロー達が目撃した。
その後どのように評価されたのかは不明だがA級に昇格した模様。
ただし純粋戦闘能力ではS級を遥かに凌ぐ事を目の当たりにしたはずなのに、
フラッシュやタツマキなどは未だ自身より下だと見ている。
(アマイマスクが実力を認めているのにS級に昇格できなかったのもその辺が理由なのかもしれない。)

無名(趣味)→C級388位(最下位)→C級342位→C級5位→C級2位→C級1位→B級101位→B級63位→B級33位→B級7位→A級39位


【S級に相当する実力者】

ヒーロー協会に所属していないものでも、ソニック、バングの兄ボンブ、スイリュー、剣聖会の重鎮達、ガロウ、ゴウケツ(怪人化前)、バクザン、アクセル、ライデン、忍者の里出身者などS級相当の実力者は他にもおり、社会に埋もれていたり実力を発揮することのない人物もいるだろうとされている。






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*1 ちなみに、ワンパンマン世界では自衛隊は国防軍になっている

*2 あらゆる言葉(罵声含む)をプリズナーにとって好意的に捉える事が多いため。

*3 番外編「災害レベル」や原作で怪人協会に突入した際のジェノスの台詞・ドラマCD『マジCD』(2)など、災害レベル鬼の代表例として描かれている。

*4 彼の『エンジェル☆スタイル』が通用しなかったのはプリズナーによると深海王が初めて

*5 とはいえ、A級上位にいる時点で社会人的な人間性は悪くないと思われる。ガロウとの二度の戦闘も、どちらも不意打ちに近い部分があり実力を発揮できていなかった。病院で老人を庇っていたのかはわかりづらい。

*6 もっともムカデ長老はS級3位のバングとそれ以上の強さのボンブの合体技「旋風流水轟気空裂拳」の直撃を受けても倒せなかった、竜レベルの中でも一際とんでもない怪人。

*7 その容姿のおかげでマスコット扱いされている節がある

*8 村田氏いわく「ザンギエフレインボー・ミカの関係に近い。」

*9 ドラマCD『マジCD2』でのシミュレーションにおいても、「進化の家」の阿修羅カブトにも無傷で勝てるとしている。

*10 ドラマCD『マジCD2』でのシミュレーションによると、自身の攻撃力が足りず敵の再生力が高いため深海王には苦戦するらしいが、阿修羅カブト相手には持久戦で勝てるらしい。

*11 村田版の番外編では、大型の熊の2倍程の肉体的な強さを有しており、すでにA級上位ヒーロー並みの身体能力

*12 逆に言えば、アトミック侍がガロウ討伐のために協力要請した剣聖会の重鎮達はS級クラスに匹敵する実力だとも言える。

*13 ただしマジ殴りをしたのはキングの作戦の為に絶妙なさじ加減が必要だった可能性も高い。また、キングにゲームでボロ負けした鬱憤晴らしも兼ねていた。

*14 しかしメタ的に見れば、彼らはどこまで行っても達人レベルで、アマイマスクを含めたS級のような超人レベルとは越えられない壁がある。